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地獄巡りはお好きですか
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地獄巡りはお好きですか
「どうもだめ」
「ぜんぜん、楽しくない」
「何が面白くて、ロボット工場にならないといけないの」
ぶつぶつ文句が耐えない毒子である。
まかり間違えば、ロボットの反逆によって、地球滅亡にいたるかもしれないという綱渡りを悪役令嬢 毒子は楽しむことができなかった。
植物や動物が好きな人が、植物園や動物ではなく、NASAにいっても心から楽しむことはできないのではないか。なーんていいわけばかりしてないで、死神に頼んで、地獄見物に繰り出すことにした。
途中の関所にいる閻魔大王に言わせると、
「毒子は十分、地獄に入る資格がある」
とのことなので、すんなり通過。
大吼処だいくしょ
心身を清める斎戒を行っている人に酒を与えた者が落ちる。人に酒を飲ませたように溶けた白蝋を無理矢理飲ませられる。苦痛のあまり罪人が空まで届く咆吼の叫び声をあげると、獄卒はますますいきり立ち、罪人を苦しめる。
に、案内された。
当然、見学ではなく、住人として入所したので、毒子も責め苦に会う。
「あら、お酒を飲ませただけで罪なの?」
「ならば、銀座のホステスは全員地獄行きね」
苦痛のあまり罪人が空まで届く咆吼の叫び声をあげている。
「そりゃあ、そうだ。おいしい食べ物ではなく、蠟なのだから」
悪役令嬢 毒子は精神を集中する。
雪が降る。雪の結晶がひらひらと降りてくる。ダイヤモンドダストがきらきらと舞い、光が収束する。
あたりは一面、零下の世界になった。
どろどろに解けていた蠟も固まってしまった。管理を任されている獄卒は腹立たしそうに
「ちっ」
と、舌打ちをしている。
収束した光は、ビロードのカーテンのように揺らぎ、大きなオーロラとなって空を静かに移動していく。
幻想的な光のセレモニー。荘厳で美しい。
地獄の住人は、この美しさにため息を漏らし、見とれているのかと思いきや、
「ぎゃー」「やめろーー」と、叫んでいる。
ドラゴンボールZのフリーザのように美しい光景が何よりの責め苦のようだ。
「はあー」
悪役令嬢 毒子は首をかしげている。
普声処ふしょうしょ
修行中に気が緩んで酒を飲んだ者、自ら飲酒を楽しむばかりか、受戒したばかりの人に酒を飲ませた者が落ちる。獄卒に鉄の杵で打たれて苦しめられ、その叫び声が地獄を通り越して鉄囲山世界全てに響き渡る。
「お酒ってそんなにいけないものなの。おいしいのに」
悪役令嬢 毒子は、甘酒を作って楽しんでいる。
「はあー、温まるね」
死神は側で見ていて、にたにたと笑っている。
髪火流処はっかるしょ
五戒を守っている人に酒を与えて戒を破らせた者が落ちる。熱鉄の犬が罪人の足に噛み付き、鉄のくちばしを持った鷲が頭蓋骨に穴を開けて脳髄を飲み、狐たちが内臓を食い尽くす。
「酒、酒、うるさーい」
お菓子作りにお酒を加えると香りが良くなるだけでなく、アルコールによってお菓子の保存性もよくなるのだとか。ほかにも、風味をマイルドにしたり、粉っぽさをなくしてしっとりなめらかな舌触りにするなど、たくさんのメリットがある。
悪役令嬢 毒子は、ラム酒をふんだんに使って、大人味のモンブランロールを作った。
むしゃむしゃとおいしそうにほうばっている。
死神はおなかを抱えて大笑いしている。
