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第二部

子供部屋おばさん、再び!

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子供部屋おばさん、再び!

桜舞い散る季節、41歳を迎えた小林真理は、長らく続いた子供部屋暮らしに終止符を打つことを決意した。

なんとか一流企業に入社できたものの、思うように結果が出ず、いつしか実家の子供部屋に引きこもってしまった真理。気づけば17年も経ち、社会との接点はほとんど絶えていた。

せっかく保険会社に研修に行きはじめていたのに、新型感染症にかかってしまい、治ったかと思ったら、何とはしか。

三途の河原で遊んでおりました。

綺麗なお花畑だったな~♪

あのまま、あっちで暮らしてもよかったのですが、

お前はもう少し人の役に立って来いと、閻魔様に追い返されてしまいました。

「とほほほ」

そんなある日、真理はふと窓から外を眺めた。そこには、満開の桜が咲き誇っていた。淡いピンク色の花びらが風に舞う様子は、まるで希望の象徴のように輝いていた。

「そうだ、私ももう一度挑戦してみよう!」

真理の心の中に、熱い決意が芽生えた。彼女は、子供部屋を片付け、新しい服を購入し、履歴書を作成し始めた。

就職活動は簡単ではなかった。長いブランクがあったため、面接でうまく答えられないこともあった。しかし、真理は諦めなかった。

「私はまだダメじゃない。絶対に夢を叶えるんだ!」

そしてついに、真理は身罷った母が勤めていた保険会社の会社担当の営業の仕事を見つけることができた。

新しい職場で、真理は様々な人と出会い、刺激的な日々を送った。仕事は大変だったが、充実感があった。

そして何より、真理は自分自身を取り戻しつつあった。以前のような自信を取り戻し、周囲の人からも一目置かれる存在になっていた。

ある日、真理は偶然、かつての知り合いに会った。その人は、真理の夢を応援してくれた人だった。

「真理さん、元気だった?最近、活躍しているみたいだね。」

「はい、なんとか頑張っています。」

「それは良かった。応援してるよ。」

その言葉が、真理の心に深く響いた。彼女は、支えてくれる人がいることに感謝し、さらに努力することを誓った。

それから数年後、真理は念願の作家デビューを果たした。彼女の作品は多くの人々に愛され、ベストセラーとなった。

かつて子供部屋おばさんと呼ばれていた真理は、今では一人の女性として、輝かしい人生を歩んでいた。

彼女の物語は、夢を諦めずに挑戦し続ければ、どんな困難も乗り越えられることを教えてくれる。そして、年齢に関係なく、いつからでも人生を変えることができることを証明している。

この小説が、多くの人に勇気を与え、希望の光となることを願っている。

身罷った母の財産もたくさんあるので、子ども食堂を作るために調理師免許でも取れたら嬉しいかな。

何一つ続かないわたしだけど、がんばればなんとかなるかな?

とりあえず、精神科の主治医の先生と相談してみます。

子供部屋おばさんのくせに、注意欠陥多動性障害(ADHD)のせいで、相変わらず衝動的。

41才なんだから、もう少し落ち着かないとね。

とりあえず、戻ってまいりました。

また、仲良くしてくださいね。

よろしくお願いします。
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