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春秋花壇

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もやしの詩

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もやしの詩

もやしは軽く、白く細く
手のひらでつかむと すり抜けるほどの儚さ
けれど鍋に入れれば 音もなく
湯気の中で くたくたと溶けあい
ほのかな甘みを くれる

シャキシャキとした歯ごたえは
小さな生命の力強さ
その根っこが 土の香りを運び
ふたたび私たちの口元で
野の風を思い出させる

一人きりの夜 冷蔵庫を開けると
隅っこにひっそりと
袋に包まれ 待っているもやしがいる
高価ではないが いつも頼りになる
小さな頼もしい友

炒めても 煮ても 蒸しても
それなりの形を守ってくれる
もやしは控えめで けれど揺るぎない
必要なときにそばにいてくれる
そんな温かい存在

明日もまた あの白い姿が
台所でしんなりと微笑むだろう







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