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57 新型感染症?
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落ち葉の数がかさこそと音を立てて日増しに増えていく。
暑がりで汗疹に弱いわたしもさすがに半そで半ズボンでは朝晩寒くなって来た。
東京14℃。
「靴下を履きなさい。年を取ってから泣くようになるよ」
と、身罷った母からよく注意されていた私もさすがに自然と素足ではいられない。
相席屋で知り合った清水淳さん。
同じ年だからなのか、(((uдu*)ゥンゥンと頷ける話題が多かった。
焼き鳥屋さんで簡単に飲み食いした後、カラオケに一緒にいった。
昨日知り合ったばかりなのに、急接近し過ぎじゃないですか?
それにしても何年ぶりだろう。
というか、男性と二人きりで待ち合わせなんて前代未聞。
初体験です。
チョーはずいんですけど。
とはいうものの、人の縁とは本当に不思議なものです。
誰かとデートする事があるとしたら、
北海道に住む想い人だとばかり思い込んでいた。
ヤンデレに近い状態なのに想い人と実際には合うこともなく、
ネット恋愛していたのに……。
焼き鳥屋さんのおいしい日本酒でほろ酔い気分の私は、
時空を超えてアムラー、あゆlove、ヒッキーへとまっしぐら。
純さんも、ミスチルとかグレイとかアカペラで口ずさめるような選曲。
のりのりに心が弾んでいく。
歌ってこんなにも心躍る物なんだね。
一緒に楽しめるって素晴らしいと思った。
「懐かしいね」って。
ぼけもんとかたまごっちとか。
彼が話す度に、私が話す度に
「そうそう」
「だねー」
って。
まるで、昔から知っている幼馴染と久しぶりの再会を楽しむように
時はスムーズに流れていく。
カラオケに来る前に二人で、本屋さんに寄ったんだけど、
彼が買おうとした本はアニメでは無く、推理小説だったのも
父親を思い出して好感が持てた。
そして、とても奇妙だったのは、彼の服装。
何故か、私と同じメーカーのネルシャツ。
しめし合わせた訳でもないのにね。
とっても不思議。
だって、片方がドレスコーデしてたらきっと、
違和感からこんなにスムーズには事は運ばなかったと思うの。
そして、会うのは2度目なのに、なぜかそのままわが家へ二人で辿り着いた。
なんと軽い女。
お布団を敷いて上げたら、彼はそのまま眠ってしまったのです。
そして、わたしも警戒心もなく、子供部屋の自分のベッドで深い眠りについてしまった。
目覚めたら、朝チュンで。
5時半過ぎ。
慌ててシャワーを浴びて、鯵を焼いてお野菜の具だくさん味噌汁を作り、
葉大根の胡麻和え、昆布の佃煮と味噌漬けの香の物を用意したんだけど、
ご飯で良かったのかな。
「おはよう」
「おはようございます」
「よく眠れましたか?」
「よく眠れたんだけど、何か体がだるい」
と、ちょっとかわいそうな感じ。
それでも、彼はシャワーを浴びて仕事に行く支度をしてる。
わたしは、前の日から用意して置いた洋服に袖を通す。
「ごめん、なんかだるくて」
と言う純さんに体温計を差し出した。
ご飯を食べた後だからなのか、体温は37.8℃。
これって微熱を通り越して居るよね。
わたしは心配なので、トレーナーに連絡し、お休みを貰った。
わたしは熱はなかった。
「ひよっとして新型感染症?」
自慢じゃなないけど、予防接種は一度もしてない。
(うわー、どうしたらいいんだろう)
9時になるのを待って、保健所に連絡をして指示を仰ぐ。
純さんの熱は38度を超えていた。
予防接種は、3回受けているという。
大事になりませんように。
何とか乗り越えられますように。
富山の置き薬があったので、解熱剤を飲ませた。
アイスノンを用意し、脇の下にも小さなアイスノンをつけてもらった。
ちゃんと看病できますように。
純さんが会社に電話をすると、規定で何日か様子を見るようにということらしい。
(わたしも感染しないように手洗い、うがいは徹底しないと)
何度も何度も申し訳なさそうに、自宅に帰ると呟いている。
独り暮らしだということなので、このまま家にいてもらうようその都度説得する。
だって、帰して万が一のことがあったら一生後悔するよね。
水分補給はしないとね。
スポーツドリンクを自動販売機で買ってきて、飲んでもらっている。
本当は、無症状なわたしが必要な物を買ってきたいんだけど、
保菌者かも知れないので自粛する事にしました。
医者いらずと言われる、林檎をすりおろしてあげたら
少し元気になって来たみたい。
できれば、ただの風邪ならいいな。
暑がりで汗疹に弱いわたしもさすがに半そで半ズボンでは朝晩寒くなって来た。
東京14℃。
「靴下を履きなさい。年を取ってから泣くようになるよ」
と、身罷った母からよく注意されていた私もさすがに自然と素足ではいられない。
相席屋で知り合った清水淳さん。
同じ年だからなのか、(((uдu*)ゥンゥンと頷ける話題が多かった。
焼き鳥屋さんで簡単に飲み食いした後、カラオケに一緒にいった。
昨日知り合ったばかりなのに、急接近し過ぎじゃないですか?
