陽だまりの家

春秋花壇

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ささやかな夕餉

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サクラ25才。

5歳の長女ハル、3歳の次女ヒナ、1歳の三女ミク。

4人の幸せな母子家庭。


ささやかな夕餉

陽だまりの家に住むサクラは、若くして母親となりました。25歳の彼女は、5歳のハル、3歳のヒナ、1歳のミクという三人の可愛らしい娘たちを育てています。家計は厳しく、母子家庭としては日々の生活が懸命な努力を求められていますが、サクラは子供たちに愛情と温かさを惜しみません。

今日は朝からびちゃびちゃとずっと雨が降っています。

「5月の雨をさみだれっていうんだよ」

「同じ雨なのに、名前が違うの?」

「そうね、降り方とか季節によって違うよ」

「サクラとハルとヒナとミクはや同じでよかったね」

って5歳のハルがちょっとおどけて話しています。

「どうして同じでよかったの?」

「だってー、違ったら誰が誰だかわからなくなるでしょう」

子供たちの考え方って、とっても不思議だと思います。

確かに、名前が同じだったら誰が誰だかわからないですよね。

「じゃあ、名前がなかったらどうする?」

「うんとね、大きいの、真ん中の、ちびちゃん、ちっちゃいのっていうよ」

3歳のヒナは、張りのある大きな声で答えます。

「ママー、ネーネー」

1歳のミクは、サクラのお膝にしがみついてきます。

「じゃあ、おんなじは何だろう?」

また、サクラがみんなに質問します。

「にんげーん」

「おんなー」

「かぞくーー」

めんどくさそうにハルが一人で答えてしまいます。

サクラは、わざとびっくりした顔で、慌てて自分の口を押えます。

ヒナもミクも真似をして、めいめいの口を押さえます。

「ごめんなさい」

春は最近、みんなの答えを待てずに自己完結してしまうことが度々あります。

ZOOMのクリスチャンの集会で、みんなが注解できるように配慮するという

項目に一人反省しているようです。

誰も注意したりしていなのにね。

「愛がありませんでした」

ベコンと頭を下げて、ヒナにいい子いい子されています。

ミクも真似をして、ハルの頭をなでようとします。

「カレーに入れる肉団子を作る人?」

「はーい」

みんなで勢い良く手を挙げて、夕食つくりのお手伝い。

「Always Rejoice」を聞きながら、みんなでわいわい。

楽しいね~♪

夕方になり、陽が沈む頃、サクラは家の中で夕食の支度を始めます。小さなキッチンで鍋を火にかけ、野菜を切り、丁寧に料理を作り始めます。その横でハルはお絵描きをしていて、ヒナとミクはおもちゃで遊んでいます。

「ママ、今日のおかずは何?」

「さっき、何つくった?」

「肉団子―」

「ミートボール」

ハルが興味津々に尋ねると、サクラは笑顔で答えます。「今日はおいしいカレーを作るよ。みんな大好きでしょう?」

ハルは大喜びで手をたたき、ヒナとミクも喜んで笑います。サクラは子供たちの笑顔を見て、幸せな気持ちになります。

カレーが完成すると、サクラは丁寧にご飯を盛り付け、子供たちに一皿ずつ渡します。彼女自身も少しだけ盛り付けたカレーを楽しみますが、子供たちのために大半を用意しています。

食事が進むにつれ、子供たちの会話や笑い声が絶えません。家族で食事をする時間は、彼女にとって貴重なひとときであり、毎日のように感謝の気持ちを抱きます。

夕食が終わると、サクラは子供たちを風呂に入れます。

寝る前のお祈りと感謝をみんなで一人ずつ拍手しながら発表します。

この瞬間がこの上なく幸せです。

「にくだんごつくったー」

ぱちぱちぱち。

「おかたづけしたのー」

ぱちぱちぱち。

「今日は母の日だから、ママにプレゼント」

5歳の長女ハル、3歳の次女ヒナ、1歳の三女ミク。

それぞれが頑張って協力して描いてくれた素敵な絵。

「ありがとう」

と、書かれてあります。

めっちゃうれしくて涙ぐんでしまいます。

みんな、いい子に育ってくれてありがとう。


寝かしつけてから片付けを始めます。小さな部屋は子供たちの声で満たされていましたが、やがて静かになります。その静寂の中で、サクラは子供たちが安らかに眠る姿を見ながら、明日への希望を抱きます。

彼女の陽だまりの家は、愛情と暖かさで溢れています。母子家庭としての苦労もありますが、それ以上に彼女が家族に注ぐ愛が、家を幸せで満たしています。






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