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喜びの霊の実

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まだ1月だというのに、風はそよそよとうららやかな調べを奏でている。

小鳥は歌い、空を舞う。

青く高い空がそこにはあった。

小春日和のこんな日は、庭の手入れも楽でいい。

芽吹きを始めたヒヤシンスに優しく口づける。

葉牡丹は大きくその葉を広げ、これから菜の花のような塔を建てる準備をしてる。

きらきらと輝く優しい陽光が、半日蔭のシェードガーデンにひと時の安らぎを与えていた。

いつ寒波がやってきて、ドカ雪に覆われるかもしれない。

昨年のように、マイナス10℃という信じられない地球のいたずらにあたふたと寒冷紗をかけなければいけないかもしれない。だから、今を、今この素敵なひと時を楽しむの。


春の日差しと共に、小さな町に住む人々は畑や庭に広がる緑の葉々を眺めていた。町のはずれに住む老婦人、エミリアは、小さな庭に一際美しい植物を育てていた。それは「喜びの霊の実」と呼ばれる花で、その美しさと香りは周囲を包み込んでいた。

エミリアの庭はいつも優雅な色とりどりの花々で満たされ、人々はその美しさに驚嘆した。しかし、特に喜びの霊の実は、見る者の心を幸せな気持ちにさせる不思議な効果があると言われていた。

ある日、エミリアの隣人の少女、リリーが庭に立ち寄った。リリーは最近、何か心に抱えている悩みがある様子だった。エミリアは優しく微笑みながら、喜びの霊の実を手渡した。

「これを育ててみなさい。心が喜びに包まれるような気持ちになるかもしれませんよ。」

リリーは感謝の言葉を述べながら、大切に花を持ち帰った。日ごとにリリーは庭で花と向き合い、水やりや丁寧なお世話をすることで、心の中の重荷が軽くなっていくのを感じた。

その美しい花は、喜びの霊の実と共に成長し、やがて鮮やかな花を咲かせた。庭の中に優雅な香りが広がり、町の人々がその香りを感じながら元気を取り戻していった。

「うわー、きれいね」

リリーは感嘆の声を上げる。

庭の美しさと花の効果は口コミで広がり、喜びの霊の実を求めて多くの人がエミリアの庭を訪れるようになった。人々は悩みを背負った心を癒し、喜びと感謝の気持ちで満たされていった。

喜びの霊の実が広がるうちに、町全体が温かな雰囲気に包まれ、人々の笑顔が溢れるようになった。エミリアの庭は、ただ美しいだけでなく、心の平和と喜びを育む場として、人々に愛され続けた。

そう、あなたにも霊の実がそばで咲いているかもしれない。

小春日和のさわやかな風に乗って。

あなたのもとにも届きますように。



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