「こりゃあ、たまらん、わははは、毒子もわるよのー」
火末虫処かまつちゅうしょ
水で薄めた酒を売って大儲けした者たちが落ちる。地・水・火・風の四大元素から来る四百四病の全てが存在し、しかもそれぞれが、地上の人間を死滅させる威力を持つ。また、罪人の身体から無数の虫が湧き出し肉や骨を食い破る。
「だから、お酒が何なのさー」
ブルー・ハワイを作った。フルーツをふんだんに飾って、フォトジェニック。味も見た目もすばらしい。ホワイトラム、ブルーキュラソー、パイナップルジュース、レモンジュースに、パイナップルとチェリー。ハワイの澄んだ海を思わせるカクテルです。レモンジュースをココナッツミルクに替えるとブルー・ハワイアン。
ストローを二本指して、死神と一緒に飲んでいる。
まるで恋人みたい。
「ここに来てまでお主は、楽しめるのか」
「残念でした。悲鳴でも聞けると思った?」
「ああ、期待してたんだがなー」
「うふふふ」
悪役令嬢 毒子は静かにほほえんでいる。
鴨頭先生のユーチューブを持て、笑う練習を毎日しているので、
どんどん魅力的な笑顔になっている。
熱鉄火杵処ねつてっかしょしょ
鳥や獣に酒を与えて、酔わせた後に捕らえて殺した者が落ちる。獄卒が振り下ろす鉄の杵で追い回され、捕まると砂のごとく細かく砕かれる。肉体が再生すると今度は刀で少しずつ削られ、細かい肉片にされる。
「うーん、これはパスかな。殺したとしても、ゴミ箱にぽいするだけだし」
「えええ、ペットの死体を」
「うん、邪魔だもの」
「サイコパスだーー」
「オーホホホホ、仮にも悪役令嬢よ」
「はあーー」
死神はあきれ返ってため息をつく。
雨炎火石処うえんかせきしょ
旅人に酒を飲ませ酔わせて財産を奪った者、象に酒を飲ませて暴れさせ、多くの人々を殺した者などが落ちる。赤く焼けて炎を発する石の雨が罪人たちを撃ち殺す。また、溶けた銅とハンダと血が混ざった河が流れており、罪人たちを押し流しながら焼く。全身から炎を発して燃え盛る巨大象がいて罪人を押しつぶす。
毒子の雪と雪の結晶とダイヤモンドダストによって、赤く焼けて炎を発する石の雨も凍っている。血の川も凍りついてしまった。
殺殺処せつせつしょ
貞淑な婦人に酒を飲ませて酔わせて関係した者が落ちる。獄卒たちが熱鉄の鉤で罪人の男根を引き抜く。抜かれるたびに再生し、同じことが繰り返される。罪人が逃げ出すと、今度は烏、鷲、鳶の大群に食い尽くされる。
「男じゃないから男根は引き抜かれないし、これもクリアーね」
鉄林曠野処てつりんこうやしょ
酒に毒薬を混ぜて人に与えた者が落ちる。燃え盛る鉄の車輪に縛り付けられ、回転させたところを的当てのごとく弓で射られる。
「毒薬かー。簡単に解毒するね」
毒子は、肝臓、脾臓、肺臓、腎臓のつぼを軽くマッサージし、解毒効果を高めた。
「その手があったか」
死神は、うなずきながら感心している。
「なかなかの知恵者よのー」
「えっへん」
悪役令嬢 毒子は、胸を張る。
普闇処ふあんしょ
酒を売る仕事をしながら、人の無知に付け込んで、少しの酒を高価な値段で売った者が落ちる。真っ暗闇の中で獄卒に散々に打たれ、その後炎の中で頭から二つに引き裂かれる。
「これもうったことはないからクリアーね」
普闇処ふあんしょ
酒を売る仕事をしながら、人の無知に付け込んで、少しの酒を高価な値段で売った者が落ちる。真っ暗闇の中で獄卒に散々に打たれ、その後炎の中で頭から二つに引き裂かれる。
剣林処けんりんしょ
