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誕生日のパーティーの最中に殺される

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「バプテスマのヨハネの首を、大皿に載せて、今すぐに私にお与えください。」

誕生日のパーティーの最中に殺される

西暦32年のガリラヤ、ヘロデ・アンテパスの誕生日パーティーは、豪華絢爛で、町の有力者たちが一堂に会していた。大広間には色とりどりの装飾が施され、宴の終わりには期待を込めた歓声が響いていた。主賓であるヘロデは、贅沢な料理と酒に囲まれ、誇らしげに振舞っていた。

夜が深まり、音楽と笑い声の中にひときわ美しい舞が現れた。サロメ、ヘロデアとフィリポの娘である若き踊り子が、華やかな衣装を身に纏い、踊りを始めた。彼女の軽やかな舞は、まるで空気を裂いて光る星のようであり、男たちはその美しさに心を奪われた。

ヘロデはその美しさに感動し、彼女に心からの賞賛を送った。「サロメ、素晴らしい舞だ。何でも欲しいものを言ってごらん。たとえ王国の半分でも、私が授けよう」と大いに盛り上がっていた。

サロメは一瞬躊躇したが、すぐに母親のヘロデアに相談するために廊下に向かった。「母さん、何を求めればいいの?」と訊ねた。ヘロデアの目は冷たく光り、内心の計画が実を結ぶ瞬間を待ち望んでいた。

「ヨハネの首を求めなさい」とヘロデアは冷酷に答えた。ヘロデアにとって、バプテスマを施す者ヨハネは憎むべき存在であり、その死は長年の願望だった。ヨハネはヘロデアの不義を公然と非難し、その言葉はヘロデの耳にも届いていたが、ヘロデはヨハネを無視できずにいた。

サロメは母親の意向を胸に、再びパーティーの広間に戻った。彼女の顔は真剣そのもので、ヘロデに向かってはっきりと要求を述べた。「バプテスマのヨハネの首を、大皿に載せて、今すぐに私にお与えください。」

ヘロデはその要求に驚愕し、顔を青ざめさせた。彼はヨハネを無実のまま殺すことに深い葛藤を覚えたが、誓いを破ることはできなかった。客たちの期待が、彼にとって圧力となり、罪なき者の命を犠牲にする決断を強いることとなった。

ヘロデは即座に刑執行者を獄に送り、ヨハネの首を持ち帰らせるよう命じた。暗い地下牢で、ヨハネの命は静かに終わりを迎えた。間もなく、頭部は大皿に載せられ、広間に戻ってきた。サロメはそれを手にし、母親の元へと運び去った。

この悲劇的な出来事を知ったヨハネの弟子たちは、急いで彼の遺体を引き取り、丁重に葬った。彼らはこの事態をイエスに報告し、イエスはその知らせに深く心を痛めた。

ヘロデはヨハネの死後、イエスの噂を耳にし、その奇跡的な行いと癒しを知って驚愕した。彼は、イエスがヨハネの復活ではないかと恐れ、真相を確かめるためにイエスに会うことを望むようになった。ヘロデは、自分の内なる恐れが現実になったのではないかという恐怖と不安に駆られていた。

イエスに会うことができたなら、彼の恐怖が真実かどうかを確かめる手立てになると考えたヘロデは、心の中で様々な思惑を巡らせていた。ヨハネの死がもたらした影は、ヘロデに深い不安と悩みをもたらし、その結果、イエスとの対面が避けられない状況に陥っていた。

 マタイ 10:1-5; 11:1; 14:1-12。マルコ 6:14-29。ルカ 9:7-9。






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