へたれゲーマーだということを証明します

「100あるうちの98はつらいことで2を楽しむために生きている」

「100あるうちの98はつらいことで2を楽しむために生きている」

母の言葉は、人生の厳しさをどこか割り切って受け入れる一つの方法だった。「100あるうちの98はつらいことで2を楽しむために生きている」と、彼女は何度も繰り返していた。その言葉がいつしか、私の心に深く根を張っていた。そんな私が最近、オンラインゲームに没頭している自分を見つけたとき、母の言葉がふと思い浮かんだ。

家の静かなリビングで、私はPCの前に座っていた。画面に映るゲームの世界は、日常生活とはかけ離れたファンタジーの領域だ。キャラクターが華麗に戦う姿や、美しい風景が広がる中で、私は日々の疲れやストレスから解放される瞬間を楽しんでいた。しかし、その楽しさを維持するためには、日課の作業が欠かせなかった。

「今日はこれを終わらせなければ」と、私は思いながらゲームのタスクを進めていった。強化アイテムを集め、クエストをクリアし、経験値を積む。この繰り返しが、ゲームの魅力を支えている。しかし、その裏には多くの単調な作業がある。経験値を得るために、同じダンジョンに何度も挑戦し、必要なアイテムを集めるために時間を費やす。これが日課となり、私の生活の一部になっていた。

「これって、もしかしたら母が言っていた『100あるうちの98』の一部なのかもしれない」と、私はふと思った。ゲームの中で楽しむ瞬間のために、多くの時間と労力を投資している自分に気づいた。その努力があってこそ、たまに訪れる楽しい瞬間が輝くのだ。

そんなある日、ゲーム内での大きなイベントが発表された。特別なアイテムや、強力なボスが登場するという。興奮と期待で心が弾む中、私はそのイベントに参加するための準備を始めた。ゲーム内の仲間たちと連絡を取り合い、戦略を練り、必要なアイテムを揃えた。全てがこの瞬間に向けての準備であり、その努力が報われる瞬間を待っていた。

イベント当日、私はゲームにログインするなり、心が高鳴った。仲間たちと一緒に、ボスに挑むための準備を整えた。戦いが始まり、画面上のアクションが激しくなっていく。勝利を目指して、みんなで協力し合いながら、緊張と興奮が交錯する瞬間が続いた。

そして、ついにボスを倒し、特別なアイテムを手に入れた瞬間、達成感と喜びが溢れた。「これが、母が言っていた『2』の部分なのか」と、私は感じた。98のつらいことを乗り越えた先に、こんなにも素晴らしい瞬間が待っているのだと実感した。

しかし、すぐに現実が戻ってくる。ゲームの中での楽しさが一時的なものであるように、現実の生活でも様々な困難が続いている。ゲーム内のタスクもまた日課となり、次の目標が待っている。けれど、その中での楽しみを見つけることで、日々の辛さを乗り越えていく力を得ているのだと感じた。

「100あるうちの98はつらいことで2を楽しむために生きている」と母が言ったことは、私にとっての励ましであり、指針であった。オンラインゲームも同じように、多くの努力と苦労の中で、ほんの少しの楽しみを見つけるためのものなのだと、私は心から理解した。ゲームの中での楽しさと達成感が、私の現実の生活においても、心の支えとなっている。

ゲームの画面が静かに消え、現実の世界に戻ったとき、私は深呼吸をしてリラックスした。楽しみの瞬間を味わうために、日々の努力と挑戦が不可欠であることを再認識し、これからも前向きに生活していこうと心に誓った。