お金がない

バイト募集で応募したら受け子だった

バイト募集で応募したら受け子だった

1. 希望に満ちた出会い

大学を卒業し、社会人1年目の春。慣れない仕事と生活に疲れを感じていた私は、気分転換も兼ねてアルバイトを探していました。そんなある日、大学の掲示板に貼られていた「高収入バイト募集」の文字に目が留まりました。

「日給2万円！？これはチャンスかも！」

軽い気持ちで応募フォームに氏名と連絡先を記入すると、すぐにメールが届きました。

「面接場所は〇〇駅前のカフェ。詳細はメールにて。」

怪しい点も多少は感じましたが、高収入に目がくらみ、私は面接場所へ向かいました。

2. 巧妙な誘導と心の葛藤

面接場所は、おしゃれな雰囲気のカフェでした。面接官は、笑顔で丁寧な対応の女性でした。

「今日は、イベントスタッフの仕事について説明します。内容は、お客様から商品代金を受け取るだけです。詳細はメールにてお送りしますので、ご検討ください。」

説明内容はシンプルで、怪しい点は特にありませんでした。しかし、高すぎる日給に不安を感じながらも、私は仕事を引き受けることにしました。

3. 罪悪感と後悔

数日後、私は初めて仕事に臨みました。指示された場所へ向かうと、そこには見知らぬ男性と女性がいました。男性は私に、茶封筒を渡しました。

「これはお客様からのお金です。指定された口座に振り込んでください。」

私は封筒を受け取り、中身を確認しました。中には現金とキャッシュカードが入っていました。

「これは… 詐欺？！」

ようやく私は状況を理解しました。しかし、もう後戻りできません。私は指示された通り、現金とキャッシュカードをATMで振り込みました。

4. 警察の介入と絶望

仕事を終え、帰宅しようと駅へ向かった瞬間、私は警察官に囲まれました。

「受け子として逮捕します。」

私は何も言い返せませんでした。ただ、深い絶望感と後悔の念に押しつぶされそうになりました。

5. 裁判と更生への道

数ヶ月後、私は裁判で詐欺罪で有罪判決を受けました。執行猶予付きとはいえ、私の将来は完全に台無しになりました。

刑務所を出た後は、社会復帰プログラムに参加し、少しずつ罪の償いを果たしていく決意をしました。

6. 教訓と希望

この経験を通して、私はお金に目がくらんで安易な仕事に飛びつくことの危険性を痛感しました。そして、詐欺という犯罪の被害者だけでなく、加害者にも多大な苦しみを与えることを知りました。

私は、二度とこのような過ちを犯さないことを誓い、社会貢献できる仕事に就くことを目標にしています。

7. 伝えたいメッセージ

高収入に惑わされず、常に自分の行動を疑うことが大切です。詐欺には様々な手口があり、誰もが被害者になる可能性があります。少しでも怪しいと感じたら、すぐに周囲に相談してください。

また、詐欺の加害者になることは、自分の人生を台無しにするだけでなく、被害者にも多大な苦しみを与えることを忘れないでください。

あとがき
この小説は、実際に起こった事件を題材にしています。詐欺の被害者だけでなく、加害者にも多大な苦しみを与えることを知っていただき、詐欺撲滅に貢献できれば幸いです。