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エクスプレッシブ・ライティングはお好きですか
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エクスプレッシブ・ライティングはお好きですか
「人はいつ死ぬと思う?
心臓をピストルで打ち抜かれた時…違う
不治の病に犯された時…違う
猛毒キノコのスープを飲んだ時…違う
人に忘れられた時さ」
ONE PIECEのDr.ヒルルクの名言。
グリーフワークは、一日や二日て効果が簡単に出るようなものではなかった。
簡単に、対処できるなら、これほどの無力感も、むなしさも悲しさもなかっただろう。
ここに来て、3ヶ月以上、2000人以上孤独死予定の人たちがなくなっていた。
戦争のように、一度に大量の人が亡くなるのもかなりのショックなのだろうが、
人間はありがたいことに忘れる動物である。
時間という強い味方がいる。
新しい喜びを発見することに加えて、忘れ去ることができるのだ。
ところが、ここは違う。毎日、毎日、21人以上の方たちが、継続的になくなっていく。
心の添え木を探すか、それ以上の喜びか、達観するか、
とにかく、このままでは、全員が重症のうつ状態になりそうだった。
これではだめだということになり、
今、緊急スタッフ会議を開いて、
みんなの意見を求めている。
みんな、心理学にはずぶの素人で、
よい案も浮かびそうになかった。
悪役令嬢 毒子は、自分が中学1年のとき、
寝たきりの祖母が身罷ったときのことを思い出していた。
順番はよく覚えていないが、12歳上の姉に子供が生まれた。
おばあちゃんが死んだ。
甥っ子が生まれたせいなのか、お世話を手伝ったりしていたのに、
それほど悲しみを引きずっていた覚えはない。
もっとも、家出の回数も増えて、
統合失調症の症状も学校の保健体育の先生が、
大学病院に紹介状を書くほど、
ひどくなっていたせいもあるのだろうが・・・。
その時、毒子は陸上部で、毎日すさまじいトレーニングをしていた。
ひょっとして、運動することによって、脳内麻薬が多量に出ていたのかもしれない。
脳内麻薬のうないまやくとは、モルヒネなどの麻薬と似た作用を示す物質で、脳内に自然状態で分布しているものを指す。脳内麻薬様物質とも呼ばれ、これまでに約20種類の物質が見つかっており、β-エンドルフィン[1]、ドーパミン[2]などが代表的とされる。
エクスプレッシブ・ライティング
自分の感情や思ったことをひたすら書き出すこと
とともに、運動を取り入れたら、今より楽になるかもしれない。
そう考えた毒子は、提案してみた。
「ボランテイアも増えて、自由時間が少し取れるようになりました。
その時間を使って、運動を取り入れてみませんか」
代替案もなかったので、みんなはすんなりと納得してくれた。
「それに加えて、不登校の児童をあと10名増やしたいと思いますが、いかがですか」
毒子は、自然摂理、命の循環をあまりよく知らないが、
昨日、ネットでスカイプをしているときに、
スカイプの友達が、
「死んだ数に近いだけ生まれてきている」
と、話していた。
ネットで調べると、
日本の人口は1億2577万人です。では、毎日何人産まれ、何人亡くなっているでしょう?
2934人生まれ、3271人亡くなっています
(出典:厚生労働省HP「H22人口動態統計の年間推計」)
という資料があった。
新しい息吹を喜びをもう少し、取り入れてみよう。
死にいく人のために、作られたわけだが、
存続させるために、生きる力をもっと増やしたほうがいいような気がした。
かといって、この村は、過疎で、若い夫婦も、赤ちゃんもほとんどいない状態なのだ。
腕立て伏せ、腕ふり、足揚げ、陸上部のときにやっていた運動を少しずつ取り入れてみた。
すごくさわやかだ。体はしんどいのだが、爽快感があった。
終わった後のシャワーも、
「ああ、きもちいい、ああ」
と、声が漏れてしまうくらい気持ちいい。
「か・い・か・ん」
シャワー室から漏れる声にみんなは笑った。
「おはようございます」
「今日も一日、よろしくおねがいします」
心の健康のためのエクスプレッシブ・ライティング
自分の感情や思ったことをひたすら書き出すこと
体の健康のために、運動。
そして、新しい生命力。
少しずつでも、みんなの気持ちが軽くなってくれたら嬉しいのだが。
「人はいつ死ぬと思う?
