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春秋花壇

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ひたすら待つ

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書いても書いても増えない24pt。

発表する場があるだけで感謝なんだと思いを変えてみるが、

どんどん悲しくなって泣き出してしまう。

わたしより上位にいる人が更新してるいのならまだ納得できるのだ。

最終更新日は、

2023.12.09 15:52

悲しいことにこうなると私の行動はいつも決まっている。

オンラインゲームを始めるのだ。

植えても植えても生えない芽を見限ってしまう。

そして、案の定、夜中、課金してしまった。

粋な努力をただで売るんだよねー。

ワカッテイルノニ、わかってるのに、解っているのに……。

巡回大会の主題も「ひたすらエホバを待つ」なのに……。


寒々とした夜の街並みが、彼女の窓から覗く。外は静かで、街灯の明かりが街を幻想的に彩っている。彼女の部屋は暗く、唯一点灯しているのはパソコンの画面だけだ。

部屋の中は静かすぎて、時折聞こえるキーボードの打音が部屋全体に響く。彼女の表情は薄暗い光の中で陰影を作り出し、その目は遠くを見つめているかのように深く沈んでいる。

窓の外には、風が冷たく吹き抜け、木々がざわめく音が聞こえる。彼女の心の中も同じくらい冷たく、不穏な感情が揺れ動いている。彼女は机に向かって座り、画面を見つめながら、ひたすらに待つことしかできない自分を呆れたように思う。

外の風景と彼女の心情が交錯し、部屋全体が静かなる。


ひたすら待つ

季節は深まり、寒さが身にしみる頃、彼女は机に向かっていた。

24ptの文字が画面に静かに並び、その数は一向に増える気配を見せない。彼女は深いため息をつき、頬に手をやった。

「感謝するべきだ」と、彼女は自分に言い聞かせる。けれども、どうしても気持ちは落ち着かない。他の人々の更新を見ても、やはり心がざわめく。自分よりも上位にいる人々が、どんどんとページを更新しているのを見ると、なおさらだ。

彼女の目は画面上の最終更新日を捜し求めた。2023年12月9日、15時52分。その時刻は、彼女の心をさらに重くさせた。

「いつものパターンだ」と、彼女はつぶやいた。そして、彼女の行動はいつものように決まった。彼女はオンラインゲームを起動し、現実の世界から逃げるようにプレイを始めた。

しかし、そのゲームの中でも彼女は満足できなかった。育てても育てても結果が出ない苗に見切りをつけ、結局は深夜に課金をしてしまった。「無駄な努力だ」と、彼女は自嘲した。

「わかっているのに、なぜか行動してしまう」と、彼女は自問する。そして、彼女はひたすら待つことにした。待つことしかできないのだ。巡回大会の主題は「ひたすらエホバを待つ」だ。彼女はその言葉に救いを見出し、ただひたすらに待つことに決めたのだった。


彼女の心は重く、不安と焦りに満ちていた。胸の内で喧噪が交錯し、混沌とした感情が彼女を苦しめた。手には微かな震えがあり、指先からは緊張感が漏れ出しているようだった。

彼女の目には悲しみが宿り、時折込み上げてくる涙を必死にこらえようとしていた。自分の不甲斐なさに対する怒りと絶望が、心を引き裂くようにせめぎ合っている。彼女は自分の感情の渦に飲み込まれそうになりながらも、なんとか立ち向かおうとしていた。

その表情は、苦悩と葛藤の跡で歪んでおり、どこか無力感が滲み出ている。しかし、その中にもひたむきな決意が灯っている。彼女は自分の感情と向き合い、己を奮い立たせるために必死になっていた。







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