上 下
38 / 167

証明されたへたれゲーマー

しおりを挟む
「証明されたへたれゲーマー」

みるくは深夜の静かな部屋で、パソコンの画面を見つめていた。お気に入り数はたったの1。初回公開から数日が経ち、更新も行っているが、状況は変わらない。公開された小説の文字数は60,732、24時間ポイントは398。2,832位という順位に、一瞬、胸が高鳴った。しかし、すぐにその感情は消えていった。週間ポイントも月間ポイントもゼロ、年間ポイントもゼロ。累計ポイントは2,288。133,503位という数字が重くのしかかる。

「こんなに書いてるのに、どうして誰も読んでくれないんだろう…」

その言葉は、自分自身への問いかけだった。これまで頑張ってきた努力が報われないのは、やはり自分が「へたれゲーマー」だからなのかと、無意識に納得しようとしていた。書くことに対する情熱は薄れ、むしろ負担になっていた。以前の自分なら、もっと楽しんでいたはずなのに。

減っていく読者と楽しさの消失

「読んでくれる人は、めちゃくちゃ少なくなってきてる…」

その事実は、みるくの心にじわじわと浸透していた。最初はどこか自分を励ますように書いていた。だが、今では画面の向こう側に誰もいないことを感じるたび、筆が重くなる。書けば書くほど、虚しさが募る。なぜ、こんな気持ちで続けているのだろうか。いや、本当に続けるべきなのかさえ分からなくなっていた。

「私だって、楽しくないもの…」

その思いが、ついに言葉として漏れ出す。書くこと自体が苦痛になりつつあることを、みるくはようやく自覚した。かつては好きで始めたはずの創作が、今では義務感に変わっていた。お気に入り数やポイント、順位に一喜一憂する自分が嫌だった。数字に囚われることで、創作の楽しさを見失ってしまった自分を、みるくは責めていた。

へたれゲーマーとしての証明

「やっぱり、私ってへたれなんだよね…」

その言葉には、自嘲が込められていた。人に認められたいと願いながらも、自分自身の情熱がどこかで途切れてしまったことを痛感していた。へたれゲーマーとして、自分の弱さを認めることに抵抗はなかった。むしろ、その方が楽かもしれないとさえ思う。

現実逃避のためにゲームにのめり込んだ過去の自分と、今の自分が重なる。現実世界での評価が低いと感じるたび、心はどんどんゲームの中へと引きこもっていった。だが、現実から逃げても何も解決しないことは、みるくが一番よく分かっていた。

新たな一歩の模索

「じゃあ、どうすればいいんだろう…」

みるくは自問自答を繰り返す。いくら考えても、すぐには答えは出ない。だが、心のどこかで「変えたい」と思っている自分がいることに気づいた。へたれゲーマーであることを認めながらも、もう一度、自分の中にある楽しさを見つけたいと願っていた。

数字や評価に縛られず、自分が本当に楽しめるものを追い求める。それが何なのかはまだ分からない。だが、みるくは確かに何かを求めていた。失敗してもいい、誰に評価されなくてもいい。ただ、もう一度、自分が書くことを楽しめるようになりたい。それが、みるくにとっての新たな一歩だった。

「書くことの意味を見つけるために、もう少しだけ頑張ってみよう…」

そう心に決めたみるくは、パソコンの前に再び座り直した。数字に囚われることなく、今の自分が書きたいものを書こう。それが、へたれゲーマーとしての証明であり、同時に新たな挑戦でもあるのだと、みるくは静かに微笑んだ。


***

お気に入り 1
初回公開日時 2024.09.03 23:06
更新日時 2024.09.07 08:31
文字数(公開) 62,421
文字数(非公開) 0
24h.ポイント 398 pt (2,832位)
週間ポイント 0 pt (---位)
月間ポイント 0 pt (---位)
年間ポイント 0 pt (---位)
累計ポイント 2,288 pt (133,503位)

24h.ポイント 398pt 0 小説 2,832 位 / 189,941件 現代文学 44 位 / 8,115件 

へたれゲーマーだということを証明します やっぱ、読んでくれる人はめちゃくちゃ少なくなってきてる。だって、書いてる私だって、楽しくないもの。2

週間ポイント 0 pt (---位)
月間ポイント 0 pt (---位)
年間ポイント 0 pt (---位)

こんなことがあるんですね。
ゲームができないだけでも気が狂いそうなのに。
リアルもバーチャルもつらすぎる。
前代未聞です。

https://x.com/JsVgjPCXsP2e3GR/status/1831538999137333723

わたしのSNSのトップにピン止めましてしているのに。

0。

はー、死にたくなりますね。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

生意気な女の子久しぶりのお仕置き

恩知らずなわんこ
現代文学
久しくお仕置きを受けていなかった女の子彩花はすっかり調子に乗っていた。そんな彩花はある事から久しぶりに厳しいお仕置きを受けてしまう。

妊娠したのね・・・子供を身篭った私だけど複雑な気持ちに包まれる理由は愛する夫に女の影が見えるから

白崎アイド
大衆娯楽
急に吐き気に包まれた私。 まさかと思い、薬局で妊娠検査薬を買ってきて、自宅のトイレで検査したところ、妊娠していることがわかった。 でも、どこか心から喜べない私・・・ああ、どうしましょう。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

処理中です...