「俺は小説家になる」と申しております

ウソ

ある日、学校から呼び出されて11歳の子供が、その場しのぎのウソを繰り返していることが親に発覚した。親として、この問題に対処する必要があると感じた。


親である私は、父から体罰をもってしつけられてきた。

たとえば、こんな風に嘘をつくなら、まずはじっくりと話を聞いてくれ、板の間に一時間正座させられる。

それでも、嘘をつくことが治らないなら、

「うそつきは泥棒の始まり」

という話をされる。

それでも治らないと、桜の木の木刀か樫の木の木刀で太腿を叩かれる。

結局、私の場合は、どんな体罰を受けても嘘が治ることはなかった。

なぜなら、何が嘘なのかさえわからなかったから。

想像していることを友達に話すと、

「うそつき」

と、レッテルを貼られる。

学校の先生も

「心の中には、白い球と黒い球があって、嘘をつくと黒い球が増えていくの」

と、恐ろしい話をされる。

だけど、根本のどう話せば嘘でどう話せば想像なのかがわからない。

例えば、ピアノを習っていて、我が家にはピアノがない。

仕方なく私は、木工所で小切れを集めピアノを作った。木工用のボンドでしっかり組み立てて綺麗に仕上げた。私の中の立派なピアノだった。だから、

「ピアノがあるのよ」

と、友達に誇らしげに言う。

すると、友達は学校帰りに見に来た。

作ったピアノを見せると、

「ピアノなんてないじゃない?うそつきー」

わたしは目が点になる。

彼女が何を言っているのかわからないのだ。

そんな子供のウソに何を教え、どう対処したらいいんだろう?

ちなみに、体罰は、2020年4月1日から施行された児童福祉法等の改正法により、法律で禁止されています。

正座も、外に立たせることも、食事を抜きにすることも、叩くことも怒鳴ることも……。

子供のその場しのぎの嘘について調べてみた。

ちなみにこの時点ではまだ私には、その場しのぎの嘘がわかっていない。



子供のその場しのぎの嘘の例
子供は、様々な理由でその場しのぎの嘘をつきます。以下は、その具体的な例です。

1. 怒られるのを避けたい

宿題を忘れてきたことを隠すために、「犬に食べられた」と嘘をつく。
テストで悪い点を取ったことをごまかすために、「採点が間違っている」と嘘をつく。
遊んでいる時に物を壊したことを隠すために、「知らない」と嘘をつく。

2. 責任を逃れたい

宿題をやっていないことを友達のせいにして、「友達が手伝ってくれなかった」と嘘をつく。
遅刻したことを電車の遅延のせいにして、「電車が遅れた」と嘘をつく。
ケンカをしたことを相手のせいにして、「先に手を出してきた」と嘘をつく。

3. 自分の思い通りにしたい

お菓子を買ってもらいたいがために、「お腹が空いている」と嘘をつく。
遊びに行きたいがために、「宿題が終わった」と嘘をつく。
早く寝たくないがために、「まだ眠くない」と嘘をつく。

4. 注目されたい

自分がすごいことをしたと自慢するために、「○○メートルもジャンプできた」と嘘をつく。
ありもしない話を作り上げて話するために、「昨日、UFOを見た」と嘘をつく。
友達に自慢するために、「○○という有名な人に会った」と嘘をつく。

5. 不安や恐怖を解消したい

暗闇が怖いので、「怖い夢を見た」と嘘をつく。
テストが不安なので、「体調が悪い」と嘘をつく。
注射が怖いので、「熱がある」と嘘をつく。



夜、家族が揃った時、親は真剣な表情で子供に向かって言った。「君が最近その場しのぎのウソをついていること、知っているよ。それはあまり良くないことだから、話をしよう。」

すると、旦那が静かに口を開いた。「君、わかるよ。楽をしようと思ってついついウソをつきたくなる気持ちはね。でもウソってのは、自分がついたことを覚えていられないタイプの人間はやったらあかん。すぐにバレて詰められるし、そしたら自分がどんどん苦しくなるだけや。」

その言葉に、母親である私は耳が痛くなった。旦那は続けた。「部屋の整理整頓ができんタイプの人間は、誰にどんなウソをついたのかを覚えておくことも無理やで。」

私はその言葉に感動し、思わず涙がこぼれた。自分も含めて、言ったことを覚えることが苦手な人間にとって、ウソをつかない生き方が楽だという真理がここにあった。

11歳の子供は、ウソがバレたことにはベソかいていたが、旦那の「部屋の整理整頓ができない人間は～」の言葉には大笑い。「確かに！まさに私やな！😂」と笑いながら言い、その場しのぎのウソにピリオドを打った。

