20 / 56
僕はもふもふのジュリアーノ お嬢ちゃんの入学
しおりを挟む
「たけのこにいくのー」
「都電に乗って学校いくのー」
僕はもふもふのジュリアーノ。マルチーズ。
かつて、ママに飼われていた。
今はお空のお星様。
ママを守りたくてそばにいる。
少年は、相変わらず朝から晩までゲームをしている。
お嬢ちゃんは少年と7歳年が違うので、
来春、小学校に入学する。
ママは、ここで大きな勘違いをしていた。
お嬢ちゃんは、775グラムで生まれた。
極小未熟児で、育ったことが奇跡であった。
そして、小さく生まれたために、
学力も少し劣っていた。
ママは、お嬢ちゃんに300冊の本の読み聞かせをした。
童謡も公文のカードを使って、二人でよく歌っていた。
加えて、聖書カードを作って、
お嬢ちゃんは、入学前に国語だけは年齢相当以上の
学力があった。
しかし、何故か、算数に関してはからっきしだった。
学習障害、今は、ネットで何でも調べられる。
でも、その当時は、文献も余りなかった。
困った、ママは、お嬢ちゃんに毎日、お金の計算ができるように、
教えていった。
公文もやっていた。
ヤマハの音楽教室にも通っていた。
お嬢ちゃんは、すくすくと育ち、
少年と7歳差なのに少年がお嬢ちゃんの言葉に
思わず暴力を振るってしまうほど、口達者になっていった。
そんな状態だったから、入学は1年遅らせることができて、
1年遅れで普通学級に入れるものだとばかり思い込んでいた。
ところが、今、入院していないのだから、学校に入学してください。
という、教育委員会の決定に慌てた。
私立に入れることも考えたのだが、
いろんな学校を見学して、
お嬢ちゃんは自分で身障者学級を選んだ。
ママは、その決定に随分悩んだのだが、
いじめられながら劣等生として
過ごすよりも、助け合いながら学校生活を送るほうが楽しいのかもと、
お嬢ちゃんの決定を支持した。
この間、哀しいことにパパさんとの話し合いは一切なかった。
少年は、ママの連れ子である。
でも、お嬢ちゃんはパパさんとママとの間にできた子。
どうして、夫が針、妻が糸。
と、言ってるママが、一切夫に相談しなかったかはいまだに謎だ。
そして、いよいよ入学となり、お嬢ちゃんは学校に通い始めた。
ママのお酒は止まってはいなかったが、以前ほどひどい飲み方ではなくなっていた。
失敗は失敗として受け入れ、何とか立ち直ろうとしていた。
そして、自分の中の哀しいほどの完ぺき主義も少しずつでも直そうとしていた。
で、お嬢ちゃんの学校生活は始まるんだけど、
まず、入学したその日、
集団下校したのだが、
造幣局の団地があり、そこの同級生と遊ぶ約束をして、
外で待っていた。
ところが、いつになってもその子はこなかった。
ママは一緒にいたのだが、
なんとなく状況が把握できた。
要するに、身障者学級の子なんかと遊ばせたくないということなのだろう。
「始まった」
心してかかるべし。
近所の公園で、二人で桜を眺めていたとき、お嬢ちゃんは、
「ママ、神様は優しいね。あんなに沢山の色がなくても
生きていけるのに、わたしたちが地球をほ本当に楽しめるように
沢山の色の見わけがつくようにしてくださってる」
という言葉に驚嘆するのだった。
花曇の空は、散り行く桜を惜しむように静に優しく辺りを包む。
桜梅桃李、桜花爛漫、四季折々の花々をめでていく。
地球を感じ、感謝し、楽しめるのはとても有効なことに思えた。
お嬢ちゃんは、何日かすると、一人で都電に乗って通学できるまでになっていった。
聖書も一緒に毎日読んだり、黙想して適応したり、
はつらつとした学校生活を送っていた。
ところが、入学して一月くらいたつと、
入学前よりも勉強がどんどん差がついてしまう。
結局、たとえば国語に関して、指導要綱もないし、
カリキュラムもない。
仕方なく、授業を他のお母さんと一緒に見に行ったりしていたのだが、
これでは無理だとあきらめなければならなかった。
