季節の織り糸

冬の鳥たち 12月13日

冬の鳥たち

12月13日、寒風が舞い込む中、村の家々では薪を焚く音が響き渡っていた。空気は凍てつくように冷たく、冬ざれが広がるこの時期、村人たちはそれぞれの方法で寒さをしのいでいた。

火事の噂が村に広がったのは、朝のことだった。遠くの山の中で火の手が上がり、煙が立ち上る様子が見えたという。村の消防団はすぐに準備を整え、山へと向かう。しかし、そんな中でも家々の囲炉裏は温かく、冬の夜が訪れる準備をしていた。

翌日、風の中を歩いていると、どこからともなく、鳥の鳴き声が聞こえてきた。水鳥たちは近くの沼地に集まって、厳しい冬を過ごすために羽を休めている。枯れ野を越えて、あの鳴き声を追っていくと、いくつかの小さな群れが浮かんでいた。冬鴎がその一部だ。

その日、村の広場では、神迎えの儀式が行われていた。冬至が近づき、村の人々は神々を迎え入れる準備をしていた。白い布に包まれた神像を担ぐ者たちの顔は真剣そのものだ。神迎えは、冬安居を無事に過ごすための重要な儀式だった。寒さの厳しいこの季節、神々の力を借りて、少しでも暖かさを感じることができるように、村人たちは一心に祈りを捧げていた。

その日、神迎えが終わると、村人たちは手袋をはめ、冬帽子をしっかりと被り、囲炉裏を囲んで雑炊を作り始めた。具だくさんで、心を温める料理だ。冬の味覚が詰まったその料理は、冬の寒さをしのぐための大切なひとときだった。

私もその場に招かれ、ほっと一息ついた。火の見の屋根の上に灯された小さな明かりが、村全体を柔らかく照らしている。風の音、鳥たちの鳴き声、そして人々の声が混じり合い、静かな冬の夜が広がっていく。

「冬温し」という言葉が、ふと思い浮かんだ。寒さが厳しくても、人々が温かい気持ちで寄り添っていると、その中に温もりを感じることができる。そして、この冬の温かさを感じるためには、外の世界にある自然と一体となり、身の回りのことを大切にしていかなければならない。

冬が深まる中、浮寝鳥が町の空を横切った。その姿を見たとき、私はふと、自分の心の中に漂う浮遊感を感じた。家々の屋根に積もった雪、風に揺れる水草の紅葉、すべてがひとつになって、冬という季節を感じさせてくれた。

その夜、囲炉裏の火を見つめながら、私は心の中で思った。冬の静けさの中で、人々はお互いに温もりを与え合い、共に過ごしている。それは、決して孤独ではなく、むしろ一緒にいることで強くなれるということなのだと。

翌朝、目を覚ました私は外に出た。冷たい風が顔を撫で、足元の石蕗の花が寒さの中で咲いていた。美しいその花は、冬の厳しさに耐えながら、ひときわ輝いて見えた。水草の紅葉が淡い色合いを帯び、澄んだ空気の中でひときわ鮮やかに映えている。

その時、私は気づいた。この冬の景色もまた、時間が経つにつれて少しずつ変わり、やがて春へと向かっていくのだと。冬があってこそ、春が訪れる。その周期の中で私たちもまた成長し、変化していくのだと。

村人たちは、厳しい冬を共に乗り越えるために、今後も互いに助け合っていくことを誓い合い、その日もまた、火を灯しながら冬を迎えていった。


12月13日

火　事

水　鳥

枯　野

冬ざれ

冬帽子

手　套

雑　炊

神迎え

冬　鴎

冬安居

冬温し

浮寝鳥

冬ざれ

味噌搗

火の見

北　風

石蕗の花

水草紅葉