ほっこりできるで賞

みゆのほっこりパパ

みゆのほっこりパパ

みゆは小学校三年生の女の子。学校から帰ると、真っ先に駆け寄るのはパパのところ。パパはいつも温かい笑顔でみゆを迎えてくれる。みゆにとって、パパは大好きな遊び相手であり、頼れる相談相手でもあった。

パパの名前は隆之。彼は地元の小さな出版社で編集者として働いている。仕事は忙しいが、家に帰るといつもみゆとの時間を大切にしてくれる。家族の時間を何よりも大事にしているのだ。

ある日、みゆは学校で絵を描く授業があった。テーマは「大好きな人」。みゆは迷わずパパの絵を描いた。パパがソファに座って、みゆを抱きしめている絵。みんなが見た瞬間にほっこりするような、温かい絵だった。

その夜、みゆはパパにその絵を見せた。

「パパ、見て！これ、今日の授業で描いたの！」

隆之は絵を見て、優しく微笑んだ。「すごいね、みゆ。パパのことを描いてくれたんだね。ありがとう。」

みゆは嬉しそうに笑った。「うん、パパが大好きだから！」

その後、みゆとパパは一緒に夕食を作り始めた。今日は特別な日だった。パパがみゆのために新しい料理に挑戦することになっていた。みゆも手伝いながら、楽しそうにキッチンを駆け回っていた。

「みゆ、今日は何を作ると思う？」とパパが問いかける。

「んー、パパのスペシャルカレー？」とみゆが答えると、パパはニヤリと笑った。

「それもいいけど、今日はオムライスに挑戦しようと思うんだ。みゆはお手伝いしてくれる？」

みゆは大きく頷いた。「うん、やるやる！」

二人で協力してオムライスを作り始めた。みゆはパパに卵を割る方法や、フライパンの使い方を教わりながら、一生懸命に手を動かしていた。パパは優しくサポートし、みゆが失敗しても笑顔で励ましていた。

「パパ、見て！卵がきれいに割れたよ！」とみゆが嬉しそうに叫ぶと、パパは拍手をしてくれた。

「さすが、みゆ。上手にできたね。」

完成したオムライスは見た目も味も最高だった。二人で一緒に食べながら、みゆはパパに学校での出来事を話した。友達との遊びや先生の話、そして今日描いた絵のことも。

「みゆの絵、本当に素敵だったよ。パパももっと絵を描くのが上手くなりたいな」とパパが言うと、みゆは笑いながら答えた。

「パパも一緒に描こうよ！今度は一緒に絵を描く時間を作ろう！」

翌週の土曜日、パパとみゆは約束通り一緒に絵を描く時間を作った。パパは色鉛筆やクレヨンを用意し、みゆと一緒にリビングのテーブルに広げた。

「今日は何を描く？」とパパが尋ねると、みゆは少し考えた後に答えた。

「うーん、家族みんなを描きたい！」

パパは頷き、みゆの提案に賛成した。「いいね、家族の絵を描こう。」

二人で大きな画用紙に向かい合い、絵を描き始めた。パパはみゆの描くママの隣に自分の姿を描き、みゆは自分の描いたパパの隣に自分の姿を描いた。お互いに描きながら、楽しい会話が続いた。

「パパ、ここにはみゆの好きな花も描いていい？」とみゆが聞くと、パパは笑顔で答えた。

「もちろんだよ、みゆ。君の好きなものをたくさん描こう。」

完成した絵は、色とりどりで生き生きとした家族の姿が描かれていた。パパとママ、そしてみゆが手をつないで笑っている。背景にはみゆの好きな花や動物も描かれ、まさに家族の愛情が詰まった一枚だった。

「すごく素敵な絵ができたね、みゆ」とパパが言うと、みゆは誇らしげに微笑んだ。

「うん、パパのおかげだよ！」

その日から、みゆの部屋にはその絵が飾られることになった。パパと一緒に描いた絵は、みゆにとって大切な宝物となった。そして、絵を見るたびに、パパとの楽しい時間を思い出すのだった。

隆之は、みゆとの時間をもっと大切にしようと決意した。仕事の忙しさに追われることも多いが、家族との時間を大切にすることが何よりも重要だと改めて感じたからだ。

その後も、みゆとパパの楽しい時間は続いた。二人で料理をしたり、一緒に絵を描いたり、公園で遊んだり。どの瞬間も、みゆにとってはかけがえのない思い出となった。

そして、みゆが成長していく中で、パパの温かい愛情はいつも彼女を支えていた。みゆにとって、パパはいつまでも「ほっこりパパ」として、心の中で大切な存在であり続けた。

家族の絆が深まり、笑顔が絶えない日々。みゆとパパのほっこりとした時間は、これからも続いていく。

「ママ、こんなかわいい子供たちをありがとう」

そっとつぶやくパパの周りには、夏至のキラキラした木漏れ日が包んでいった。