夏休みに特別コースの塾に通わせたり、
思ったよりも教育費にお金がかかり始める。
教育委員会に相談すると、
通級制度が適応されることになって、
国語や社会科などを普通学級で勉強することになるのだが、
そこでいじめが発生する。
ところが気の強いお嬢ちゃんは、
決して、いじめられっぱなしにはならない。
7歳上の少年でさえ負けてしまうくらいの語威力、表現力。
言われたら言い返す。しかも反論できないような言葉を。
当然、負けたほうは悔しいから、
ばかの癖に身障者学級の癖に生意気だといことになり、
どんどんいじめはひどくなっていった。
ママはそんなお嬢ちゃんを励まし続ける。
休みの日には、芦ヶ久保のイチゴ狩りや
オリエンテーリングに連れて行く。
少年とお嬢ちゃんとママで、寝袋を買って、野宿をしたり、
楽しい時間を過ごしていた。
少年もみんなと一緒の教室ではなかったが、
図書館で別メニューで学校に行ったりするようになっていた。
ママが、お酒を飲んで、いじめっ子に電話をしたからだ。
やられっぱなしにはならないというのが、ママの受けた教育だった。
立教大学の講堂をお借りして、不登校の子たちの集まりがあった。
なんとそこに、300名の不登校児が集まったのだ。
ママは、びっくりした。
「こんなに沢山の子供たちが、生きるために
いじめと戦っている」
それは、希望の光だった。
一人じゃない。仲間がいる。
それだけで、人間は強くなれる。
例え、それが一言も話をしたことがない人だとしても。
ルフィーの名言。
おれは!!!!弱いっ!!!!
ジンベエ「確認せい!お前にまだ残っておるものは何じゃ!」
ルフィ 「仲間がいる”よ!!!」
ONE PIECEより引用
読んでくださってありがとうございます。
「都電に乗って学校いくのー」
僕はもふもふのジュリアーノ。マルチーズ。
かつて、ママに飼われていた。
今はお空のお星様。
ママを守りたくてそばにいる。
少年は、相変わらず朝から晩までゲームをしている。
お嬢ちゃんは少年と7歳年が違うので、
来春、小学校に入学する。
ママは、ここで大きな勘違いをしていた。
お嬢ちゃんは、775グラムで生まれた。
極小未熟児で、育ったことが奇跡であった。
そして、小さく生まれたために、
学力も少し劣っていた。
ママは、お嬢ちゃんに300冊の本の読み聞かせをした。
童謡も公文のカードを使って、二人でよく歌っていた。
加えて、聖書カードを作って、
お嬢ちゃんは、入学前に国語だけは年齢相当以上の
学力があった。
しかし、何故か、算数に関してはからっきしだった。
学習障害、今は、ネットで何でも調べられる。
でも、その当時は、文献も余りなかった。
困った、ママは、お嬢ちゃんに毎日、お金の計算ができるように、
教えていった。
公文もやっていた。
ヤマハの音楽教室にも通っていた。
お嬢ちゃんは、すくすくと育ち、
少年と7歳差なのに少年がお嬢ちゃんの言葉に
思わず暴力を振るってしまうほど、口達者になっていった。
そんな状態だったから、入学は1年遅らせることができて、
1年遅れで普通学級に入れるものだとばかり思い込んでいた。
ところが、今、入院していないのだから、学校に入学してください。
という、教育委員会の決定に慌てた。
私立に入れることも考えたのだが、
いろんな学校を見学して、
お嬢ちゃんは自分で身障者学級を選んだ。
ママは、その決定に随分悩んだのだが、
いじめられながら劣等生として
過ごすよりも、助け合いながら学校生活を送るほうが楽しいのかもと、
お嬢ちゃんの決定を支持した。
この間、哀しいことにパパさんとの話し合いは一切なかった。
少年は、ママの連れ子である。
でも、お嬢ちゃんはパパさんとママとの間にできた子。
どうして、夫が針、妻が糸。
と、言ってるママが、一切夫に相談しなかったかはいまだに謎だ。
そして、いよいよ入学となり、お嬢ちゃんは学校に通い始めた。
ママのお酒は止まってはいなかったが、以前ほどひどい飲み方ではなくなっていた。
