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春秋花壇

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霊的な日曜日の朝

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「霊的な日曜日の朝」

日曜日の朝、私はそっと布団を抜け出し、部屋の空気を入れ替えようと窓を開けた。秋の爽やかな風がカーテンを揺らしながら部屋に流れ込み、心地よい冷気が一日の始まりを告げる。時計を見ると、9時を少し過ぎたところ。10時からのクリスチャンの集会に備え、軽く部屋を掃除するのがいつもの習慣だった。

信仰を持つようになってから、日曜の朝の静かな時間が特別なものになった。掃除をしながら心の中も整え、霊的な感受性が高まるように意識する。雑念や重たい思いを軽く振り払いながら、机を拭き、部屋を整えると、自分の内面も次第に澄んでいく気がした。部屋と心を清めることで、これから始まる集会への準備が整う。

掃除を終え、温かいお茶を淹れてパソコンを立ち上げる。ZOOMを通じて集会に参加する準備が整った。体調が優れない日でも、自宅から集会に参加できるのは本当にありがたい。これまでの自分なら、不安定な体調を理由に諦めていたかもしれないが、こうして自宅にいながらでも信仰の仲間たちと繋がれることが支えとなっている。

10時になると画面に長老の姿が映し出され、集会が始まった。今日のテーマは「感謝」についてだという。長老は穏やかな声で、丁寧に教えを伝えてくれる。その言葉には深い重みがあり、画面越しでも霊的な力が伝わってくるような感覚がする。

「感謝とは、私たちが与えられたものを自覚し、その価値を見出すことです。そして、真に感謝できる時、私たちの生活はより豊かになるのです」と長老の言葉が響き渡る。私は静かに耳を傾けながら、心の中がじんわりと温かくなっていくのを感じた。

自分の日常を振り返る。豊かな生活とは程遠く、物質的に満たされているとは言えない。けれど、こうして霊的な食卓に預かることができるだけで、私は幸せなのだと思うようになった。長老が教えてくれることばの一つひとつが、心の栄養となり、毎日の生活に支えとなってくれている。

集会が終わり、最後の祈りの時間が訪れる。他の信者たちと共に、画面越しに祈りを捧げると、心が一つに繋がるような感覚がある。自分ひとりではない、共に信じる仲間がいるという事実が、私の心を強くしてくれるのだ。

集会が終わると、外に出て朝の散歩を楽しむ。信仰の教えを胸に、静かな日曜日の朝がさらに心地よく感じられる。霊的な糧に感謝しながら、私はゆっくりと歩を進めた。この何気ない一日が、教えによって支えられ、温かさと平安に包まれていることが、何よりも幸せなのだと思う。









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