荒野を旅する人をだまして泥酔させ、持ち物や命を奪った者が落ちる。燃え盛る石の雨、沸騰した血と銅汁と白蝋の河がある中で、獄卒に刀や殻竿で打たれる。
大剣林処だいけんりんしょ
人里離れた荒野の街道で酒を売った者が落ちる。高さ1由旬の剣樹の林があり、獄卒にそこへ追い立てられる。剣樹の幹は炎に包まれ、葉は鋭い刃になっており、揺れるたびに無数に落下して下のものを切り裂く。逃げ出したくても外には常に獄卒がいる。
芭蕉烟林処ばしょうえんりんしょ
貞淑な婦人に密かに酒を飲ませていたずらしようとした者が落ちる。煙が充満していて前が見えず、床は熱した鉄板になっていて焼かれる。
煙火林処えんかりんしょ
悪人に酒を与えて、憎む相手に復讐させた者が落ちる。熱風に吹き上げられ、他の罪人と空中でぶつかり合いながら砂のように砕けてしまう。
火雲霧処かうんむしょ
他人に酒を飲ませて酔わせ、物笑いにした者たちが落ちる。地面から100mの高さまで吹き上がる炎の熱風で舞い上げられ、空中で回転し、縄のようにねじれ、ついには消滅してしまう。
分別苦処ふんべつくしょ
使用人に酒を与えて勇気付け、動物を殺生させた者が落ちる。獄卒が様々な苦しみを与えた上で、説教して反省させる。その上でまたさらに様々な苦悩を与える。
悪役令嬢 毒子は、獄卒にバランタイン30年ものを送った。
「うわー、なんというふくよかな香りとこく、そして、美しい琥珀色」
「毒子、いつでも遊びに着なさい。待っておるぞ」
雪が降り、雪の結晶が降りてくる。ダイヤモンドダストがきらきら舞う中、オーロラは大空をゆっくりと駆け巡る。どうやら、地獄では悪役令嬢 毒子をもてあましてしまったようだ。
地獄の住人は、口々に
「お願いだから、早くいなくなってください。この美しさは猛毒だ」
と、叫ぶのだった。
読んでくださってありがとうございます。
「どうもだめ」
「ぜんぜん、楽しくない」
「何が面白くて、ロボット工場にならないといけないの」
ぶつぶつ文句が耐えない毒子である。
まかり間違えば、ロボットの反逆によって、地球滅亡にいたるかもしれないという綱渡りを悪役令嬢 毒子は楽しむことができなかった。
植物や動物が好きな人が、植物園や動物ではなく、NASAにいっても心から楽しむことはできないのではないか。なーんていいわけばかりしてないで、死神に頼んで、地獄見物に繰り出すことにした。
途中の関所にいる閻魔大王に言わせると、
「毒子は十分、地獄に入る資格がある」
とのことなので、すんなり通過。
大吼処だいくしょ
心身を清める斎戒を行っている人に酒を与えた者が落ちる。人に酒を飲ませたように溶けた白蝋を無理矢理飲ませられる。苦痛のあまり罪人が空まで届く咆吼の叫び声をあげると、獄卒はますますいきり立ち、罪人を苦しめる。
に、案内された。
当然、見学ではなく、住人として入所したので、毒子も責め苦に会う。
「あら、お酒を飲ませただけで罪なの?」
「ならば、銀座のホステスは全員地獄行きね」
苦痛のあまり罪人が空まで届く咆吼の叫び声をあげている。
「そりゃあ、そうだ。おいしい食べ物ではなく、蠟なのだから」
悪役令嬢 毒子は精神を集中する。
雪が降る。雪の結晶がひらひらと降りてくる。ダイヤモンドダストがきらきらと舞い、光が収束する。
あたりは一面、零下の世界になった。
どろどろに解けていた蠟も固まってしまった。管理を任されている獄卒は腹立たしそうに
「ちっ」
と、舌打ちをしている。
収束した光は、ビロードのカーテンのように揺らぎ、大きなオーロラとなって空を静かに移動していく。
