1,235 / 1,782
ごめんね、でも...
しおりを挟む
ごめんね、でも...
音楽が賑やかに流れるカフェの一角で、陽子(ようこ)は眉間にしわを寄せながら、そわそわと席に座っていた。窓から差し込む光が彼女の表情をより一層引き立て、緊張感を漂わせていた。彼女の目の前には、トレイに載ったコーヒーが置かれているが、その中身に全く手を付けていない。
「陽子ちゃん、ちょっと遅くなっちゃってごめんね!」と、友達の美咲(みさき)が勢いよく店に入ってきた。彼女はノリノリの笑顔で、まるで前の夜のパーティーからそのままやってきたかのようだった。美咲の背後には、まだ慣れていない制服姿のバイト店員がついてきて、注文した品をテーブルに置いた。
「美咲、ちょっと…」陽子は息を吐きながら、目の前に座っている彼女をじっと見つめた。「すごく待たされたんだよ…」
美咲は少し困った顔をしながらも、すぐにノリの良い口調に戻った。「それガーチャー!ほんまごめんやで!」と手を振りながら、陽子の肩を軽く叩いた。彼女の言葉には、あふれんばかりの軽やかな笑顔が添えられていた。
「うーん、わかったけど…」陽子は内心の不満が晴れることなく、眉をしかめたままコーヒーに目をやった。「でも、前にもこういうことあったよね?今度はちゃんと約束守ってくれるって言ったじゃん」
美咲はちょっと困ったように頭をかきながら言った。「うん、それは…ごめん、本当に忙しくて。ちょっと昨日は寝坊しちゃってさ。でも、これからは気を付けるから!」
陽子は美咲の反応にため息をついた。彼女のノリノリな謝罪が、時に真剣さを欠いていると感じていたからだ。心の中で何度も思い直していたが、結局美咲が本当に悪いのだと認めざるを得なかった。
「まあ、今日はこれで許してあげる」と陽子は、少し冷めたトーンで言った。「でも、本当にこれからはちゃんと約束守ってね」
美咲は大きくうなずき、「もちろん!ありがとう、陽子ちゃん」と言いながら、彼女の横に座った。「それにしても、今日は何か特別な話があるの?」
陽子は驚いた顔をしてから、心を落ち着けるように微笑んだ。「うん、実は…最近、会社でちょっといいことがあってね。昇進が決まったんだ」
美咲は目を輝かせて「本当に?おめでとう!」と叫んだ。彼女の興奮した声が、カフェの静かな空間に響いた。陽子はその反応を見て、少し心が軽くなった。美咲が本当に喜んでくれていることが、彼女にとっても嬉しかったのだ。
「ありがとう、でも…」陽子はしばらくの沈黙の後、微笑みながら続けた。「次に会う時は、時間通りに来てね。約束だから」
美咲は肩をすくめて笑い、「もちろん、約束するよ!」と言った。彼女の軽やかな返答に、陽子も少しだけ笑顔が戻った。彼女たちはその後、楽しい会話を続けながら、さっきまでの緊張感を忘れてしまっていた。
夕方のカフェでのひとときが過ぎていく中で、陽子は美咲との再会が、どんなにささいなことでも大切だと改めて感じた。美咲のノリノリな謝罪とその後の真摯な反応が、彼女たちの友情に新たな一ページを刻んだのだった。
この物語は、友達との約束を守ることの重要性と、その関係性の中での「それガーチャー!」の使い方を描いた2000文字の小説です。陽子と美咲の友情を通じて、真剣な場面での謝罪とその後のコミュニケーションの大切さが伝わります。
音楽が賑やかに流れるカフェの一角で、陽子(ようこ)は眉間にしわを寄せながら、そわそわと席に座っていた。窓から差し込む光が彼女の表情をより一層引き立て、緊張感を漂わせていた。彼女の目の前には、トレイに載ったコーヒーが置かれているが、その中身に全く手を付けていない。
「陽子ちゃん、ちょっと遅くなっちゃってごめんね!」と、友達の美咲(みさき)が勢いよく店に入ってきた。彼女はノリノリの笑顔で、まるで前の夜のパーティーからそのままやってきたかのようだった。美咲の背後には、まだ慣れていない制服姿のバイト店員がついてきて、注文した品をテーブルに置いた。
「美咲、ちょっと…」陽子は息を吐きながら、目の前に座っている彼女をじっと見つめた。「すごく待たされたんだよ…」
美咲は少し困った顔をしながらも、すぐにノリの良い口調に戻った。「それガーチャー!ほんまごめんやで!」と手を振りながら、陽子の肩を軽く叩いた。彼女の言葉には、あふれんばかりの軽やかな笑顔が添えられていた。
「うーん、わかったけど…」陽子は内心の不満が晴れることなく、眉をしかめたままコーヒーに目をやった。「でも、前にもこういうことあったよね?今度はちゃんと約束守ってくれるって言ったじゃん」
美咲はちょっと困ったように頭をかきながら言った。「うん、それは…ごめん、本当に忙しくて。ちょっと昨日は寝坊しちゃってさ。でも、これからは気を付けるから!」
陽子は美咲の反応にため息をついた。彼女のノリノリな謝罪が、時に真剣さを欠いていると感じていたからだ。心の中で何度も思い直していたが、結局美咲が本当に悪いのだと認めざるを得なかった。
「まあ、今日はこれで許してあげる」と陽子は、少し冷めたトーンで言った。「でも、本当にこれからはちゃんと約束守ってね」
美咲は大きくうなずき、「もちろん!ありがとう、陽子ちゃん」と言いながら、彼女の横に座った。「それにしても、今日は何か特別な話があるの?」
陽子は驚いた顔をしてから、心を落ち着けるように微笑んだ。「うん、実は…最近、会社でちょっといいことがあってね。昇進が決まったんだ」
美咲は目を輝かせて「本当に?おめでとう!」と叫んだ。彼女の興奮した声が、カフェの静かな空間に響いた。陽子はその反応を見て、少し心が軽くなった。美咲が本当に喜んでくれていることが、彼女にとっても嬉しかったのだ。
「ありがとう、でも…」陽子はしばらくの沈黙の後、微笑みながら続けた。「次に会う時は、時間通りに来てね。約束だから」
美咲は肩をすくめて笑い、「もちろん、約束するよ!」と言った。彼女の軽やかな返答に、陽子も少しだけ笑顔が戻った。彼女たちはその後、楽しい会話を続けながら、さっきまでの緊張感を忘れてしまっていた。
夕方のカフェでのひとときが過ぎていく中で、陽子は美咲との再会が、どんなにささいなことでも大切だと改めて感じた。美咲のノリノリな謝罪とその後の真摯な反応が、彼女たちの友情に新たな一ページを刻んだのだった。
この物語は、友達との約束を守ることの重要性と、その関係性の中での「それガーチャー!」の使い方を描いた2000文字の小説です。陽子と美咲の友情を通じて、真剣な場面での謝罪とその後のコミュニケーションの大切さが伝わります。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる