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嬉しい 楽しい 幸せ ついてる。「俺は小説家になる」と申しております。

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嬉しい 楽しい 幸せ ついてる。「俺は小説家になる」と申しております。

「小説家になるんだ」と友人たちに告げたのは、真夏の夜だった。

周りからは驚きの声も賛同もなく、「ああ、またそんなことを」と笑われた。だが彼は気にしなかった。もう決めたのだ。小説家になって、世間の評価を覆してみせると。

毎晩、少しずつ書き進めた。小さな部屋に篭り、冷えた缶コーヒーを相棒にした。「俺は楽しい」と彼は思った。文字を紡ぐたびに、新しい世界が生まれる。登場人物が活き活きと動き出し、彼の頭の中に映し出される物語は無限だった。現実は平凡だったが、ページの中では彼が描いた主人公が自分とは異なる人生を生きていた。それが楽しかった。

ある日、書きかけの原稿を読んでくれるよう、友人に頼んでみた。すると、友人は「すごく面白いじゃないか」と、笑顔で感想を述べた。彼は驚いた。自分が書いたものが、他人を楽しませる力を持っているだなんて。

それから彼は次々に物語を紡ぎ出した。仕事で疲れ切った日も、机に向かうことを欠かさなかった。小説を書くことは幸せで、希望だった。彼が物語を生み出すことで、何もない毎日が輝き、温かみを持つようになっていた。

しばらくすると、彼の作品は少しずつインターネットで注目されるようになった。たくさんの人々が彼の物語を読み、感想を残してくれた。「あなたの物語には勇気をもらえる」とコメントを書き込む人も現れた。

「俺はついてる」彼は思った。今までの人生には確かに辛いこともあったが、彼は小説家になるという夢を持つことで、毎日を前向きに生きられるようになったのだ。

そして、ある日、彼のもとに一通のメールが届いた。出版社からだった。編集者が彼の作品に興味を持ってくれたのだ。「もしご興味があれば、ぜひ一度お会いしたい」と書かれている。

彼は喜びと興奮に震えながら、ふと昔のことを思い出した。自分が「小説家になるんだ」と宣言した日、友人たちの半笑いの表情。そして今、彼の言葉は現実となりつつあった。

「俺は小説家になったんだ」と彼は小さくつぶやき、熱いコーヒーを一口飲んだ。その瞬間、彼の目に涙が浮かんだが、それは嬉しさの涙だった。彼はただ小説を書きたかった。誰かの心に触れるような物語を生み出し、その喜びを共有したかったのだ。そしてそれは、いまや彼の人生そのものになっていた。









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