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僕はもふもふのジュリアーノ 金縛りで色情霊が襲ってくる

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僕はもふもふのジュリアーノ。マルチーズなの。

かつてママに飼われていた。

今はお空のお星様。

ママを守るためにそばにいる。

「ママが、苦しそう。大丈夫?」

ママは、うなっている。

また、悪い夢でも見てるのだろうか。

せっかく、このわけのわからないところに3人できて、

幸せに暮らしているのに……。

「あれ、ママがあえぎ声を出している」

「エッチな夢でも見ているのかな」

「ママ、欲求不満なの?」

話しかけても、寝ているから返事はない。

僕は、お楽しみを邪魔したら悪いと思って

その場から離れたのだけど……。

しばらくして、ママは恐怖に引きつった顔で

荒い息をしていた。

「どうしたの?」

「金縛りになって犯されたの」

「えええええ」

「体動かないし、声も出ないし」

「外から見てると、少し気持ちよさそうだったけど」

「そうなのよね、犯されているのに、気持ちいいって感覚はあった」

「ママ、欲求不満?」

「こらーーー」

この日は、これで話は終わった。

さあ、機嫌を直して釣り釣り釣り。

釣り場のトイレやお風呂が掃除しないとむごいことになっている。

経営を始めると、管理や営繕も自分でやらないとだから、

めんどくさいよね。

って、いかにもずぼらでノーテンキなママの言いそうなこと。

ママはいつもよりけだるそうに動いている。

やっぱり、金縛りって気持ち悪いのかな。

金縛りだけじゃなくて、

好きでもない人に犯されるって言うのが

耐えられないのかもしれない。

しかも、感じてしまってる自分とか。

うわー、考えただけでもおぞましい。

がくがくぶるぶる。

死霊なのかな。生霊なのかな。

霊にもいろいろあるよね。

地縛霊とは、自分が死んだことを受け入れられなかったり、自分が死んだことを理解できなかったりして、死亡した時にいた土地や建物などから離れずにいるとされる霊のこと。あるいは、その土地に特別な理由を有して宿っているとされる死霊。

いずれにしても、厄介な問題が勃発してるのかもしれない。

ノアの時代、沢山の天使たちが人間の体をつけて、

地上に降りてきた。

そして、人間の妻との間にネフィルムができた。

彼らは凶暴で粗悪だった。

地は悪で満たされていった。

それらの多くは、ノアの日に捕獲され留め置かれている。

そのあとに、同じようなみ使いが現れても

不思議ではないし、人間も親が子供を犯す時代だから、

むごいよね。

ひょっとして、ここって、そういう悪霊の住処だったりして……。

くわばらくわばら。

考えることが、

イメージすることが引き寄せの法則なら、

できるだけそういったマイナーなことは

考え続けないようにしないと。

ママと、少年と、お嬢ちゃんは今日も釣りをしてスキルを上げている。

少年とお嬢ちゃんはもうすぐマックスになりそう。

お昼近くまで、釣りを楽しんでいた3人は、ゆっくりお風呂に入って、

ハンバーガーを食べて、すやすやと眠りについている。

今日は、何もないといいね。ママ。

と、思ってみていたら、お部屋の空気がよどんだ。

来る。何かが来る。

ざわ。

霊気のような何か。

ざわわ。

ママは、霊と同じ波長にならないように、黙想していたのに、

「こないで、僕のママをいじめないで」

「くるなー。来るなといってるだろうに」

僕ははじかれ、飛ばされた。

すごい力。

僕だって、自慢じゃないけど、低級霊ではない。

なのにいとも簡単にはじかれ、歯が立たない。

何だ、こいつは。

部屋中の電気をあわててつけたけど、そんなものは、役にも立たないみたいだ。

どうすればいい?

何をすれば追い出せるんだ?

あ、そうだ。

たしか、源氏物語の中で、

六条御息所が使っていた芥子の香。

残念ながら、ここにはないみたい。

うーん。

僕は、ママが使っていたミントオイルのアロマエッセンスを

その辺に降りかけた。

「効いてくれ。頼む」

目を閉じ、念じる。

目を開けたら、消えていることを。

果たして、結果は……。

ポルターガイストはない。

地震も風もない。

背筋が凍りつくような緊迫感とおぞましさだけがぼくとママを取り囲んだ。

「私たちを誘惑に陥らせないで,邪悪な者から救い出してください」

悪霊、死霊、生霊
金縛りにして
自由を奪って
犯されても
私の心までは汚せない

何があったかじゃない
どう捕らえ
どう対処したかが
問題なんだ
言霊を意識します
イエスは言葉と呼ばれているからです
言葉には力があります
憑依されないよう
自分の霊性を高めます

あなたに命じます
わたしの体から離れなさい
イエス・キリストの
みなを通して
アーメン


読んで下さってありがとうございます。






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