それにしても何年ぶりだろう。
というか、男性と二人きりで待ち合わせなんて前代未聞。
初体験です。
チョーはずいんですけど。
とはいうものの、人の縁とは本当に不思議なものです。
誰かとデートする事があるとしたら、
北海道に住む想い人だとばかり思い込んでいた。
ヤンデレに近い状態なのに想い人と実際には合うこともなく、
ネット恋愛していたのに……。
焼き鳥屋さんのおいしい日本酒でほろ酔い気分の私は、
時空を超えてアムラー、あゆlove、ヒッキーへとまっしぐら。
純さんも、ミスチルとかグレイとかアカペラで口ずさめるような選曲。
のりのりに心が弾んでいく。
歌ってこんなにも心躍る物なんだね。
一緒に楽しめるって素晴らしいと思った。
「懐かしいね」って。
ぼけもんとかたまごっちとか。
彼が話す度に、私が話す度に
「そうそう」
「だねー」
って。
まるで、昔から知っている幼馴染と久しぶりの再会を楽しむように
時はスムーズに流れていく。
カラオケに来る前に二人で、本屋さんに寄ったんだけど、
彼が買おうとした本はアニメでは無く、推理小説だったのも
父親を思い出して好感が持てた。
そして、とても奇妙だったのは、彼の服装。
何故か、私と同じメーカーのネルシャツ。
しめし合わせた訳でもないのにね。
とっても不思議。
だって、片方がドレスコーデしてたらきっと、
違和感からこんなにスムーズには事は運ばなかったと思うの。
そして、会うのは2度目なのに、なぜかそのままわが家へ二人で辿り着いた。
なんと軽い女。
お布団を敷いて上げたら、彼はそのまま眠ってしまったのです。
そして、わたしも警戒心もなく、子供部屋の自分のベッドで深い眠りについてしまった。
目覚めたら、朝チュンで。
5時半過ぎ。
慌ててシャワーを浴びて、鯵を焼いてお野菜の具だくさん味噌汁を作り、
葉大根の胡麻和え、昆布の佃煮と味噌漬けの香の物を用意したんだけど、
ご飯で良かったのかな。
「おはよう」
「おはようございます」
「よく眠れましたか?」
「よく眠れたんだけど、何か体がだるい」
と、ちょっとかわいそうな感じ。
それでも、彼はシャワーを浴びて仕事に行く支度をしてる。
わたしは、前の日から用意して置いた洋服に袖を通す。
「ごめん、なんかだるくて」
と言う純さんに体温計を差し出した。
ご飯を食べた後だからなのか、体温は37.8℃。
これって微熱を通り越して居るよね。
わたしは心配なので、トレーナーに連絡し、お休みを貰った。
わたしは熱はなかった。
「ひよっとして新型感染症?」
自慢じゃなないけど、予防接種は一度もしてない。
(うわー、どうしたらいいんだろう)
9時になるのを待って、保健所に連絡をして指示を仰ぐ。
純さんの熱は38度を超えていた。
予防接種は、3回受けているという。
大事になりませんように。
何とか乗り越えられますように。
富山の置き薬があったので、解熱剤を飲ませた。
アイスノンを用意し、脇の下にも小さなアイスノンをつけてもらった。
ちゃんと看病できますように。
純さんが会社に電話をすると、規定で何日か様子を見るようにということらしい。
(わたしも感染しないように手洗い、うがいは徹底しないと)
何度も何度も申し訳なさそうに、自宅に帰ると呟いている。
独り暮らしだということなので、このまま家にいてもらうようその都度説得する。
だって、帰して万が一のことがあったら一生後悔するよね。
水分補給はしないとね。
スポーツドリンクを自動販売機で買ってきて、飲んでもらっている。
本当は、無症状なわたしが必要な物を買ってきたいんだけど、
保菌者かも知れないので自粛する事にしました。
医者いらずと言われる、林檎をすりおろしてあげたら
少し元気になって来たみたい。
できれば、ただの風邪ならいいな。
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