陽だまりの家

春秋花壇

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小さな字の絵本

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小さな字の絵本

サクラ 25才は、5歳の長女ハル、3歳の次女ヒナ、1歳の三女ミクの4人で暮らしています。

「ぐりとぐら」を借りてきた。懐かしい表紙を手に、ページをめくると、幼い頃の記憶が蘇る。しかし、絵本を開いた瞬間、私は目を疑った。

「こんなに字が小さかったっけ?」

子供の小さな手に合わせた絵本とは思えないほど、文字が小さく、ぎっしり詰まっている。読み聞かせするにはサクラには厳しい。しかし、幼い頃の思い出を辿るように、ゆっくりと読み進めていく。

小さなフライパンで大きなカステラ

大きなカステラを焼くために、小さなフライパンを使うぐり・ぐら。絵本の世界ではありえないスケールに、幼い頃の私はワクワクした。大きな木に登って、卵を採ったり、川で魚を釣ったり、小麦粉を挽いたり。二匹の野ネズミが力を合わせて、カステラ作りを進めていく。

ここで、ヒナが一言。

「お料理作る前に、手洗わないよ。ぐりとぐら」

絵本から飛び出す香り

焼き上がったカステラは、絵本から飛び出すような美味しそうな香り。ページをめくるたびに、カステラのふわふわ感、卵の優しい甘み、バターの芳醇な香りが脳裏に浮かんでくる。二匹が満足そうにカステラを食べる姿を見ていると、こちらも幸せな気持ちになる。

また、ここでヒナが一言。

「カステラ食べる前に、手洗わないよ」

「ハルはどう思う?」

「お料理するときも食べる前も手を洗う。お外から帰ってきた時も」

サクラは、ミクを抱っこしながら、

「みんな賢いねー、手を洗うの知ってるねー」

「あい」

「ああ、ミクも返事してるー」

「じゃあ、みんなも手を洗ってきなこ餅食べようか?」

ハルは、洗面所でごしごしじゃぶじゃぶ。

ヒナは流しで、ゴシゴシジャブジャブ。

ミクもママにだっこしてもらって、じゃーじゃー。

サクラもごしごしじゃぶじゃぶ、ざーざー。

お餅をさっと焼いて、お水につけてお砂糖とお塩を入れたきなこにくぐらせます。

「神様、ありがとうございます。いただきます」

小さな字に込められた大きな愛情

小さな字を読み解くのは大変だったが、その分、絵本の世界に深く入り込むことができた。小さなフライパンで大きなカステラを作る二匹の冒険は、小さな字に込められた大きな愛情を感じさせてくれる。

読み聞かせ

老眼には厳しい字の小ささだったが、孫に読み聞かせるには丁度良い。小さな字を一生懸命読む私の姿を見て、孫は目を輝かせていた。絵本の世界に共感し、二匹と一緒に冒険しているような表情で物語に聞き入っていた。

小さな字の絵本

小さな字の「ぐりとぐら」は、新たな発見を与えてくれた。字の小ささは読み聞かせには難点だが、絵本の世界に深く入り込むためのきっかけとなった。小さな字に込められた大きな愛情を感じながら、これからも孫と一緒に「ぐりとぐら」を読み続けていきたい。

1000文字小説

「ぐりとぐら」は、小さな字に込められた大きな愛情が詰まった絵本である。小さなフライパンで大きなカステラを作る二匹の冒険は、読者に幸せな気持ちを与えてくれる。絵本を通して、小さな字の持つ魅力を再認識し、読み聞かせの大切さを改めて感じた。

感想
「ぐりとぐら」は、世代を超えて愛される絵本である。小さな字に込められた大きな愛情は、読者に幸せな気持ちを与えてくれる。小さな字の絵本は、読み聞かせに最適で、子供たちの想像力を育む。

ハル、ヒナ、ミクの3人は「ぐりとぐら」が気に入ったようです。

「ザーザー、ジャブジャブ」と言いながら、絵本を出してきます。
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