「俺は小説家になる」と申しております

入学式と桜：過去と現在をつなぐ春の訪れ

入学式と桜：過去と現在をつなぐ春の訪れ

桜の開花、そして新学年の始まり

近年、関東では4月初旬の入学シーズンに桜が散っていることが多かった。しかし今年は東京などで開花が遅れ、いまが桜の盛りを迎えている。地域によっては来週、「桜と入学式」という心温まる光景が見られるかもしれない。

辻村深月さんのメッセージ：子どもの頃の気持ちを忘れない

3月5日付の毎日小学生新聞に掲載された作家の辻村深月さんのインタビューは、新学年を迎えた子どもたちへのエールのように思えた。「かがみの孤城」などで知られる辻村さんは小中高生のファンも多く、同紙にエッセー「『あなたの言葉』を」を連載中だ。書籍として出版されたのを機に、小中学生の質問に答えた。

辻村さんのメッセージは「子どものころの気持ちは、なるべく覚えておいてください」。今の気持ちを大切にすること。エッセーによると辻村さん自身は子どものころ、気持ちを口に出せなくても書き留めていた。

子どもの時間と大人の時間：つながりの大切さ

「子どもの時間と大人の時間はつながっている」と辻村さん。子どもと大人の時代は別人のように捉えられがちだ。だが、「大人はびっくりするくらい、子どもの自分の延長」だという指摘にはっとした。

「かがみの孤城」の主人公は、学校に行かなくなった少女だ。子どもたちも、昨今は自己表現を求められることが多い。それは大切だが、発言できなくても気持ちや言葉を大事にするようにと辻村さんは励ましているように感じた。

大人が見る桜：過去の自分とつながる春の訪れ

大人はどうか。同じ場所に咲く桜も毎年、見る気持ちはさまざまだ。けれども確かに、過去の自分とつながっている。桜前線は、人々の思いを乗せて北上している。

過去の自分と現在の子どもたち：つながりを紡ぐ桜

入学式を迎える子どもたちは、これから様々な経験を積み、成長していく。その過程で、辻村さんのメッセージのように、子どもの頃の気持ちを思い出したり、大人になった自分と子どもの頃の自分を重ね合わせたりする場面もあるだろう。

桜の花びらが舞い散るように、過去の自分と現在の子どもたちが、それぞれの場所で輝きながら、つながりを紡いでいく。

未来への希望：桜が咲く場所

入学式に咲く桜は、新しい門出を祝福し、未来への希望を象徴している。

子どもたちの笑顔と、桜の美しい景色が重なる入学式は、忘れられない思い出となるだろう。