幻想的な光のセレモニー。荘厳で美しい。
地獄の住人は、この美しさにため息を漏らし、見とれているのかと思いきや、
「ぎゃー」「やめろーー」と、叫んでいる。
ドラゴンボールZのフリーザのように美しい光景が何よりの責め苦のようだ。
「はあー」
悪役令嬢 毒子は首をかしげている。
普声処ふしょうしょ
修行中に気が緩んで酒を飲んだ者、自ら飲酒を楽しむばかりか、受戒したばかりの人に酒を飲ませた者が落ちる。獄卒に鉄の杵で打たれて苦しめられ、その叫び声が地獄を通り越して鉄囲山世界全てに響き渡る。
「お酒ってそんなにいけないものなの。おいしいのに」
悪役令嬢 毒子は、甘酒を作って楽しんでいる。
「はあー、温まるね」
死神は側で見ていて、にたにたと笑っている。
髪火流処はっかるしょ
五戒を守っている人に酒を与えて戒を破らせた者が落ちる。熱鉄の犬が罪人の足に噛み付き、鉄のくちばしを持った鷲が頭蓋骨に穴を開けて脳髄を飲み、狐たちが内臓を食い尽くす。
「酒、酒、うるさーい」
お菓子作りにお酒を加えると香りが良くなるだけでなく、アルコールによってお菓子の保存性もよくなるのだとか。ほかにも、風味をマイルドにしたり、粉っぽさをなくしてしっとりなめらかな舌触りにするなど、たくさんのメリットがある。
悪役令嬢 毒子は、ラム酒をふんだんに使って、大人味のモンブランロールを作った。
むしゃむしゃとおいしそうにほうばっている。
死神はおなかを抱えて大笑いしている。
「こりゃあ、たまらん、わははは、毒子もわるよのー」
火末虫処かまつちゅうしょ
水で薄めた酒を売って大儲けした者たちが落ちる。地・水・火・風の四大元素から来る四百四病の全てが存在し、しかもそれぞれが、地上の人間を死滅させる威力を持つ。また、罪人の身体から無数の虫が湧き出し肉や骨を食い破る。
「だから、お酒が何なのさー」
ブルー・ハワイを作った。フルーツをふんだんに飾って、フォトジェニック。味も見た目もすばらしい。ホワイトラム、ブルーキュラソー、パイナップルジュース、レモンジュースに、パイナップルとチェリー。ハワイの澄んだ海を思わせるカクテルです。レモンジュースをココナッツミルクに替えるとブルー・ハワイアン。
ストローを二本指して、死神と一緒に飲んでいる。
まるで恋人みたい。
「ここに来てまでお主は、楽しめるのか」
「残念でした。悲鳴でも聞けると思った?」
「ああ、期待してたんだがなー」
「うふふふ」
悪役令嬢 毒子は静かにほほえんでいる。
鴨頭先生のユーチューブを持て、笑う練習を毎日しているので、
どんどん魅力的な笑顔になっている。
熱鉄火杵処ねつてっかしょしょ
鳥や獣に酒を与えて、酔わせた後に捕らえて殺した者が落ちる。獄卒が振り下ろす鉄の杵で追い回され、捕まると砂のごとく細かく砕かれる。肉体が再生すると今度は刀で少しずつ削られ、細かい肉片にされる。
「うーん、これはパスかな。殺したとしても、ゴミ箱にぽいするだけだし」
「えええ、ペットの死体を」
「うん、邪魔だもの」
「サイコパスだーー」
「オーホホホホ、仮にも悪役令嬢よ」
「はあーー」
死神はあきれ返ってため息をつく。
雨炎火石処うえんかせきしょ
旅人に酒を飲ませ酔わせて財産を奪った者、象に酒を飲ませて暴れさせ、多くの人々を殺した者などが落ちる。赤く焼けて炎を発する石の雨が罪人たちを撃ち殺す。また、溶けた銅とハンダと血が混ざった河が流れており、罪人たちを押し流しながら焼く。全身から炎を発して燃え盛る巨大象がいて罪人を押しつぶす。
