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僕はもふもふのジュリアーノ 御宿ラブ
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「旅の楽しみは食べること、食べること、食べること」
おいっ、どんだけ食いしん坊なんだよ。
だって、心からそう思うんだもんw
どうして、こんなに出かけてばかりいるかというと
パパさんと一緒に暮らし始めたのはいいんだけど、
池袋の5階のマンションにいられないのです。
足の裏が、階段から滑り落ちるときのあの感じ。
わかります?
そんな感じがずーとずーとしてるのです。
そう、高所恐怖症なんです。
もしも、火事になったら、
お嬢ちゃんと少年をどうやって
避難させよう、何度も何度も避難口を確かめてしまうのです。
階段を確認してしまうのです。
疲れ果てて、外に出ていきたくなるのです。
ということで、寝袋を買って、
海へGO。
目指すは御宿。
千葉県です。
でも、ママは大切なことを忘れていたのです。
ここは、注意欠陥障害のなせる業。
そうとしか、僕には思えませんでした。
だって、ママはここで何度も死にかけている。
僕はもふもふのジュリアーノ。マルチーズ。
かつて、ママに飼われていた。
今はお空のお星さま。
ママを守りたくて一緒にいるの。
ここの波は半端じゃない。
サーファーのメッカなんです。
沖に沖にともっていかれる。
どうしてここを選ぶのかほんとに不思議。
確かに白い砂はとてもきれいで海も汚れていない。
というかーー。
海開きまだしていない。
おいっ、子供たちはサーファーじゃない。
少年も、水泳習っていたけど、そんなに泳げない。
お嬢ちゃんはたぶん、かなづち。あうち><
どうしてここなんだよ。
しつこーい。
デパートで、寝袋を買って、
しかも、今日は普通の日。
ウィークデイだよ。
学校休ませて、何をする。
全く、ママのすることは突飛で計画性がない。
きまぐれでその場しのぎ。
まあ、そんな性格だから、こんな状態になっても
生きてられるのかもしれないけどね。
だって、このころ子供たちは、二人とも不登校で、
人に対して過敏で、とっても悲しそうで辛そうだったんだもん。
ママは、
「人生、そんな捨てたもんじゃない。いやなら、いったん逃げればいい」
って、まあなんて無責任。
いじめがいやで、不登校が嫌で自殺するなら、
死んだライオンより生きている犬のほうがましなのです。
闘わなきゃいけないところは、もっと別にあると思うのです。
自分の中のどうしようもない弱さとかね。
本当は愛しているのに、
突然、夫のパンツをはしぱんする気持ちとかね。
あははは、変なの。
そんな感じで、地球に教わりに来ました。
潮騒、好きだなー。
波の音を聞いてると、静かな優しい気持ちになれるんだ。
子供たちは、海じゃなくて、そばのお川で遊んでる。
ここなら、溺れたりしなくていいね。
ママは、子供たちをほったらかしにして、
沖のほうまで泳いでる。
あ、またライフセーバーが
「大丈夫ですか」
と、聞きに来た。
どうして、大して泳げもしないのに、
こんな沖まで行くかな。
さて、そこそこ楽しんで、
お昼ご飯でもと思ったら、
お嬢ちゃんの桜色だった皮膚がまっか。
おでこに手を当てると、熱がある。
ああ、全身やけどかな。
あわてて、そばにあるスパ、天然温泉に行って、
水浴させたんだ。
あぶなー。
水分補給させながら、ずっと水で遊んでた。
だんだん元気になってきて、少しお湯にも入れるようになって、
よしこれなら大丈夫って。
ほんとかよー。
さて、泊まるところなんだけど。
ロッジか、キャンプ場か探したけど。
海開きもしてないから、なーい。
いろいろ聞いたけど、ない。
散々歩き回って、考えた。
「野宿けっこうーー」
「えええええ」
確かに、少年はボーイスカウトだけど。
知らない土地で大丈夫か。
ほんとに無謀なママさん。
いきあたりばったり。
「確認、野宿するのに、あれば便利なもの」
子供たちは、思いつくままにいろいろ言う。
「水、トイレ」
で、3人で祈ってる。
この二つが満たされるところ。
何処だと思う?
なんと、造成中の墓地。
まあ、確かに水道もトイレもある。
だけどねー。墓場だよ。
水道確認。トイレ確認。上の霊園があるところに決定。
段になっていて、草がたくさんある。
刈り込んではあるんだけどね。
周りから小さな木を集めて、焚火を始めた。
寝袋に入って、満天の星空を眺めながら、
神様のことや、自分たちの今の状態など
楽しそうに笑いながら話してる。
確かに、この広い空、今日見てきた海から比べたら、
自分たちの存在なんてちっぽけなもの。
子供たちは、くよくよなやけむのをやめたんだ。
流れに逆らわなきゃいけない時もある。
でも、無理なら、流れに乗ってみるのも悪くはないさって。
そして、
「神様がついてるじゃないかー」
って、もう自分たちのみじめな状態を忘れてる。
いいねー。最高だね。自然は優しいね。
何が一番大切か、ちゃんと教えてくれる。
できるだけのことをしたら、ケ・セラ・セラ。
ゆだねていくんだ。
ねーー。
読んでくださって、ありがとうございます。
おいっ、どんだけ食いしん坊なんだよ。
だって、心からそう思うんだもんw
どうして、こんなに出かけてばかりいるかというと
パパさんと一緒に暮らし始めたのはいいんだけど、
池袋の5階のマンションにいられないのです。
足の裏が、階段から滑り落ちるときのあの感じ。
わかります?
