ギリシャ神話

創作

カオス（虚空）の詩

カオス（虚空）の詩

はじまりの前、すべては無音、
光も闇もなく、ただカオス、
虚空が広がり、形のない世界、
秩序も理もなく、ただ漂う。

時間はまだ生まれず、空虚な鼓動、
始まりも終わりもない無限の中、
神々の姿はまだ影もなく、
ただ混沌が、すべてを包み込んでいた。

カオスの深淵には無限の可能性、
何もないのに、すべてがある場所。
そこからガイアが大地となり、
ウラノスは空に昇り、夜と昼が目覚める。

けれどその前は、ただの虚無、
言葉も色もない、ただの闇。
形なき夢が潜み、名もなき息吹が、
どこか遠く、今も響いている。

カオス、それは創造の母、
無秩序から生まれる、すべての源。
虚空は語らず、ただそこに、
世界の始まりを待ち続けていた。