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ニセ「逮捕状」詐欺の実態と対策

ニセ「逮捕状」詐欺の実態と対策

巧妙化する手口と被害者100％騙される理由、元捜査1課刑事が解説

近年、巧妙な手口で被害が拡大している「ニセ『逮捕状』詐欺」。中には1億円以上騙し取られた被害者も出ています。

実際に被害に遭った男性を取材し、その手口と、なぜ被害者は騙されてしまうのか、元埼玉県警捜査1課・佐々木成三氏に解説いただきました。

被害者の体験：巧妙な手口と「100％あり得ない」内容

愛知県在住の30代男性は、巧妙な手口で約9900万円を騙し取られました。

非通知からの電話で始まる
「愛知県警」を名乗る男から、口座が悪用されていると連絡
実家の住所まで知っており、口座に身に覚えがないと伝えると、
「栃木県警」を名乗る男に繋がる
「栃木県警」を名乗る男は、コミュニケーションアプリ「LINE」でのやり取りを要求
「栃木県警」を名乗る男の巧妙な手口

LINE上で「逮捕状」を送付
男性の名前、住所、生年月日、逮捕状を請求した警察官、許可を出した裁判官まで事細かに記載
朱印のようなものも押印
その後、電話で「逮捕を免れるには現金が必要」と告げ、自宅に現金を持ってくるよう指示
自宅で現金を渡し受けた後、指示された場所に投棄するよう指示
被害者が騙される理由：巧妙な心理操作

非通知からの電話で不安を煽る
「逮捕状」を見せ、焦りと恐怖を植え付ける
自宅まで来させて、犯人との距離を縮める
「警察官」と名乗ることで、強い信頼関係を築く
逮捕を免れるには現金が必要という緊急性を強調
自宅で現金を渡し受けさせることで、犯人の言いなりになるように仕向ける
指示された場所に現金を持ち込ませることで、証拠を残させない
元捜査1課刑事が語る「100％あり得ない内容」

元埼玉県警捜査1課・佐々木成三氏は、今回の詐欺について以下のように指摘しています。

警察官がLINEでやり取りすることはあり得ない
逮捕状には、警察署名、警察官名、裁判官名などが記載されているが、今回送付されたものは「栃木県警」という組織名のみ
逮捕状は、警察官が直接手渡しするのが原則
逮捕を免れるために現金が必要というのはあり得ない
ニセ「逮捕状」詐欺に遭わないために

警察官がLINEで連絡してきたり、逮捕状を送付してきたりすることはあり得ない
逮捕状には、警察署名、警察官名、裁判官名などが記載されている
逮捕を免れるために現金が必要というのは詐欺
少しでも怪しいと感じたら、すぐに警察に通報する
被害に遭ってしまった場合は

直ちに警察に通報する
証拠となるやり取りの履歴などを保存する
今回の事例は、ニセ「逮捕状」詐欺の手口が巧妙化していることを示しています。被害に遭わないよう、十分注意しましょう。