毒子の雪と雪の結晶とダイヤモンドダストによって、赤く焼けて炎を発する石の雨も凍っている。血の川も凍りついてしまった。
殺殺処せつせつしょ
貞淑な婦人に酒を飲ませて酔わせて関係した者が落ちる。獄卒たちが熱鉄の鉤で罪人の男根を引き抜く。抜かれるたびに再生し、同じことが繰り返される。罪人が逃げ出すと、今度は烏、鷲、鳶の大群に食い尽くされる。
「男じゃないから男根は引き抜かれないし、これもクリアーね」
鉄林曠野処てつりんこうやしょ
酒に毒薬を混ぜて人に与えた者が落ちる。燃え盛る鉄の車輪に縛り付けられ、回転させたところを的当てのごとく弓で射られる。
「毒薬かー。簡単に解毒するね」
毒子は、肝臓、脾臓、肺臓、腎臓のつぼを軽くマッサージし、解毒効果を高めた。
「その手があったか」
死神は、うなずきながら感心している。
「なかなかの知恵者よのー」
「えっへん」
悪役令嬢 毒子は、胸を張る。
普闇処ふあんしょ
酒を売る仕事をしながら、人の無知に付け込んで、少しの酒を高価な値段で売った者が落ちる。真っ暗闇の中で獄卒に散々に打たれ、その後炎の中で頭から二つに引き裂かれる。
「これもうったことはないからクリアーね」
普闇処ふあんしょ
酒を売る仕事をしながら、人の無知に付け込んで、少しの酒を高価な値段で売った者が落ちる。真っ暗闇の中で獄卒に散々に打たれ、その後炎の中で頭から二つに引き裂かれる。
剣林処けんりんしょ
荒野を旅する人をだまして泥酔させ、持ち物や命を奪った者が落ちる。燃え盛る石の雨、沸騰した血と銅汁と白蝋の河がある中で、獄卒に刀や殻竿で打たれる。
大剣林処だいけんりんしょ
人里離れた荒野の街道で酒を売った者が落ちる。高さ1由旬の剣樹の林があり、獄卒にそこへ追い立てられる。剣樹の幹は炎に包まれ、葉は鋭い刃になっており、揺れるたびに無数に落下して下のものを切り裂く。逃げ出したくても外には常に獄卒がいる。
芭蕉烟林処ばしょうえんりんしょ
貞淑な婦人に密かに酒を飲ませていたずらしようとした者が落ちる。煙が充満していて前が見えず、床は熱した鉄板になっていて焼かれる。
煙火林処えんかりんしょ
悪人に酒を与えて、憎む相手に復讐させた者が落ちる。熱風に吹き上げられ、他の罪人と空中でぶつかり合いながら砂のように砕けてしまう。
火雲霧処かうんむしょ
他人に酒を飲ませて酔わせ、物笑いにした者たちが落ちる。地面から100mの高さまで吹き上がる炎の熱風で舞い上げられ、空中で回転し、縄のようにねじれ、ついには消滅してしまう。
分別苦処ふんべつくしょ
使用人に酒を与えて勇気付け、動物を殺生させた者が落ちる。獄卒が様々な苦しみを与えた上で、説教して反省させる。その上でまたさらに様々な苦悩を与える。
悪役令嬢 毒子は、獄卒にバランタイン30年ものを送った。
「うわー、なんというふくよかな香りとこく、そして、美しい琥珀色」
「毒子、いつでも遊びに着なさい。待っておるぞ」
雪が降り、雪の結晶が降りてくる。ダイヤモンドダストがきらきら舞う中、オーロラは大空をゆっくりと駆け巡る。どうやら、地獄では悪役令嬢 毒子をもてあましてしまったようだ。
地獄の住人は、口々に
「お願いだから、早くいなくなってください。この美しさは猛毒だ」
と、叫ぶのだった。
読んでくださってありがとうございます。
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