へたれゲーマーだということを証明します

ログインできない、君との距離

ログインできない、君との距離

みるくは、オンラインゲームの中で心を寄せる人がいる。その人はアスペルガーで、優れた面もたくさんあるが、女性に対しては、ある意味、超お金持ちのように豆に扱うことが知られていた。それでも、みるくはその彼と一緒に過ごしたい一心で、どんな形でも良いから彼とつながり続けようと努力していた。ゲームにログインしては、彼と連絡が取れないかと待ち続けた。昨日も今日も、彼の姿はゲーム内に現れず、サポートで助けを借りることもできなかった。彼がどこか別の人と仲良くしているのではないかと心配になるが、以前のように嫉妬の炎に飲まれることはないと自分に言い聞かせた。

そんなある日の昼過ぎ、スカイプでようやく彼からの返信が届いた。「遅くなってごめん。ゲーム内で会おう」とのことで、みるくはホッとした。彼との再会を心待ちにしていたが、新たなバージョンアップでレベル解放クエストが登場していると知り、その手伝いをしてもらうことになった。これには追加課金が不要だということで、二人は少し雑談を交わした後、クエストに取り組むことになった。

しかし、ゲーム内での立ち回りがうまくいかず、みるくは何度も死亡を繰り返してしまう。占い師としてタロットカードを駆使しながらも、状況を把握するのが精いっぱいで、自分のプレイに苛立ちを覚えた。それでも彼と一緒にクエストをクリアすることができ、達成感を感じながら、彼の家に向かった。

その時点で、すでにチャットの内容が頭に入ってこなくなっていた。「疲れているのかな？」「緊張しているのかな？」と自問しながら、彼の家のドアをクリックするも、開かない。「他の人の家へ行く」と表示されるだけだった。以前は問題なく入れたはずなのに、この変化に戸惑いを隠せなかった。

頭の中で最悪のシナリオがぐるぐる回る。もしかして、彼が別の女性を頻繁に家に呼んでいるのかもしれない。自分はただのサポート役として扱われているのではないかという恐怖が心を締め付けた。目の前が真っ白になり、心臓が激しく鼓動を打ち始める。

「どうしよう…」

みるくは、一歩一歩の足取りが重く感じた。心の中で自己嫌悪や不安が交錯するが、彼のことを想うと同時に自分の中で冷静さを取り戻そうと努力していた。このままでは終わりたくない。彼との関係を再確認し、何が起きているのかを知るために、勇気を振り絞って行動しなければならないと決意した。

みるくは、心臓の鼓動を抑えながら、再度ドアをクリックした。今度は少し落ち着いて、状況を冷静に観察しようとした。ドアが開かないのは、もしかしたら単なるバグや設定ミスかもしれないと考えた。彼にスカイプでメッセージを送り、問題の詳細を伝えると、すぐに返事が来た。

「ごめん、実は設定を変えていたんだ。今すぐ解除するから、少し待ってて。」

その言葉に、みるくはほっと息をついた。少し待っていると、ドアが開き、彼の家に入ることができた。中に入ると、彼は温かい笑顔で迎えてくれた。

「遅くなって本当にごめん。色々と設定をいじっていて、君に迷惑をかけてしまった。」

彼の言葉に、みるくは心から安心した。ゲーム内でのトラブルや自分の不安も、一緒に過ごす時間が心を癒してくれる。二人は再びゲームに集中し、お互いに楽しみながらプレイを続けた。

彼との時間は、どんな困難も乗り越えられる気持ちを与えてくれる。みるくは、彼との関係を深めるために、自分の感情と向き合いながら、一緒に楽しむことの大切さを再認識した。

いやいや、ほんとに飽きさせない人。