ありがとうの詩

春秋花壇

文字の大きさ
上 下
74 / 145

精神病院閉鎖病棟

しおりを挟む
精神病院閉鎖病棟

静けさが支配する部屋の中
窓から見えるのは灰色の空
冷たい白い壁が囲む空間
心の中の叫びも響かない

ドアが閉じられ、鍵がかかる
外の世界は遠く感じられ
手を伸ばしても届かない場所
その先に何があるのか、わからない

看護師の足音だけが響く
患者たちの声は押し込められたまま
静かな部屋に埋もれている
その目には希望が見えない

一日が終わることもなく
時計の針が回るたびに
誰かがまた夢から覚め
またこの閉ざされた世界に戻る

心が閉じ込められているのに
体は自由に動く不思議
窓の外には広い世界がある
でもその扉は開かない

無言のまま時間が流れていく
涙も言葉も消えていく
それでも生きている、ただそれだけで
希望を求めて手を伸ばす

でもこの場所で見つかるのは
孤独と不安、そして痛み
閉鎖病棟の冷たい空気の中で
心の声は誰にも届かない

ただ、じっと目を閉じて
夢の中で自由を探している
ここではない場所に
たどり着ける日を信じて。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

たのしい わたしの おそうしき

syarin
恋愛
ふわふわのシフォンと綺羅綺羅のビジュー。 彩りあざやかな花をたくさん。 髪は人生で一番のふわふわにして、綺羅綺羅の小さな髪飾りを沢山付けるの。 きっと、仄昏い水底で、月光浴びて天の川の様に見えるのだわ。 辛い日々が報われたと思った私は、挙式の直後に幸せの絶頂から地獄へと叩き落とされる。 けれど、こんな幸せを知ってしまってから元の辛い日々には戻れない。 だから、私は幸せの内に死ぬことを選んだ。 沢山の花と光る硝子珠を周囲に散らし、自由を満喫して幸せなお葬式を自ら執り行いながら……。 ーーーーーーーーーーーー 物語が始まらなかった物語。 ざまぁもハッピーエンドも無いです。 唐突に書きたくなって(*ノ▽ノ*) こーゆー話が山程あって、その内の幾つかに奇跡が起きて転生令嬢とか、主人公が逞しく乗り越えたり、とかするんだなぁ……と思うような話です(  ̄ー ̄) 19日13時に最終話です。 ホトラン48位((((;゜Д゜)))ありがとうございます*。・+(人*´∀`)+・。*

夫達の裏切りに復讐心で一杯だった私は、死の間際に本当の願いを見つけ幸せになれました。

Nao*
恋愛
家庭を顧みず、外泊も増えた夫ダリス。 それを寂しく思う私だったが、庭師のサムとその息子のシャルに癒される日々を送って居た。 そして私達は、三人であるバラの苗を庭に植える。 しかしその後…夫と親友のエリザによって、私は酷い裏切りを受ける事に─。 命の危機が迫る中、私の心は二人への復讐心で一杯になるが…駆けつけたシャルとサムを前に、本当の願いを見つけて─? (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります)

初恋の相手と結ばれて幸せですか?

豆狸
恋愛
その日、学園に現れた転校生は私の婚約者の幼馴染で──初恋の相手でした。

処理中です...