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「リーマンの牢獄」

「リーマンの牢獄」がなぜ面白いのか？ 日経元金融記者が徹底解説
**371億円という巨額詐欺事件の裏側を描いたノンフィクション「リーマンの牢獄」**が、たちまち3刷となり話題となっています。著者は元山一證券マンの齋藤栄功氏で、2008年にリーマン・ブラザーズから371億円を詐取した罪で服役しました。本書では、バブル崩壊からリーマンショック、そして獄中生活に至るまでの壮絶な人生を赤裸々に綴っています。

日経新聞の元金融記者である著者は、本書を「新鮮な驚きなしには読めない」と評します。 なぜなのでしょうか？

1. 40年の金融裏面史を暴く

本書は、1985年のバブル発生から2008年のリーマン・ショックまで、日本の金融界の裏側を詳細に描写しています。著者は山一證券、信組、外資系証券会社など様々な金融機関を渡り歩き、時代の波に翻弄されながらも巨額の富を築き上げていきます。バブルとその崩壊、金融機関の破綻、そしてリーマン・ショックなど、日本の金融史における重要事件を当事者の視点から描くことで、単なる詐欺事件の記録を超えた、40年間の金融裏面史となっています。

2. 著名人との接点が満載

本書には、金融界だけでなく政界や芸能界など様々な著名人が登場します。著者はバブル期に大蔵省官僚だった故・三塚博氏の裏金運用に関与し、その後も多くの著名人と接点を持っていました。金融記者であれば誰もが知る有名人が次々と登場し、当時の金融界の空気感がリアルに伝わってきます。

3. 読みやすい小説のような文体

本書はノンフィクションでありながら、非常に読みやすい小説のような文体で書かれています。著者の波瀾万丈な人生を、まるでドラマを見ているかのように楽しむことができます。

4. 真実は闇の中？

371億円という巨額の詐欺事件だけに、著者の記述をすべて鵜呑みにすることはできません。しかし、監修を務めた元日経記者の阿部重夫氏による徹底的な事実確認と、著者との対話形式によって、可能な限り真実を明らかにしようと努めています。

5. リーマン・ショックの引き金となった？

本書では、著者の詐欺事件がリーマン・ショックの引き金となった可能性も指摘されています。著者はリーマン・ブラザーズから巨額の資金を引き出し、その結果リーマンが破綻に追い込まれたというのです。この説は真偽不明ですが、本書を読むことで、リーマン・ショックの新たな側面を知ることができます。

6. 日本経済30年の停滞の謎を解く

本書は、バブル崩壊からリーマン・ショック、そして現在に至るまでの日本経済の停滞の謎を解くヒントを与えてくれます。日銀が利上げに踏み切った今、日本経済が新たな局面を迎える中で、「リーマンの牢獄」は必読書と言えるでしょう。

**「リーマンの牢獄」**は、単なる詐欺事件の記録を超えた、40年間の金融裏面史を暴いた衝撃的なノンフィクションです。金融に興味のある方はもちろん、日本経済の現在と未来を考える全ての人におすすめしたい一冊です。

本記事は、日経新聞の記事「【371億円詐欺事件】たちまち3刷「リーマンの牢獄」がなぜ面白いのか？ 「日経」元金融記者はこう読んだ」を基に作成しました。