さくらこものがたり

春秋花壇

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あーあ

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「ええ、嘘でしょう」

去年、12輪も大きな花をつけていたカサブランカが

今年は10輪、つぼみをつけていた。

去年よりは少ないけど、それでも感謝して、草をとったり

肥料を施したり、虫がついていないか観察したり

目をかけ、時間をかけ、愛情をかけて、手入れしていた。

それがいきなり、2.3日前から、蕾がついているのに枯れてきた。

4輪だけがかろうじて無事。

ぐすん。

去年あんなに咲いたのは、神様からの過分のご親切だったのかも。

おととしの秋、大家さんがもうすぐ秋バラが咲く頃にお庭のお花を

勝手に捨てたり切られたりして、さくらこはものすごくショックを受けた。

重症うつ病のようになり、お庭を見ることさえいやだった。

朝夕刊を配り始めたということも手伝って、

その後の冬と春のお庭は見るも無残なものだった。

それでも、手入れをする元気はまったくなく、

たまに、深いため息をつくのだった。

それが、5月くらいかな。

急に大きなカサブランカを植えていた鉢から芽が出て、

少しだけ元気になったさくらこは肥料を施したのだ。

そしたら、どんどん成長して、それはそれは

芳しい見事な大輪のカサブランカが12輪も咲いたのだ。

植え替えもせず、客土もしなかったのに

棚から牡丹餅という感じだった。

「今年は、別な課題なのね」

さくらこの目標は、ターシャ・デューダーのように

ナチュラルガーデンを楽しみながら小説を書くこと。

そのために努力し、がんばっている。

「はー」

蕾がついているものまで、茶色になっている。

原因を調べると、

去年、肥料を上げすぎて球根がメタポになってしまった。

ウイルス病

疫病

葉枯れ病

球根腐敗病

どれかわからないけど、病気なのね。

よしよし、ごめんよ。

辛いのかな。

植え替えるとき、市販の薬に球根を30分間浸して消毒。

大変そう。

そうね、植えればみんな花が咲くってものじゃないのよね。

だからこそ、ターシャの庭は世界中のガーデナーの憧れ。

梅雨になって、水遣りがらくだと思っていたら、

雑草まみれ。

公園に植えたお花は、何処にあるのかがわからないほど

雑草に侵略されてしまった。

強いねー。

タチアオイのお花は、下から咲いて一番上まで咲き始めたら

梅雨が明ける。

それまでになんとか、雑草を駆除しないと、

炎天下なんて

「みずぶろー」

だけではすまない。

さくらこ 13歳。中学1年生。

みんなとトイレに一緒に行ったり、

飛沫しない距離を置いてだべったり、

放課後一緒に遊んだり、

それなりに付き合いもある。

夕刊配りもあるから、自分の行動をしっかりコントロールしないと。

そして、あいも変わらず、

「二段階走行」

と、毎回のように自分に声かけしないと、

右折で、車でぶつかりそうになる。

まだ13歳なのに、しっかり古い人格が出来上がっている。

がくがくぶるぶる。おそろしやー。

Thursday, July 2
If the Son sets you free, you will be truly free.​—John 8:36.

Jesus was talking about liberation from the greatest bondage and oppression that humankind has ever experienced​—being “a slave of sin.” (John 8:34) Not only can sin lead us to doing what is bad but it can also prevent us from doing what we know is right or from living up to what we know we are capable of. In that sense we are slaves of sin, and the outcome is frustration, pain, suffering, and finally death. (Rom. 6:23) It is only when the shackles of sin are thrown off that we can hope to have the true freedom that our first human parents once enjoyed. Jesus’ statement “if you remain in my word” implies that there are certain requirements or boundaries for being set free by him. (John 8:31) As dedicated Christians, we have disowned ourselves and have chosen to live within the bounds of Christ’s teachings as his disciples. (Matt. 16:24) Just as Jesus promised, we will be truly free when the benefits of his ransom sacrifice are fully applied to us. w18.04 7 ¶14-16

罪を慣わしにすることがありませんように。

罪の奴隷とはなりませんように。

イエスの贖いに感謝できますように。

自由でありたい。

時間をかけて、夏目漱石のこころを読み終えた.

三浦綾子先生の「塩狩峠」や、羊が丘のような爽やかな死ではなかった。

なんて自分勝手な人生。

いろんな人としっかり関わりながらも孤独を感じてしまう人生。

分かち愛、元気、感動は何処にあるんだろう。

どうしてあれがベストセラーなんだろう。

ずーとずーと考えてしまう。

真似をするとすれば、何を真似すればいいんだろう。

そして、あの重い秘密を明らかにされた「わたし」は、

「内緒だよ」と、明かされた秘密をどうとらえどう対処するんだろう。

とっても不思議な小説。

10年たって、読み直したら、また違う感想になるんだろうか。

食べ物で体は作られる。

言葉で心は作られる。

習慣で人は作られる。

よーく噛み砕いて、吟味し、味わい、黙想し、消化することが出来ますように。

ありがとうございます。
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