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市川沙央ハンチバック

市川沙央さんの『ハンチバック』は、2023年に刊行された小説で、第169回芥川賞を受賞しました。

物語は、背骨が曲がり、車椅子生活を送る主人公の女性・沙央が、自分の生き方や社会との関係を模索していく様子を描いています。

沙央は、生まれつき背骨が曲がっているため、幼い頃から周囲の人との間に隔たりを感じてきました。しかし、大学で出会った同級生や、恋人との出会いを通し、次第に自分の存在を肯定できるようになっていきます。

一方で、沙央は、健常者社会の無理解や偏見にも直面します。車椅子で公共交通機関を利用すると、周囲の視線や声に耐えなければならないことや、就職や結婚など、社会生活においてもさまざまな困難に直面します。

沙央は、そうした困難に直面しながらも、自分の生き方を貫こうとします。そして、最後には、自分と同じように生きづらさを抱える人たちとつながり、新たな生き方を見つけていくのです。

『ハンチバック』は、重い障害を抱える主人公の生き方を、ユーモアを交えながら、丁寧に描いた作品です。沙央の生き方を通して、障害者や社会的マイノリティの生きづらさや、社会の無理解や偏見について、考えさせられる作品となっています。

また、本作は、第169回芥川賞の選考委員から、以下の評価を受けています。

背骨が曲がる難病を抱えた女性の生き方を、ユーモアを交えて描いた作品。主人公の生き方を通して、障害者や社会的マイノリティの生きづらさや、社会の無理解や偏見について、考えさせられる。

市川沙央さんは、1981年生まれの小説家です。本作がデビュー作となります。