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小説
不公平
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34そこでペテロは話し始めた。「神が不公平ではないことがよく分かりました。 35 神を畏れて正しいことを行う人はどの国の人でも神に受け入れられるのです。
使徒 10章34.35節
土砂降りの雨を眺めながら、彩香はぼろぼろ泣いている。
「できれば、ADHDなんかに生まれたくなかった」
親ガチャ失敗と学校の友達はよく言うけど、
お金がないだけなら、自分で働けばいい。
彩香はまだ17歳。
でも、新聞配達くらいならなんとかできる。
買い物やお料理を今はするようになったから、やめてしまったけど
夕刊配りは1年くらいやっていた。
そんなことではないのだ。
びしょぴしょになりながら下を向いて必死に咲くカサブランカを見ながら、
「わたし、バラに生まれたかった」
とか、
「インパチェンスやパンジーの方がよかった」
というだろうか?
花は、その場所がどんなに居心地悪くても動くことさえできない。
ただ黙って、自分の命を精一杯生きるだけ。
彩香は、神に対して不敬なことを言っているのだろうか。
毎日、死亡フラグが立ち、大ポカを繰り返すたびに、
「生まれてくるんじゃなかった」
「生きていたくない」
と、口をとがらせているのだ。
生きたくても、がんで死んでしまう人もいる。
君のすい臓が食べたいみたいに、死んでしまう女子学生もいる。
交通事故で突然、死んでしまう子供たちもいる。
彩香の悩みを知らない人が聞いたら、
きっと眉間にしわを寄せ、
深いため息をついて、
「どうにもならない、変えられないものにどうしてそんなにたくさんの時間を使うの?」
「どうせなら、変えられるものを見つけて、どう変えたらいいんだろう?」
「どう、変える気力を持ち続けたらいいんだろう」
と、悩んだ方がよっぽど有効な生き方、考え方だと思う。
だけど、今はそれが答えだと思っても、道からすぐにそれてしまって、
またぶつぶつと文句を言い始めるのだ。
「ああ、神様。時間がもったいない。タンポポはバラにはなれない。
たんぽぽを精一杯生きる知恵と力をください」
「わたしが私を受け入れられますように」
「わたしが私を好きになれますように」
「わたしが私を愛せますように」
今日のZOOMのクリスチャンの集会で、
「明日、心臓のカテーテル手術をする人がいるから
みんなで祈ってください」
と言われた。
自分のことばかりに目を止めず、人のことにも目を向けて祈ることができますように。
「受けるより与えるほうが幸福である」。使徒 20:35
ありがとうございます。
使徒 10章34.35節
土砂降りの雨を眺めながら、彩香はぼろぼろ泣いている。
「できれば、ADHDなんかに生まれたくなかった」
親ガチャ失敗と学校の友達はよく言うけど、
お金がないだけなら、自分で働けばいい。
彩香はまだ17歳。
でも、新聞配達くらいならなんとかできる。
買い物やお料理を今はするようになったから、やめてしまったけど
夕刊配りは1年くらいやっていた。
そんなことではないのだ。
びしょぴしょになりながら下を向いて必死に咲くカサブランカを見ながら、
「わたし、バラに生まれたかった」
とか、
「インパチェンスやパンジーの方がよかった」
というだろうか?
花は、その場所がどんなに居心地悪くても動くことさえできない。
ただ黙って、自分の命を精一杯生きるだけ。
彩香は、神に対して不敬なことを言っているのだろうか。
毎日、死亡フラグが立ち、大ポカを繰り返すたびに、
「生まれてくるんじゃなかった」
「生きていたくない」
と、口をとがらせているのだ。
生きたくても、がんで死んでしまう人もいる。
君のすい臓が食べたいみたいに、死んでしまう女子学生もいる。
交通事故で突然、死んでしまう子供たちもいる。
彩香の悩みを知らない人が聞いたら、
きっと眉間にしわを寄せ、
深いため息をついて、
「どうにもならない、変えられないものにどうしてそんなにたくさんの時間を使うの?」
「どうせなら、変えられるものを見つけて、どう変えたらいいんだろう?」
「どう、変える気力を持ち続けたらいいんだろう」
と、悩んだ方がよっぽど有効な生き方、考え方だと思う。
だけど、今はそれが答えだと思っても、道からすぐにそれてしまって、
またぶつぶつと文句を言い始めるのだ。
「ああ、神様。時間がもったいない。タンポポはバラにはなれない。
たんぽぽを精一杯生きる知恵と力をください」
「わたしが私を受け入れられますように」
「わたしが私を好きになれますように」
「わたしが私を愛せますように」
今日のZOOMのクリスチャンの集会で、
「明日、心臓のカテーテル手術をする人がいるから
みんなで祈ってください」
と言われた。
自分のことばかりに目を止めず、人のことにも目を向けて祈ることができますように。
「受けるより与えるほうが幸福である」。使徒 20:35
ありがとうございます。
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