陽だまりの家

ともに進む力

ともに進む力

サクラは子供たちとともに、古びたソファに寄り添いながら、「世を照らす真の光」というイエスの映像を見ていた。画面に映し出されたイエスは、穏やかな微笑みを浮かべて歩いており、その慈愛に満ちた言葉が静かな部屋に響く。子供たちは目を輝かせ、イエスの優しさと力強さに引き込まれていった。サクラもまた、その一言一言を、乾いた大地が水を吸い込むように心の中で深く受け入れていた。まるで砂漠で一滴の水を待ち焦がれているかのようだった。

「インマヌエル、私たちとともに神がいる。」

その静かなナレーションがサクラの胸を打った。インマヌエル――私たちとともに神がいる。どんな状況でも、神は共にいてくださる。深い悲しみの中でも、底知れぬ不安の中でも、暗闇の中でさえ、神の存在は揺らぐことはない。その確信がサクラの心に広がり、痛む胸を温かく包み込んだ。まるで、冷たい風にさらされていた体に優しい毛布がかけられたようだった。

「そうだ、神はともに進んでくださっている。私は一人ではない。怖がることはない。」

サクラはその言葉を心の中で何度も繰り返しながら、少しずつ力が湧いていくのを感じた。重く沈んでいた心が、少しずつ軽くなっていくようだった。これまでの不安や恐れが、霧が晴れるように消え去っていく。まるで、暗闇の中に差し込んだ光が道を照らすように、サクラの心に希望の光が灯った。

その時、長女のハルが小さな声で、不安げに尋ねてきた。

「ママ、怖くないの？」

サクラはその問いに一瞬驚き、ハルの小さな顔を見つめた。幼い子供が、何をそんなに心配しているのだろうと思ったが、すぐにその問いの意味を理解した。ハルは、サクラがいつもより元気がないことに気づいていたのだろう。どれだけサクラが無理をしても、子供たちにはその心の変化を隠しきれなかった。子供たちの純粋な心は、大人の微細な感情をも映し出す鏡のようだ。

サクラは優しく微笑み、ハルの柔らかな髪をそっと撫でながら、できる限り穏やかな声で答えた。

「怖くないよ。だって、神様がいつも一緒にいてくれるからね。」

ハルはその言葉をじっと聞き、少し安心したような表情を浮かべた。「うん」と小さく頷き、再び画面に目を向けた。サクラはその瞬間、母親として子供たちにどれほど大きな存在であるかを、深く感じた。母親はただの家族の一員ではなく、心の支えであり、暗い道を照らす光そのものであることを、改めて痛感した。そして、どんな時でも笑顔を見せ、子供たちに安心を与え続けなければならないという責任を、心に刻んだ。それは、彼女たちへの静かな誓いであり、揺るぎない決意だった。

動画の中で、イエスが優しく語りかける。「怖がることはない」と、その言葉は強く、そして優しくサクラの心に響いた。それは、神が常にともにいてくれるという約束であり、決して一人ではないという力強いメッセージだった。

サクラはそっと目を閉じ、その言葉を心の中で祈るように繰り返した。

「そうだ、インマヌエル。ともに進んでくださっている。私は一人ではない。だから、怖がることはない。」

その言葉を心に深く刻みながら、祈るように何度も繰り返すと、不安や恐れがまるで霧が晴れるように少しずつ消えていく気がした。深い霧の中に差し込んだ光が、道を照らし出すように、心の中が温かく、力強く満たされていくのを感じた。

動画が終わると、サクラは子供たちに優しい微笑みを向けた。「おやすみ、ハル、ユウ。今日は、大切なことを学んだね。」

ハルは明るい笑顔で「うん、ありがとう、ママ」と答え、ユウは眠りながら小さく手を振った。サクラはそっとカーテンを引き、部屋を暗くした。子供たちに優しくキスをして、部屋を出る時、心の中に温かい光が満ちているのを感じた。それは、明日への希望、そして未来への確かな光だった。

「怖がることはない。インマヌエル。私たちは、ともに進んでいる。」

その言葉を胸に深く刻み、サクラは静かに祈りながら、明日への、そして未来への道を、力強く、穏やかに歩んでいくのだった。