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ひとりでできるもん(続き)

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ひとりでできるもん(続き)

サクラは、前回の買い物が無事に終わった後、次のステップに進んでいた。画面に映った新しい商品たちを見ながら、再び心が躍る。今度は、下着や靴下、暖かいレギンスを選ぶ番だ。母親から「次は服の下に着るものも必要だよ」と言われていたので、サクラはちゃんとそれを覚えていた。

「GIRLS ストレッチコットンショーツ、3枚組¥990。」サクラはその商品をクリックし、ひとつずつ選んでいく。ピンクと白、それから黒も選んだ。それぞれが可愛らしくて、サクラの心はますます満たされていく。

次に目が留まったのは「GIRLS ショートソックス/リブメロウ、3足組¥790」。色は白、ピンク、ネイビー。サクラは足元にも気を使うようになった。最近は、かわいい靴下が流行っているから、自分もおしゃれを楽しみたいと思っていたからだ。

そして、最後に「GIRLS 極暖ヒートテックボアレギンス¥1,290」を選んだ。冬の寒さに備えて、暖かいレギンスが必要だと思ったから。寒がりなサクラにとって、これが一番うれしいアイテムだった。

「これで合計3,070円。」サクラは計算機を使って、合計金額を確認した。さっきのダウンジャケットやパンツと合わせると、全部で13,830円になる。サクラは驚いた。

「こんなにたくさん、買ってしまったんだ。」サクラは少しだけ照れくさい気持ちになった。でも、どれもとても欲しかったものばかりだ。

「お母さん、お父さん、ありがとう。」サクラは心から感謝の気持ちを込めて、リビングに向かって声をかけた。母親と父親は、それぞれ自分の仕事に集中していたけれど、サクラが話しかけると、二人は顔を上げた。

「どうしたの、サクラ?」母親が微笑んで尋ねた。

「この買い物、全部終わったよ。」サクラは誇らしげに言った。「お母さん、お父さん、ありがとう。子供を育てるってお金がかかるんだね。」

母親は少し驚いたように目を見開いた。「あら、それは急にどうしたの?」

「だって、お金ってすごく大切なんだなって思ったから。」サクラは真剣に言った。「これだけのものを買うのに、どうしてお金が必要なのかって、なんとなくわかる気がした。」

父親も、ニヤリと笑いながら言った。「うん、育てるって大変なんだよ。物を買うだけじゃなくて、食べ物や学校、いろんなことにお金がかかるからね。」

サクラはうなずきながら、「でも、今まではあまり考えたことがなかったよ。」と続けた。「今日は自分で買い物したから、もっとそのことがわかった気がする。」

母親はサクラの成長を感じて、柔らかく微笑んだ。「そうか、少しずつ大人になっているんだね。お金の大切さも、こうしてわかってくれたんだ。」

「でも、サクラ、まだまだお金を使うのは大事じゃないよ。」父親が真面目な顔で言った。「必要なものを買うことは大切だけど、無駄に使わないように気をつけないとね。」

サクラはうんうんとうなずきながら、「これからは、必要なものだけを買うようにするね。」と、少し照れくさいけれど、決意を込めて言った。

母親も、父親も、サクラの言葉に満足そうに頷いた。「そうだね。お金を大切にすることが、これからの生活にも役立つから。」と母親が言った。

サクラは、ふと思い出したことがあった。「お母さん、お父さん、今度は貯金してみようかな。次に欲しいものが出てきたときに、ちゃんとお金をためてから買おう。」

「それはすごくいい考えだね。」父親が賛成して言った。「そうやって少しずつ、お金の使い方を覚えていけば、もっと賢くなるよ。」

サクラはにっこりと笑いながら、「うん、これからもっとがんばるね!」と元気よく答えた。

買い物を通じて、サクラはただ物を選ぶ楽しさだけではなく、お金の大切さや、必要なものを考えて買うということを学んだ。少し大人になった気がして、自分を誇らしく感じた。

そして、サクラは心の中で誓った。これからは、もっと賢く、お金を大切に使っていこうと。






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