ありがとうの詩

君の回復を願って

君の回復を願って

閉鎖病棟の冷たい白い壁が、君がその場所にいる理由を思い起こさせる。君はここに入院して、もう何ヶ月も経つ。だが、最近、君の声は少しずつ明るさを取り戻していた。あの日、電話越しに聞こえた君の声が、以前の暗いトーンとは違っていたことに、私は気づいていた。

今日は少し特別な日だ。君が新型感染症にかかってしまったという知らせを受け取った時、私はとても心配だった。医師からの連絡で、君の体温が高くなり、症状が出てきたことを聞かされたからだ。しかし、君のことを信じていたし、きっと回復するだろうと心の中で祈っていた。

電話がかかってきたのは、昼過ぎだった。君の声がいつもより少し元気そうに聞こえた。自分でもそのことに気づいているようだった。

「こんにちは、元気？」私は電話に出るとすぐに声をかけた。

「うん、だいぶ元気になったよ。熱も下がったんだ。」君の声には、どこか安心感が感じられた。

「本当によかったね。熱が下がったのは、嬉しいニュースだ。」私は心から安心して言った。

君が熱にうなされている間、何度も心の中で君の回復を願っていた。毎日、君が少しでも楽になることを、神様にお願いしていたから、電話越しに君の無事を聞けたことは、本当に嬉しい出来事だった。

「でも、味覚はどうかな？友達が新型感染症から回復した後、味覚障害になったって言ってたんだ。コーヒーを飲んでも、ただ苦い液体に感じるだけだったらしいよ。」私は少し心配して尋ねた。

君は少し間を置いてから、静かに答えた。「今のところ、問題ないよ。食べ物も普通に感じるし、味も大丈夫だ。でも、まだ油断しない方がいいかな。」

君が落ち着いた声で言うと、私も少し安心することができた。でも、やはり後遺症が残らないか、心配は完全には消えない。君がいつも元気で、食べ物や飲み物をおいしく感じることが、どれだけ大切かを、私はよく知っている。

「そうだね、無理しないようにしてね。でも、回復の兆しが見えたことが本当に嬉しい。」私は笑顔を感じながら言った。

君は少し黙ってから、「ありがとう。かあさんの言葉にいつも励まされてるよ。実は、ここにいると、どうしても孤独を感じることが多いんだ。でも、かあさんが心配してくれることが、すごくありがたい。」と、少し照れくさそうに言った。

私の心は温かくなった。君が辛い時に、私の言葉が少しでも支えになっていると思うと、嬉しくてたまらない。どんなに遠く離れていても、君が一人で悩んでいないことを知ってほしい。それが、私の中で一番大切なことだ。

「君が元気になっていく姿を見て、私はすごく嬉しいよ。これからも無理せず、少しずつ元気を取り戻してね。」私は優しく言った。

君はしばらく黙ってから、改めて言った。「ありがとう。かあさんがいてくれるから、僕は頑張れる。健康を取り戻して、また普通の生活を送りたいんだ。」

その言葉を聞いて、私は心からの笑顔を浮かべた。君が回復して、また一緒に日常を楽しめる日が来ることを、私はずっと信じている。君が幸せを感じる瞬間が増えることを、心から祈っている。

「君が幸せを感じられるように、ずっと祈っているよ。あとはゆっくり休んで、体を大事にしてね。」私は電話の向こうの君に優しく伝えた。

君は少し元気よく答えた。「うん、わかったよ。ありがとう。本当に。」

電話が切れた後、私はしばらくそのまま静かに立っていた。君の回復を心から願う気持ちは、今も変わらない。どんなに遠くても、君が一歩ずつ元気を取り戻していく姿を、私はずっと見守り続けるつもりだ。

君がいつか、健康を取り戻し、再び笑顔を見せてくれる日が来ることを信じて、私は今日も祈りを込めて、一歩踏み出す。