へたれゲーマーだということを証明します

過酷なボス戦

「過酷なボス戦」

暗闇の奥に響く足音。アルトたちパーティーは、ついにボスの間へとたどり着いた。巨大な扉が静かに開かれ、その向こうには不気味な静寂が広がっている。アルト、リーダーである剣士は、いつものように冷静さを装っているが、心の中では不安が渦巻いていた。魔法使いのリナ、戦士のリオ、僧侶のすぐはも、それぞれが緊張の面持ちで扉の向こうを見つめていた。

扉が完全に開き、四人はボスの姿を目の当たりにした。暗黒のオーラをまとった巨大な魔獣が、ゆっくりとその目を開け、パーティーを睨みつけた。その赤い瞳には、強大な力と冷酷さが宿っている。リオは剣を握りしめ、リナは魔法の杖を掲げ、すぐはは神聖な力を宿した手を前に突き出した。

「ここまで来たんだ。やるしかない。」アルトの掛け声とともに、戦いが始まった。

リオが真っ先に突撃し、力強い斬撃を魔獣に叩き込んだ。だが、その一撃は魔獣の硬い鱗に弾かれ、リオの腕に衝撃が返ってきた。リナはすかさず炎の魔法を放ち、魔獣を焼き尽くそうとするが、魔獣はまるで嘲笑うかのようにその炎を飲み込み、無傷のままだった。

「なんてことだ…全然効かない！」リオが歯を食いしばる。すぐはも回復魔法でリオを支えるが、消耗が激しく、このペースでは長く持たないことは誰の目にも明らかだった。

そして、その時だった。魔獣が口を開き、魅了の呪いを吐き出した。紫色の霧がリオを包み込み、彼の目が虚ろに光を失ったかと思うと、その瞳は赤く染まり、凶暴な笑みを浮かべた。

「リオ、どうした!?」アルトが叫ぶが、リオは耳を貸さず、剣を振り上げる。その一撃が向かった先は、すぐはだった。すぐはは間一髪で攻撃を避けたが、リオの執拗な追撃が続く。僧侶としてのすぐはは直接の戦闘には向いていない。彼女は懸命に逃げ回るが、リオの剣がとうとう彼女を捉え、鮮血が飛び散った。

「すぐは！」アルトが駆け寄るが、もう遅かった。すぐはは倒れ、微動だにしなかった。死んだまま放置されるすぐはの身体は、仲間たちの目に痛々しく映った。

リナはリオに対して眠りの魔法を唱えようとしたが、もうMPが残っていなかった。すぐはの回復魔法も頼れない今、彼女の選択肢は尽きていた。リナは杖を投げ捨て、残された小さなナイフを手に取るが、魔獣に迫られている状況で、それがどれほど役に立つのかは疑問だった。

「アルト、どうするの!?」リナが叫ぶ。しかしアルトもまた、限界を迎えていた。魔獣の攻撃がアルトを直撃し、彼の盾が粉々に砕け散った。次の瞬間、魔獣の尾がアルトの身体を吹き飛ばし、彼は床に叩きつけられた。息が苦しい。痛みが全身を襲い、アルトの視界がぼやけていく。

「まだ…終わらせない…！」アルトは立ち上がろうとするが、体が言うことを聞かない。リオは魅了されたまま、仲間を次々と襲う。そして、リナもリオの剣によって倒れ、遂にアルト一人が残された。

「全滅なんて…こんな…ところで…！」アルトは剣を地面に突き立て、どうにか立ち上がろうとした。しかし、魔獣が口を開き、再び強烈な一撃を繰り出してきた。アルトはその攻撃をかわすことができず、真っ直ぐに喰らった。

「くっ…」アルトは倒れた。視界が完全に暗転し、音も光も遠ざかっていく。その時、すぐはの穏やかな声が耳に残った。「みんな、がんばってね…」彼女の最後の言葉がアルトの意識に響き、消えていった。

画面には「全滅しました」の文字が浮かび上がる。絶望と無力感が押し寄せるが、それでもアルトは諦めることを知らなかった。この過酷な戦いの記憶は、次に挑む時の糧となるだろう。

「次こそ…絶対に…」アルトは目を閉じ、再び立ち上がる日を誓った。パーティーは全滅したが、その意志はまだ消えていない。何度でも、立ち上がって戦うのだ。これは終わりではない。ただの一つの章に過ぎない。

戦士も僧侶もHP残りわずか。

もうだめかと思った瞬間、戦士の痛恨の一撃。

全滅かと思って諦めそうになったけど、

なんとかなっちゃった。

ありがとうございます。