「その生き方はやめとけ」という教訓が、子供にしっかりと伝わった瞬間だった。家族の中でのコミュニケーションを通じて、真剣な話題でも笑いと共感が生まれ、絆が深まった瞬間でもあった。


子供は親の言葉に対して理解を示し、「確かにそうだね、これから気をつけるよ」と素直な心で答えた。家族はその後、笑い声と共に晩餐を楽しむことができた。

次の日、子供は自分の行動を振り返り、友達や家族との関係を大切にすることの重要性を理解した。部屋の整理整頓が苦手でも、心の整理整頓ができるようになるために、ウソをつくことなく素直な気持ちで向き合うことを決意した。

親もまた、子供に対して理解とサポートを惜しまないことを決意した。未熟ながらも成長していく子供を見守り、時には厳しく時には温かく、共に歩む家族の絆をより深めていくことを心に誓った。

その家族は、誠実なコミュニケーションと笑いが溢れる温かな空気で包まれていた。そして、子供が学ぶ「その場しのぎのウソはやめよう」という教訓が、家族全体にポジティブな影響を与えていくことだろう。


数日後、家族は一緒に過ごす時間を増やし、子供は友達との関係をより大切にするようになった。彼女は部屋の整理整頓にはまだ苦労していたが、素直な言葉で感謝や助けを求めることで、家族や友達からのサポートを受けることができた。

ある日、学校でのプレゼンテーションに臨む子供。以前よりも自信に満ち、堂々とした態度で話すことができた。親や友達の前で素直な自分を表現することが、彼女にとって大きな成長となった。

家族は子供の変化に気づき、共に過ごす時間がより豊かで意味のあるものになっていることを感じていた。親は「その場しのぎのウソではなく、素直な気持ちを大切にすることが大事だね」と伝え、子供は微笑みながら頷いた。

これからも家族は、誠実なコミュニケーションと理解を大切にし、お互いに成長し合いながら幸せな日々を築いていくことだろう。小さな一歩が大きな変化を生むことを知り、家族の愛と絆が未来へ続いていく。


わたしは子供を通して親になっていく。

ありがとうございます。


***


嘘と想像の違い
嘘と想像は、どちらも真実とは異なる情報を扱うという点で共通していますが、いくつかの重要な違いがあります。

1. 意図

嘘は、意図的に真実とは異なる情報を伝えることです。相手を欺いたり、自分の利益を得たりするために使われることが多いです。
想像は、意図的に真実とは異なる情報を生み出すことです。創造性や遊び心から、あるいは問題解決のために使われることが多いです。
2. 真実との関係

嘘は、常に真実とは異なる情報を意味します。
想像は、真実とは異なる情報である場合もありますが、真実と一致する場合もあります。
3. 目的

嘘の目的は、相手を欺いたり、自分の利益を得たりすることです。
想像の目的は、創造性を表現したり、問題解決に役立てたりすることです。
4. 倫理

嘘は、悪意を持って使われる場合、倫理的に問題となることがあります。
想像は、倫理的に問題となることはほとんどありません。
例

嘘：テストで良い点を取ったと友達に嘘をつく。
想像：将来の夢を想像する。

まとめ

嘘と想像は、どちらも真実とは異なる情報を扱うという点で共通していますが、意図、真実との関係、目的、倫理などの点で重要な違いがあります。

嘘は、悪意を持って使われる場合、倫理的に問題となることがあります。一方、想像は、創造性を表現したり、問題解決に役立てたりすることなど、多くの場合ポジティブな役割を果たします。

参考資料

嘘の心理学: 
想像の哲学: 

補足

嘘と想像は、明確に区別できるものではありません。場合によっては、両者が混ざり合うこともあります。
嘘と想像の倫理的な問題は、状況によって異なります。


嘘（うそ）は、事実や真実と異なる情報や陳述を意図的に伝えることを指します。嘘は通常、他者を欺く、誤解を招く、または自身の都合を良く見せるために行われます。嘘は言葉だけでなく、行動や態度によっても表現されることがあります。

嘘にはさまざまな形があります：

偽りの情報の提供： 何か事実と異なる情報やデータを伝えること。

隠蔽（隠すこと）： 実際の情報や真実を意図的に隠すこと。

言葉の強調や変更： 事実を変えて、他者を欺くために言葉を工夫すること。

約束の違反： 将来の行動や出来事に関する約束を果たさないこと。

嘘は信頼を損ない、人間関係を傷つけ、時には法的な問題を引き起こす原因となります。一方で、時には他者を守るためや、状況を和らげるために嘘をつくことが議論の余地がある場合もあります。しかし、一般的には嘘は信頼性や誠実さを損なう可能性が高い行為とされています。