そんな感じがずーとずーとしてるのです。
そう、高所恐怖症なんです。
もしも、火事になったら、
お嬢ちゃんと少年をどうやって
避難させよう、何度も何度も避難口を確かめてしまうのです。
階段を確認してしまうのです。
疲れ果てて、外に出ていきたくなるのです。
ということで、寝袋を買って、
海へGO。
目指すは御宿。
千葉県です。
でも、ママは大切なことを忘れていたのです。
ここは、注意欠陥障害のなせる業。
そうとしか、僕には思えませんでした。
だって、ママはここで何度も死にかけている。
僕はもふもふのジュリアーノ。マルチーズ。
かつて、ママに飼われていた。
今はお空のお星さま。
ママを守りたくて一緒にいるの。
ここの波は半端じゃない。
サーファーのメッカなんです。
沖に沖にともっていかれる。
どうしてここを選ぶのかほんとに不思議。
確かに白い砂はとてもきれいで海も汚れていない。
というかーー。
海開きまだしていない。
おいっ、子供たちはサーファーじゃない。
少年も、水泳習っていたけど、そんなに泳げない。
お嬢ちゃんはたぶん、かなづち。あうち><
どうしてここなんだよ。
しつこーい。
デパートで、寝袋を買って、
しかも、今日は普通の日。
ウィークデイだよ。
学校休ませて、何をする。
全く、ママのすることは突飛で計画性がない。
きまぐれでその場しのぎ。
まあ、そんな性格だから、こんな状態になっても
生きてられるのかもしれないけどね。
だって、このころ子供たちは、二人とも不登校で、
人に対して過敏で、とっても悲しそうで辛そうだったんだもん。
ママは、
「人生、そんな捨てたもんじゃない。いやなら、いったん逃げればいい」
って、まあなんて無責任。
いじめがいやで、不登校が嫌で自殺するなら、
死んだライオンより生きている犬のほうがましなのです。
闘わなきゃいけないところは、もっと別にあると思うのです。
自分の中のどうしようもない弱さとかね。
本当は愛しているのに、
突然、夫のパンツをはしぱんする気持ちとかね。
あははは、変なの。
そんな感じで、地球に教わりに来ました。
潮騒、好きだなー。
波の音を聞いてると、静かな優しい気持ちになれるんだ。
子供たちは、海じゃなくて、そばのお川で遊んでる。
ここなら、溺れたりしなくていいね。
ママは、子供たちをほったらかしにして、
沖のほうまで泳いでる。
あ、またライフセーバーが
「大丈夫ですか」
と、聞きに来た。
どうして、大して泳げもしないのに、
こんな沖まで行くかな。
さて、そこそこ楽しんで、
お昼ご飯でもと思ったら、
お嬢ちゃんの桜色だった皮膚がまっか。
おでこに手を当てると、熱がある。
ああ、全身やけどかな。
あわてて、そばにあるスパ、天然温泉に行って、
水浴させたんだ。
あぶなー。
水分補給させながら、ずっと水で遊んでた。
だんだん元気になってきて、少しお湯にも入れるようになって、
よしこれなら大丈夫って。
ほんとかよー。
さて、泊まるところなんだけど。
ロッジか、キャンプ場か探したけど。
海開きもしてないから、なーい。
いろいろ聞いたけど、ない。
散々歩き回って、考えた。
「野宿けっこうーー」
「えええええ」
確かに、少年はボーイスカウトだけど。
知らない土地で大丈夫か。
ほんとに無謀なママさん。
いきあたりばったり。
「確認、野宿するのに、あれば便利なもの」
子供たちは、思いつくままにいろいろ言う。
「水、トイレ」
で、3人で祈ってる。
この二つが満たされるところ。
何処だと思う?
なんと、造成中の墓地。
まあ、確かに水道もトイレもある。
だけどねー。墓場だよ。
水道確認。トイレ確認。上の霊園があるところに決定。
段になっていて、草がたくさんある。
刈り込んではあるんだけどね。
周りから小さな木を集めて、焚火を始めた。
寝袋に入って、満天の星空を眺めながら、
神様のことや、自分たちの今の状態など
楽しそうに笑いながら話してる。
確かに、この広い空、今日見てきた海から比べたら、
自分たちの存在なんてちっぽけなもの。
子供たちは、くよくよなやけむのをやめたんだ。
流れに逆らわなきゃいけない時もある。
でも、無理なら、流れに乗ってみるのも悪くはないさって。
そして、
「神様がついてるじゃないかー」
って、もう自分たちのみじめな状態を忘れてる。
いいねー。最高だね。自然は優しいね。
何が一番大切か、ちゃんと教えてくれる。
できるだけのことをしたら、ケ・セラ・セラ。
ゆだねていくんだ。
ねーー。
読んでくださって、ありがとうございます。
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