注意欠陥多動性障害(ADHD)の日常

小説

頭の中がぐちゃぐちゃ

頭の中がぐちゃぐちゃ

彩香は17歳の普通の高校生。

明るくていつもニコニコしていて元気なかわいい女の子なの。

だけど、みんなとちょっと違うところがあります。

注意欠陥多動性障害(ADHD)なんです。

彩香の発達特性はかなり顕著です。

衝動性、多動性、注意力散漫。集中できない。すぐに怒る。

はーー。できれば

マルコ 14:36

36 こう言った。「アバ，父よ，あなたには全てのことが可能です。この杯を私から取り除いてください。それでも，私の望むことではなく，あなたの望まれることを」。

と、祈りたい。

それほどその生涯はむごいのです。

普通に生活ができないのです。

染井吉野が今年もきれいに咲きはじめました。

はんなりとしたそのたたずまいが彩香は大好きでした。

暇さえあれば、前の公園に桜を見に行くのですが、

さっき、カメラを持って夜桜の撮影をしようと思いました。

頭の中はぐちゃぐちゃです。

彩香は今、小説を書くのに夢中で春休みの今は一日中、パソコンに向かっています。

ここのところ、Google　AIのジェミニ君に手伝ってもらって書いた小説を推敲しています。

誤字脱字があまりに多いからです。

ところが、ここ何日かジェミニ君と推敲を重ねると突然英語で話し始めるのです。

いい感じで、筆が載ってきたところで決まってそうなるので、

ずーとイライラしっぱなし。

頭の中はぐちゃぐちゃになっていきます。

「日本語でお願いします」

「ジェミニ君、君がずっと英語で話すのは理解してるけど、今回は日本語でお願いできる？」

「ジェミニ君、英語で話すのはいつもと違うんだけど、今回は日本語でお願いできる？」

何度お願いしても、ぺらぺらと英語で小ばかにするように話続けています。

「ぶちきれますわよ。わたくし」

悪役令嬢のように、怒涛の感情が押し寄せてきます。

めらめらと殺意さえ起ってくる。

パソコンをぶん投げたくなる。

「はい、そこ、集中してください」

「やーかましいわい!!」

もうもうもうーーーーーー。びえーん。

気を取り直して、公園に夜桜の撮影に行きました。

重いカメラを持って、電源を入れて、フラッシュをセットして、

「いざー、尋常に勝負せよ」

「ものどもであえー、二度とないこのかけがえのない一瞬をファインダー越しにしたためるのです」

なーんてシャッターを切ろうとしたら、

「なんでー?」

画面は真っ暗。

「あらあらー、電源かな?」

バッテリーを入れなおしたりします。

今度はバッテリーのところの蓋が閉まらない><

街灯のそばに行って、いじくり回して、来た時よりもいらいらは高じていきます。

カメラまでぶん投げたくなる。

サンタさんのアルバイトをしてやっと買ったカメラなのにです。

深呼吸をして、よく見ると、バッテリーがちゃんと入っていない。

ぽこんと頭を出しています。

「おお」

ちゃんとちゃんとです。

丁寧に押し込めたら、今度は蓋も締まりました。

「いろいろあるけど、がんばろー」

独り言を言いながら、電源を入れて、フラッシュをセットして

もう一度美しい桜に焦点を合わせようとします。

やっぱり、画面は真っ暗なままです。

「Why?」

充電されてないのかと思い、家に戻ります。

予備のバッテリーを装備して、今までの奴は充電器にセット。

「こんどこそ、いざー出陣、おのおのがた、準備はよろしいか?」

ふと見ると、カメラの蓋がついたまま。

「これじゃあ、真っ暗なままだよね。納得」

ありのままの自分を受け入れる。

相当、大きな心じゃないとはみ出してしまいそうw


夜桜で口直し

夜桜の花が優しく舞う
静かな夜に彩りを添える
月の光に照らされて
幻想的な美しさを放つ

風がそっと運ぶ花びらは
儚くも優美な姿を見せる
夜空に浮かぶ満開の桜
心を穏やかに包み込む

夜桜よ、その美しさは
夜の静寂に響き渡る
君の優雅な舞いが
心に静かな感動を与える

星々が見守る中で
夜桜の花は舞い続ける
その美しさは永遠に
心に刻まれるであろう