「俺は小説家になる」と申しております

結婚記念日

結婚記念日

陽だまりのようなリビングで、ソファに並んで座る夫婦。和やかな空間に、二人の笑い声が響き渡る。今日は結婚記念日。毎年恒例、思い出話に花を咲かせる特別な日だ。

「ねえ、覚えてる？あの結婚式、めちゃくちゃ緊張したよね。」

妻の言葉に、夫は懐かしそうに笑みを浮かべる。

「そうだね。まさか自分がこんな素敵な人と結婚するなんて、夢にも思わなかったよ。」

妻も照れ笑いを浮かべ、夫の腕に寄り添う。

「私もだよ。あの日以来、毎日が幸せで夢みたい。」

二人は出会いのきっかけから、結婚生活の様々な出来事を語り合う。子供たちの成長のこと、旅行の思い出、時には喧嘩をしたこと。苦楽を共にした年月が、二人の絆を深めていく。

「そういえば、最近二人でゆっくり旅行行ってないよね。」

夫の言葉に、妻も目を輝かせる。

「そうだね。子供たちも大きくなったし、そろそろいい頃かもね。」

「どこに行きたい？沖縄とかいいんじゃない？」

「いいね！ずっと行ってみたいと思ってたんだ。」

旅行の計画を立てながら、二人は未来を語り合う。夢を共有し、共に歩んでいく喜びを噛み締める。

ふと、妻は思い出したように声を潜める。

「ねえ、あの頃、私たちどうなるかと思ったよね。」

夫は妻の言葉に、真剣な表情で答える。

「そうだね。色々あったけど、こうして一緒にいられて本当に幸せだよ。」

妻は夫の腕に顔を埋め、静かに涙を流す。

「私もだよ。ありがとう。」

言葉は少ないけれど、深い愛情が二人の間を包み込む。

窓の外では、夕日が美しく輝いている。

これからも、二人で手を携えて、人生という旅路を歩んでいく。