妻と愛人と家族

春秋花壇

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母になれても妻にはなれず小さな僕の手を引いて明日におびえてる

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明日におびえてる
小さな僕の手を引いて

明日への道を歩む

母の背中に頼り

不安な心を抱え

団地の薄暗さが

明日の希望を奪いかねない

母の強さ
しかし母の眼には

強さが宿る

貧しくとも

母の愛は絶えず

明日への勇気を与えてくれる

僕らの未来
母の手を引いて

明日への道を歩む

貧しさや不安を越え

僕らの未来を切り拓く

明日におびえても

母の手を引いて

勇気を持って歩み続ける


夕焼けが街を染め、建物の壁に温かなオレンジ色の光が反射する。人々は街を行き交い、歩道には夕涼みを楽しむ人たちが座っている。遠くの公園では子供たちの笑い声が聞こえ、鳥たちが木々の間を飛び交っている。風が吹くたびに、街の中には花の香りが漂い、季節の移ろいを感じさせる。夕焼けの美しい景色と街の喧騒が、穏やかな幸福感を与える。


母になれても妻にはなれず小さな僕の手を引いて明日におびえてる

1. 薄暗い団地

薄暗い団地の一室。小さな男の子、健太は、母親の背中をじっと見つめていた。

母親は、古いソファに座り、うつむいて何か考えているようだった。

健太は、母親の顔を見上げようとするが、なぜか怖くて声もかけられない。

部屋には、古いテレビの音がかすかに聞こえているだけだった。

2. 父親のいない家庭

健太は、父親を知らない。

母親は、健太が生まれる前に父親と別れた。

それ以来、健太は母親と二人暮らしだった。

母親は、パートで働きながら健太を育ててきた。

3. 貧しい生活

健太の家庭は、決して裕福ではない。

母親の稼ぎだけで生活するのはやっとだった。

健太は、新しい服や玩具を買うことはめったになかった。

4. 母親への複雑な感情

健太は、母親を愛していた。

しかし同時に、母親への複雑な感情を抱いていた。

母親は、健太にとって唯一の支えだった。

しかし、母親はいつもどこか暗い影を背負っているようだった。

5. 母親の笑顔

健太は、母親の笑顔を見るのが大好きだった。

母親が笑うと、部屋全体が明るくなった。

しかし、母親の笑顔は、最近ではめったに見ることができなくなっていた。

6. 不安な未来

健太は、未来が不安だった。

母親がいつまでも元気でいてくれるのか、心配だった。

また、自分が大きくなった時、母親を養えるのか、心配だった。

7. 小さな僕の手を引いて

健太は、母親の手をぎゅっと握りしめた。

母親は、健太の手を握り返し、何も言わずに健太の顔を見つめた。

健太は、母親の温もりを感じながら、明日への希望を胸に抱いた。


母と息子は静かに対面し、空気が緊張感に包まれる。息子の目には不安と心配が滲んでおり、母の表情には穏やかながらも深い悲しみがにじみ出ている。彼らの間には言葉がなく、ただ互いの存在を感じ合っている。母は息子の手を握りしめ、その手の温もりが心の中に染み入る。息子は母の眼差しに救いを求め、母は微笑みながら息子を見つめる。言葉では言い尽くせない愛情と絆が、二人の間に満ち溢れている。


今、その母さんが静かに息を引き取った。

「アルツハイマーにだけはなりたいくない。お前に迷惑かけるから」

口癖だったんだよな~♪

よかったね、願いが叶って。

背中を見せてくれたね。

僕のために『愛人』の立場を捨ててくれたんだよね。

「顔をあげて、しゃんと背筋を伸ばして歩きたいから、野菊のように強く生きるから」

って、泣きながら話してくれたあの日のかあさん。

僕は忘れないよ。

あの日から僕たち親子は、まだ苦しんでいる人たちのために

NPOの「駆け込み寺」を作ってきたんだよね

利用者さんの旦那さんが、怒鳴りこんできたりして

人の問題でてんやわんやして

自分の頭の蠅も追えないまま

しっちゃかメッチャカになった時期もあったけど

「己を生かし、他を生かせ」

課題の分離と優先順位を教わったんだ。

とうさんから見た母さん。

利用者さんから見た母さん。

世間から見た母さん。

僕から見た母さん。

カメラアングルを変えれば、いろんな母さんがいるんだろうけど

僕は母さんの子供でよかったと思っています。

だから、生まれ変わったとしても母さんの子供がいいです。


ありがとう、かあさん

僕はあなたの愛を

あなたの考え方を

あなたの生きざまを

忘れないで、母さんの残してくれた

この駆け込み寺を存続させていきます。

「ありがとう」
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