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春秋花壇

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ストロングチューハイやばっ

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「ストロングチューハイやばっ」

真奈美は、ふとした瞬間に頭を抱えた。目の前には、何本かの空き缶が並んでいる。その中でも特に目を引くのは、ストロングチューハイの缶だ。普段から飲みすぎていたわけではないのに、今夜はちょっとした気の迷いから、つい手が伸びてしまった。

「なんでこんなことに…」真奈美は、しばらく手のひらを顔に当て、深い溜息をついた。

真奈美は47歳、独身の女性。大手企業の事務職をしており、普段は真面目で几帳面な性格だ。しかし、仕事のストレスや日常のプレッシャーが積もると、彼女はしばしば飲みに走ることがあった。これまではその程度で済んでいたが、最近になって、ストロングチューハイに手を出すことが多くなってきた。

「1本くらい大丈夫だろう」と、最初は思っていた。炭酸の爽快感と、アルコールの効果で心が少しだけ軽くなる。仕事の後のほんのひととき、それで気分転換ができるなら、と思っていた。

だが、昨夜は違った。

仕事の終わりに、コンビニでふらりと立ち寄り、ついストロングチューハイを2本買ってしまった。普段よりも少しだけ強めのアルコールを求めていた自分がいた。それは、何かを忘れたかったからなのだろうか。それとも、忙しさやプレッシャーに押し潰されそうな自分を、アルコールで無理にでも解放しようとしていたからだろうか。

帰宅後、すぐに冷蔵庫からストロングチューハイを取り出し、無意識にそれをグラスに注いだ。そして一口、二口、そして気がつけば、2本目も空にしていた。意識がほんのりと曖昧になり、頭が軽く、そしてふわりとした気分になった。

でも、朝が来たらそのツケが回ってきた。

「まさか、こんなに二日酔いがひどいなんて…」真奈美はうつむきながら、頭の中で昨日の夜を思い出していた。目の前のデスクには、もう仕事に戻る時間が迫っている。しかし、気分がすぐれず、全身が重く感じる。

「こんなことで仕事に行けるわけがないじゃん…」と、真奈美はつぶやいたが、次の瞬間に自分に厳しく言い聞かせた。「でも、行かないわけにはいかないんだよな。」

何度も頭を振りながら、真奈美は自分を奮い立たせた。昨夜の酔っ払った自分に嫌気がさしていた。しかし、後悔しても仕方がない。もう時間がない。どうにかして気を取り直さなければ。

デスクに座り、真奈美は手元のコーヒーを一口飲む。冷たい水を流し込み、少しでも頭を冴えさせようとしたが、酔いが抜けるには時間がかかる。それでも、顔を上げて頑張らなければならなかった。

「よし、行こう。」真奈美は自分に言い聞かせ、作業を始める。しかし、その時、ふと目に入った同僚の顔が、心の中で引っかかっていた。

同僚の浩一は、若い頃からアルコールに強いタイプだった。彼はよく、会社の飲み会で「今日は調子がいいな」と言いながら、ストロングチューハイを何本も飲み干していた。真奈美もそれに少しだけ感化されていた部分があった。自分もアルコールを飲んで元気になれるのではないか、という錯覚を抱いていたからだ。

だが、浩一がアルコールを軽く楽しんでいるのとは違って、真奈美はすでに自分の飲み方に問題があることに気づき始めていた。

「やっぱり、ストロングチューハイはやばいな…」と、真奈美は心の中でつぶやいた。

アルコールの強さを軽視していた自分が、少しずつそのツケを支払っていることを実感していた。そして、もしこのままアルコールに頼って生きていけば、どんなことが待っているのかを想像して恐れを感じた。

その日の仕事が終わると、真奈美は仕事仲間と飲みに行くことに誘われた。しかし、今日はどうしても避けたかった。誘惑に負けないように、無理にでも断ろうと決めた。過去の自分に足を引っ張られないように、今度こそきちんと決意しようと心に誓った。

「これ以上、飲みすぎないようにしよう。」真奈美は、自分に強く言い聞かせた。

その夜、自宅に帰ると、テレビの前に座り、少し考え込む時間が増えていた。心の中で繰り返す。「ストロングチューハイに頼るのは、もうやめよう。」アルコールがくれる一時的な解放感の中で、何かが自分を遠ざけていた。いつの間にか自分を見失いかけていたことを、真奈美は反省していた。

その晩、冷蔵庫を開けて、ストロングチューハイを見つけた真奈美は、手を伸ばすことなくそれを閉めた。そして心の中で思った。「これからは、もっと自分を大切にしよう。」








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