季節の織り糸

春秋花壇

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秋の夜長とレジリエンス

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秋の夜長とレジリエンス

東京16℃、壊れたシャワーから滴る水は肌を刺すように冷たく、秋の寒さが体をすり抜けていく季節がやってきた。シャワーで冷水を浴びると、全身が震えた。だが、この冷えた空気がなぜか心地よい。外を見ると、秋霖が街に降り注ぎ、アメリカンハナミズキの赤い実や紅葉を容赦なく洗い流している。葉は濡れ、枝から次々と舞い落ちる。冷たい風と雨が、街のあちこちに秋の訪れを知らせていた。

「そろそろお風呂を沸かさないと……20分かかるか。」

そう思いながら、寒さをこらえてキッチンへ向かう。お風呂が暖まるまでの時間、家の中で温もりを探すように何かをしたくなった。手元にあるのはノートパソコンと、本棚に積み上げた読みかけの小説たち。外の寒さと対照的に、部屋の中は静かなぬくもりが漂っていた。

パソコンを開き、アルファポリスのサイトを眺める。ランキングを見ながら、自分の作品がいまどの位置にいるのかを確認するのは、少し心が緊張する瞬間だ。スコアは19、思ったほど上がっていない。ランキングの40位までに自分の作品が入っているものの、結果に満足することはなかった。

「ショボーン……。」

思わず呟く。スコアが伸びないことに落ち込んでしまい、モチベーションが下がる。でも、それも一瞬のことだ。この長い夜、ここで挫けるわけにはいかない。五感を研ぎ澄ませて、表現力を磨くことこそが自分の成長の鍵だと心に誓った。アルファポリスに投稿し続けるのも、執筆という表現の一環だ。たとえスコアが低くても、作品を発表すること自体がレジリエンスの証明なのだと感じる。

秋の夜は長い。外の雨音が心地よく響く中、書きかけの原稿に再び向き合う。表現することの難しさに直面しつつも、五感を活かし、書くことそのものを楽しむ余裕が徐々に芽生えてきた。目に見えるスコアや評価に振り回されるのではなく、心の中での成長を大切にする。そのことに気づいたとき、スコアの数字は次第に気にならなくなっていく。

外の雨が少しずつ止んできた。アメリカンハナミズキの葉が舞い散る様子を窓越しに見ながら、心の中で秋を感じる。落ちた葉は新しい命を養うための肥やしとなる。それを思うと、自分も少しずつ成長しているのかもしれないと感じた。五感を研ぎ澄ませ、表現力と「おもてなしの心」を育む時間は、確かにここにある。

冷えた体を温めるために、そろそろお風呂に入る時だ。冬を迎える準備をしつつも、この秋を全身で感じながら、心の強さ、すなわちレジリエンスを育てていこうと決意した。20分かけて沸かしたお風呂で温まりながら、冬を越えて迎える新しい春を夢見ている自分がいた。

冷たい雨に打たれた外の街路樹が、どこか美しく感じられる。寒さが厳しくなるこれからの季節も、穏やかに乗り越えていけると信じて。






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