失敗は失敗として受け入れ、何とか立ち直ろうとしていた。
そして、自分の中の哀しいほどの完ぺき主義も少しずつでも直そうとしていた。
で、お嬢ちゃんの学校生活は始まるんだけど、
まず、入学したその日、
集団下校したのだが、
造幣局の団地があり、そこの同級生と遊ぶ約束をして、
外で待っていた。
ところが、いつになってもその子はこなかった。
ママは一緒にいたのだが、
なんとなく状況が把握できた。
要するに、身障者学級の子なんかと遊ばせたくないということなのだろう。
「始まった」
心してかかるべし。
近所の公園で、二人で桜を眺めていたとき、お嬢ちゃんは、
「ママ、神様は優しいね。あんなに沢山の色がなくても
生きていけるのに、わたしたちが地球をほ本当に楽しめるように
沢山の色の見わけがつくようにしてくださってる」
という言葉に驚嘆するのだった。
花曇の空は、散り行く桜を惜しむように静に優しく辺りを包む。
桜梅桃李、桜花爛漫、四季折々の花々をめでていく。
地球を感じ、感謝し、楽しめるのはとても有効なことに思えた。
お嬢ちゃんは、何日かすると、一人で都電に乗って通学できるまでになっていった。
聖書も一緒に毎日読んだり、黙想して適応したり、
はつらつとした学校生活を送っていた。
ところが、入学して一月くらいたつと、
入学前よりも勉強がどんどん差がついてしまう。
結局、たとえば国語に関して、指導要綱もないし、
カリキュラムもない。
仕方なく、授業を他のお母さんと一緒に見に行ったりしていたのだが、
これでは無理だとあきらめなければならなかった。
夏休みに特別コースの塾に通わせたり、
思ったよりも教育費にお金がかかり始める。
教育委員会に相談すると、
通級制度が適応されることになって、
国語や社会科などを普通学級で勉強することになるのだが、
そこでいじめが発生する。
ところが気の強いお嬢ちゃんは、
決して、いじめられっぱなしにはならない。
7歳上の少年でさえ負けてしまうくらいの語威力、表現力。
言われたら言い返す。しかも反論できないような言葉を。
当然、負けたほうは悔しいから、
ばかの癖に身障者学級の癖に生意気だといことになり、
どんどんいじめはひどくなっていった。
ママはそんなお嬢ちゃんを励まし続ける。
休みの日には、芦ヶ久保のイチゴ狩りや
オリエンテーリングに連れて行く。
少年とお嬢ちゃんとママで、寝袋を買って、野宿をしたり、
楽しい時間を過ごしていた。
少年もみんなと一緒の教室ではなかったが、
図書館で別メニューで学校に行ったりするようになっていた。
ママが、お酒を飲んで、いじめっ子に電話をしたからだ。
やられっぱなしにはならないというのが、ママの受けた教育だった。
立教大学の講堂をお借りして、不登校の子たちの集まりがあった。
なんとそこに、300名の不登校児が集まったのだ。
ママは、びっくりした。
「こんなに沢山の子供たちが、生きるために
いじめと戦っている」
それは、希望の光だった。
一人じゃない。仲間がいる。
それだけで、人間は強くなれる。
例え、それが一言も話をしたことがない人だとしても。
ルフィーの名言。
おれは!!!!弱いっ!!!!
ジンベエ「確認せい!お前にまだ残っておるものは何じゃ!」
ルフィ 「仲間がいる”よ!!!」
ONE PIECEより引用
読んでくださってありがとうございます。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
渡辺透クロニクル
れつだん先生
現代文学
カクヨムという投稿サイトで連載していたものです。
差別表現を理由に公開停止処分になったためアルファポリスに引っ越ししてきました。
統合失調症で生活保護の就労継続支援B型事業所に通っている男の話です。
一話完結となっています。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる