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毒子と児童相談所

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 毒子は家出ばかりしているので
家庭裁判所経由で児童相談所にいくことになった
児童相談所は朝勉強をしたり
キャンプに行ったり結構楽しかった
毒子は中学2年生14歳であった
中2病まっただなかである

理由は良くわからないが
夜中、突然 毒子を含めた3人の女の子は
児童相談所から脱走することに決めた
決められたカリキュラム
勝手に外に行ったりできないことで
だんだんいらいらしてきたのかもしれない
毒子たち3人はパジャマのままだった
衣服を勝手に出すこともできなかった
毒子はトイレからサンダルを3人分取ってきて
屋上から鉄線の塀を乗り越えて
外に出た そのときの 
ああ 自由とはこれだー
みたいな感情をいまだに忘れられないでいるのだから
拘禁反応のような状態になっていたのかもしれない

3人は夜の街を散々パジャマ姿のままほっつき歩き
あげくにそこらにおいてある自転車を盗んで
3人の中の一人の女の子の知り合いがいる
宇部へと向かった

言い忘れたが児童相談所は山口にあった
夜の自転車でのドライブは
今なら多分絶対にしない

今の男の人は節操もなく平気で
女をスポーツ感覚で抱き捨てるからだ

でも、そのときは自由の喜びで3人とも上機嫌だった
颯爽と自転車をこぎ楽しくて仕方がなかった
しらじらと夜が明ける少し前
3人は宇部に到着した

ところが目的地についても
目当ての人がいなくて
家の中に入ることはできなかった
3人が表で冗談を言い合ったり
だべったりしているとなんとそこに
おまわりさんが来た

あううう
自由もここまでかと3人は顔を見合わせた
おまわりさんは手順どおり職務質問をすると
3人を警察署に連行した
そして、なんと留置所に入れたのだ
しかも3にんばらばらで
こんなんだったらおとなしく児童相談所にいればよかった

確かに毒子は中学1年生のときに
村始まって以来の悪だといわれていた
だが まさか留置所に入ることになるとは
思ってもいなかった

困ったのはトイレだった
ドアも囲いも何もない
部屋の中に便器があるだけだ
しかも 警備のためにおまわりさんが
見える位置だ

「お手洗いをしたいのであっちをむいていてください」
というと返事はなかった

仮にもバージンの乙女である
羞恥プレイじゃあるまいし
返事位してくださいよ
おまわりさん

問題は児童相談所に帰ってからだった
なぜかいきなり主犯にさせられている
あげくに二人は夜寝るとき小指と小指をつないで
これ見よがしに寝ている
毒子が一番年下なのにでアル

このときから毒子の霊的な病は
信じられないのは神だけでなく
人間に対してもとなっていった

読んでくださってありがとうございます
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