心臓をピストルで打ち抜かれた時…違う
不治の病に犯された時…違う
猛毒キノコのスープを飲んだ時…違う
人に忘れられた時さ」
ONE PIECEのDr.ヒルルクの名言。
グリーフワークは、一日や二日て効果が簡単に出るようなものではなかった。
簡単に、対処できるなら、これほどの無力感も、むなしさも悲しさもなかっただろう。
ここに来て、3ヶ月以上、2000人以上孤独死予定の人たちがなくなっていた。
戦争のように、一度に大量の人が亡くなるのもかなりのショックなのだろうが、
人間はありがたいことに忘れる動物である。
時間という強い味方がいる。
新しい喜びを発見することに加えて、忘れ去ることができるのだ。
ところが、ここは違う。毎日、毎日、21人以上の方たちが、継続的になくなっていく。
心の添え木を探すか、それ以上の喜びか、達観するか、
とにかく、このままでは、全員が重症のうつ状態になりそうだった。
これではだめだということになり、
今、緊急スタッフ会議を開いて、
みんなの意見を求めている。
みんな、心理学にはずぶの素人で、
よい案も浮かびそうになかった。
悪役令嬢 毒子は、自分が中学1年のとき、
寝たきりの祖母が身罷ったときのことを思い出していた。
順番はよく覚えていないが、12歳上の姉に子供が生まれた。
おばあちゃんが死んだ。
甥っ子が生まれたせいなのか、お世話を手伝ったりしていたのに、
それほど悲しみを引きずっていた覚えはない。
もっとも、家出の回数も増えて、
統合失調症の症状も学校の保健体育の先生が、
大学病院に紹介状を書くほど、
ひどくなっていたせいもあるのだろうが・・・。
その時、毒子は陸上部で、毎日すさまじいトレーニングをしていた。
ひょっとして、運動することによって、脳内麻薬が多量に出ていたのかもしれない。
脳内麻薬のうないまやくとは、モルヒネなどの麻薬と似た作用を示す物質で、脳内に自然状態で分布しているものを指す。脳内麻薬様物質とも呼ばれ、これまでに約20種類の物質が見つかっており、β-エンドルフィン[1]、ドーパミン[2]などが代表的とされる。
エクスプレッシブ・ライティング
自分の感情や思ったことをひたすら書き出すこと
とともに、運動を取り入れたら、今より楽になるかもしれない。
そう考えた毒子は、提案してみた。
「ボランテイアも増えて、自由時間が少し取れるようになりました。
その時間を使って、運動を取り入れてみませんか」
代替案もなかったので、みんなはすんなりと納得してくれた。
「それに加えて、不登校の児童をあと10名増やしたいと思いますが、いかがですか」
毒子は、自然摂理、命の循環をあまりよく知らないが、
昨日、ネットでスカイプをしているときに、
スカイプの友達が、
「死んだ数に近いだけ生まれてきている」
と、話していた。
ネットで調べると、
日本の人口は1億2577万人です。では、毎日何人産まれ、何人亡くなっているでしょう?
2934人生まれ、3271人亡くなっています
(出典:厚生労働省HP「H22人口動態統計の年間推計」)
という資料があった。
新しい息吹を喜びをもう少し、取り入れてみよう。
死にいく人のために、作られたわけだが、
存続させるために、生きる力をもっと増やしたほうがいいような気がした。
かといって、この村は、過疎で、若い夫婦も、赤ちゃんもほとんどいない状態なのだ。
腕立て伏せ、腕ふり、足揚げ、陸上部のときにやっていた運動を少しずつ取り入れてみた。
すごくさわやかだ。体はしんどいのだが、爽快感があった。
終わった後のシャワーも、
「ああ、きもちいい、ああ」
と、声が漏れてしまうくらい気持ちいい。
「か・い・か・ん」
シャワー室から漏れる声にみんなは笑った。
「おはようございます」
「今日も一日、よろしくおねがいします」
心の健康のためのエクスプレッシブ・ライティング
自分の感情や思ったことをひたすら書き出すこと
体の健康のために、運動。
そして、新しい生命力。
少しずつでも、みんなの気持ちが軽くなってくれたら嬉しいのだが。
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