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春秋花壇

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12歳の夏休み

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12歳の夏休み

8月の終わりが近づくと、夏休みもあとわずか。12歳の私、ミナは、毎年夏休みの宿題に追われる日々を送っていた。今年も例外ではなく、宿題は山積みで、心の中でカウントダウンが始まっていた。「あー、早くやんなきゃな。宿題やんなきゃな。あー、月末に溜まってくな」と、つぶやきながらも、どうしても遊びたい気持ちが抑えきれない。

毎日が太陽のように暑く、セミの声が響く中、友達のサトルやユイと過ごす時間は楽しかった。近くの公園でキャッチボールをしたり、川辺で泳いだり、虫取りをしたり。けれども、その楽しさには宿題のことが常に頭の片隅にあった。遊びたい気持ちと宿題のプレッシャーが、まるで両手で引っ張り合うロープのように感じられた。

「ねえ、ミナ。まだ宿題やってないでしょ?」サトルが言った。「だって、そんなのつまんないじゃん。遊びたいし、まだ時間あるし」と返すと、サトルはニヤリと笑った。「分かってる。でもさ、やらないと最後に大変になるよ」

それでも、私は遊ぶことを優先させた。友達と遊ぶ時間が何よりも楽しくて、宿題のことを考えたくなかった。毎晩、星空を見ながら「明日からやろう」と誓って、布団に入った。しかし、朝が来るとまた、遊びが待っていた。

8月の最後の週、ついに宿題の山が現実のものとなった。どれだけ遊んでいたとしても、宿題は消えないのだ。冷や汗をかきながら、図書館で宿題をすることに決めた。周りには同じように追われているクラスメートたちがいて、彼らと共に静かな空間で作業を始めた。

図書館の机に向かい、宿題に取り組むと、意外にも作業は捗った。ページをめくりながら、夏休みの遊びがどうしても頭をよぎる。友達との楽しい時間が、私の心の中に生き続けていた。宿題に向かっている時間も、少しずつ満ち足りた気持ちになっていく。

「ミナ、終わった?」ユイが図書館にやってきて、私を見つけた。「まだ少しだけど、もうすぐ終わりそう」と答えた。ユイは笑顔を浮かべて、「じゃあ、遊びに行こうよ」と言った。

宿題が終わり、解放感に包まれた私たちは、公園に向かった。夜の公園は涼しく、セミの声も遠くなり、空には星が輝いていた。遊びの合間に、宿題を終えた安堵感と共に、楽しい時間を過ごした。

夏休みの最後の日、私たちは公園のベンチに座りながら、花火を見上げた。星空と花火の美しさが広がり、心が満たされる瞬間だった。「宿題があってよかったな」と、私は心の中で呟いた。そう、宿題があったからこそ、遊びが一層輝いたのだ。

宿題を終えた後の達成感と、友達と過ごす楽しい時間の両方が、私にとってかけがえのない夏休みの一部となった。次の年も、また同じように宿題に追われながら、遊びと勉強を両立させることだろう。そして、その日々が、私の成長を支えてくれると信じて。

夏の終わりに感じたこの気持ちは、次の夏休みにもきっとまた味わえるだろう。どんなに遊びたい気持ちが強くても、宿題があることで、私の夏休みはもっと充実することを学んだ。








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