縁(えにし)

春秋花壇

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15歳 新たな居場所

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「新たな居場所」

タクミが15歳を迎えたとき、彼の世界はまた一歩、大きく広がった。中学3年生として最後の1年を過ごす中で、高校受験という大きな壁が立ちはだかっていた。学校や家庭では、進学先を決めるための話し合いが活発に行われ、友達たちは志望校に向けて勉強に励んでいた。しかし、タクミはまだどの高校に進むべきかを決めかねていた。

彼の心にあるのは、宇宙への尽きない興味と、学校での勉強のプレッシャーだった。母ナオミとの会話で、タクミは自分が宇宙に関連する道に進むべきだと強く感じ始めていたが、その道が具体的にどこに繋がるのか、彼にはまだ見えていなかった。

ある日、タクミは担任の先生から、地元の科学高校の存在を教えられた。「タクミ君、君が興味を持っている宇宙や科学に特化した高校があるんだ。そこのカリキュラムは、普通の高校とは少し違って、実際に天文学や物理学の研究を深めることができるんだよ。見学に行ってみないか?」と先生は提案した。

タクミは少し不安を感じながらも、見学に行くことを決意した。ナオミも一緒に来てくれて、科学高校の施設を見て回った。校舎は近代的で、最新の天文台や研究施設が揃っており、そこでは生徒たちが実験や観察を行っている姿が見られた。タクミはその光景に目を輝かせた。

「ここなら、僕が本当に学びたいことが学べるかもしれない」とタクミは心の中で思った。しかし同時に、周囲の生徒たちが自分よりもずっと優秀に見え、自分がこの環境でやっていけるのかという不安も芽生えた。

見学後、タクミとナオミはカフェで休憩をとった。ナオミはタクミの表情から彼の心情を察し、「タクミ、どうだった?気に入った?」と優しく問いかけた。

タクミは少し考えてから、「うん、とても興味深かったよ。でも、僕があそこに入ってちゃんとやっていけるのか、少し不安なんだ。みんながとても賢く見えたし、僕にとっては挑戦が多い場所だと思う」と答えた。

ナオミは微笑んで、「タクミ、挑戦は怖いかもしれないけど、それが君を成長させてくれるんだよ。君が好きなことを学ぶためには、少しの勇気が必要だし、先生や友達が支えてくれるはずだから、心配しないでね」と励ました。

その言葉に勇気づけられたタクミは、科学高校への進学を志望校として決めた。それからは、受験勉強に向けて集中し、特に理科と数学に力を入れた。彼の努力は実を結び、無事に科学高校に合格することができた。

新しい学校生活が始まると、タクミはまた新たな挑戦に直面した。クラスメートたちは皆、科学や数学に対して強い興味を持っており、時には専門的な議論が交わされることもあった。タクミはそのペースについていくのに苦労し、時には孤独を感じることもあった。

しかし、彼には一つの心の拠り所があった。それは、夜空に広がる無数の星々だった。放課後、彼は学校の天文台に足を運び、一人で星を眺める時間を楽しんだ。その静寂な時間は、彼にとって特別な癒しのひとときだった。

ある夜、天文台で星を観察していると、一人のクラスメートがタクミの隣に座り、同じく星を見上げた。その子はクラスでも特に明るく、友達も多いユウタだった。ユウタはタクミに笑顔を向けて、「タクミ君、君も星が好きなんだね。僕もここで星を眺めるのが好きなんだ。君とはまだあまり話したことがなかったけど、もしよければ一緒に星を観察しようよ」と声をかけた。

タクミは少し驚きながらも、その提案を受け入れた。二人はその夜、星座や宇宙に関する話題で盛り上がり、少しずつ打ち解けていった。ユウタはタクミのペースに合わせて会話を続け、タクミも安心して自分の考えや感情を共有することができた。

その後、ユウタはタクミを他のクラスメートにも紹介し、タクミは少しずつ友達の輪を広げていった。彼はまだ不安や戸惑いを感じることもあったが、ユウタや他の友達と一緒に学ぶことで、学校生活がより楽しく、充実したものになっていった。

タクミは、自分が好きなことを追求することで、新たな仲間や居場所を見つけることができたと感じていた。そして、未来への希望と共に、彼の心には新たな決意が芽生えていた。どんな困難が待ち受けていようとも、タクミは自分の道を歩み続ける勇気を持っていた。星空の下で、彼は新たな旅路に向けて一歩を踏み出した。







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夢だった小学校教員になったら,「理科専科」だった。でも,初任者指導教員の先生と子ども達と学習していくうちに,理科指導が¥に興味が高まった。

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