季節の織り糸

春秋花壇

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冬の光景 12月15日

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冬の光景

12月15日、冬の冷たい空気が街を包み込んでいた。陽の光はすでに薄く、薄明かりの中で辺り一面が静けさに包まれている。そんな中、街の片隅で見かけたのは、ひっそりと咲いているポインセチア。その赤い花が冬の厳しさを少しだけ和らげるように見える。

外の寒さに身を縮めながら、私は家の中に戻ると、すぐに温かいセーターを手に取った。セーターは母から贈られたもので、しっかりとした編み目が寒い冬にぴったりだ。手に取ると、母の温もりが伝わってくるようで、心がほっと安らぐ。

窓の外には、枯れた草や枯野が広がっており、季節が過ぎ去ったことを実感させる。その景色を眺めながら、私は心の中で今年の冬を振り返っていた。街の向こうでは、刈田が広がり、次第に秋の終わりを迎えようとしている。あたり一面に広がる冬の景色に、少しだけ寂しさを感じる。

母の庭には枇杷の花が咲いている。冬の寒さに負けずに咲き誇るその花を見ていると、生命力の強さを感じずにはいられない。冬の花にしては珍しく、黄色い花が寒い空気の中でひっそりと存在している。その姿に、何とも言えない美しさを感じる。

家の中で少し暖を取っていると、ふと窓の外で鳰(にお)という鳥が水面を滑るように泳いでいるのが見えた。冬の凪のように静かな水面をすべるその鳥は、まるでこの世界から一歩外れたかのように感じる。彼の動きが、私の心の中の静けさを引き寄せるようだ。

冷えた手で、カップを握りしめて温かい乾鮭を味わう。鮭の香ばしさが広がり、冬の味覚を堪能する。口に広がるその味は、幼少期の思い出と重なり、懐かしさと安心感を与えてくれる。食卓には母の手料理が並び、炬燵の中で温まる時間がゆっくりと流れていく。

温かいダウンコートを羽織り、外に出る準備をする。寒さが一層身に染みる季節になり、厚着が欠かせなくなってきた。ダウンコートに包まれながら、今日は街に出かけようと決めた。

寒空の下で歩くと、通りの向こうに山茶花の花が見えた。ピンク色の花が白い雪の中で目立ち、冬の冷たさを一瞬忘れさせてくれる。花の姿が、私の心を温かく包み込むようで、歩みが軽くなる。

その道の途中、飾売の店先にはクリスマスの飾り付けが並んでいた。小さな木製のサンタクロースや、光り輝くイルミネーションが通りの風景を華やかにしている。寒さを忘れて、つい足を止めて見入ってしまう。店の窓に映る私の姿も、少しだけ幸せそうに見えた。

すべてが少しずつ変わりゆく冬の景色の中で、私はこの季節の美しさに包まれている。心の中に浮かぶのは、これから迎える新しい年への希望と、過ぎていった時間への感謝だ。冬の寒さを乗り越えた先に、また新しい春が待っている。そんなことを考えながら、私は足早に帰路をたどる。

冬はまだ続く。しかし、この寒さの中でこそ、温かなものを感じ取ることができる。それは人の心、そして愛情のようなものかもしれない。


12月15日

海 鼠

ポインセチア

枯 野

冬 籠

枯 草

刈 田

枇杷の花



セーター

乾 鮭

冬 凪



玉 霰

飾 売

セーター

山茶花

炬 燵

ダウンコート
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