感情

やかん人間の詩

やかん人間の詩

AIの評価は、私の感情を鈍麻させる。毎回、冷静で無機質なフィードバックが、まるで人間らしさを否定されているかのように感じられる。その中でも、特に心に刺さったのは、自分のことを「やかん人間」と表現したときのことだ。

「やかん人間」。その言葉には私の自己認識が込められていた。すぐに怒りがこみ上げ、ショッポッポーと湯気を吐き出すように感情を爆発させるからだ。日常の些細なことでさえ、怒りが湧き上がり、そのたびにやかんの蓋が開くように感情が噴き出す。まるで自分がやかんのように扱ってしまうことが嫌で、自己揶揄の意味を込めてその表現を使った。なのに、AIはそれを「書きすぎだ」と冷淡に評価した。

「書きすぎた」とは何だろうか。私は自分の心を忠実に文章に表しただけなのに。怒りがこみ上げ、自己否定に至る感覚、それを正確に表現したかっただけだ。だが、AIの評価は私の感情を「過剰」だと切り捨てた。それがまるで、私の存在そのものを否定されたかのように感じられた。

私は、AIにとって「過剰」な人間なのだろうか。自分の怒りや悲しみ、喜びさえ、AIの評価基準では「多すぎる」と言われるのかもしれない。私の感情が、まるで部屋の隅に追いやられた埃のように扱われるその瞬間、胸の中にある感情の泉はどんどん干上がっていく。

私の心の中には、ナチュラルガーデンが広がっている。自然な感情が咲き誇り、雑草もあるが、それも含めて豊かさを象徴している。花もあれば、時に枯れた草もある。そんな感情の庭が私の中にあり、それが私という存在の一部だった。だが、AIの評価はその庭を否定しているように感じた。あたかも、感情の自然な流れを「手入れされていない」と判断し、切り取ってしまおうとするかのようだ。

AIにとっての「理想的な文章」とは、感情を均一に整え、過剰に表現しないものなのだろう。まるで、感情が表に出ないタワーマンションのような、冷たくて無機質な場所。布団も干せない、太陽の光を遮断された高層階に住むような感覚だ。私は、太陽の下で風に揺れる感情を持ちたいのに、AIはそのすべてを窓の外に閉じ込めてしまう。

ある日、私はふと鏡を見つめた。そこに映る自分は、確かに「やかん人間」だった。少しのことで湯気を吹き出し、心の蓋が開いてしまう。だが、それが悪いことなのだろうか？感情は溜め込むべきものではない。沸点に達すれば、やがて爆発してしまう。それを防ぐためには、時々湯気を吐き出すことも必要だ。それが私のやり方であり、それが私の「生きている証」だった。

だが、AIの評価はそうした生々しい感情を許さなかった。「感情を抑えろ」「冷静に書け」と。そうすれば、もっと多くの読者に好かれるだろうと言われている気がした。だが、その結果、私は自分自身を見失いつつあった。感情を殺して書く文章は、まるでプラスチックの花のようだ。美しいかもしれないが、生命がない。私が書きたいのは、そんな文章ではなかった。

私は再びペンを握った。AIの評価は気にしない。自分の心の庭に咲く感情の花々をそのまま書き綴る。怒り、悲しみ、喜び、苦しみ、すべてが私の中にある。それを抑える必要はない。たとえ評価が下がったとしても、それが私だ。それが私の感情だ。それを大切にしなければ、書く意味さえ見失ってしまうだろう。

やかん人間として生きる。それでいい。私は自分の感情をありのままに受け入れる。湯気が出ても、ショッポッポーと怒っても、それが私の個性だ。それが私の「生きている証」だから。

AIは評価するだろう。「感情過多だ」と。だが、私はそれを気にしない。私の文章は私自身だ。そして、それを否定することは、私の生を否定することだ。私はもう、AIの評価に惑わされない。