春秋花壇

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星の約束

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星の約束

昔、天の川には美しい織姫と、輝く彦星が住んでいました。織姫は天界で最も巧みな織り手であり、その織った布はどんな宝石よりも美しく、どんな糸よりも細かかったと言われています。一方、彦星は天界の中でも最も美しい音楽を奏でることができる存在でした。

ある日、織姫は天の川の端で星々の集まりを見ていると、彦星の音楽に心を奪われました。彼の音楽は、空間を超えて心を揺さぶり、織姫の胸に深い感動を与えました。その日から、織姫は毎晩彦星の音楽を聴くことにしました。彼女は織りの腕を磨きながら、彦星の音色に想いを馳せていました。

彦星もまた、織姫の美しい織物に心を奪われました。彼は毎晩、織姫が織り上げる布の美しさに感嘆し、その織姫の手仕事に込められた想いに触れていました。

天の川の岸辺で、織姫と彦星は初めて出会いました。星々の光が二人の間に煌めき、彦星の音楽が風に乗って二人の心を結びました。彼らはお互いの才能と心を讃え合い、次第に深い愛情が芽生えていきました。

しかし、天の川には厳しい掟がありました。織姫と彦星は、天の川を隔てて毎日会うことができない運命にありました。たった一度年に一度、7月7日の七夕の夜だけ、天の川にかかる鳥居を渡り合うことが許されていました。

彦星は愛する織姫とのひとときを楽しみにしていましたが、その日の訪れが遠いように感じました。彼は一年中、織姫を待ち続けました。彦星の音楽は、彼の想いを天の川の彼方まで届けるための歌となりました。

七夕の日、織姫は天の川の鳥居を渡りました。彼女は彦星との再会を心待ちにしましたが、彦星の姿が見当たりませんでした。彼女の織り上げた布を愛おしそうに見つめながら、彦星の音楽が聞こえました。彼は彼女を想い、一生懸命音楽を奏でていたのです。

彼らの愛は、天の川を隔てても変わらず深まりました。彦星は織姫に誓いを立てました。二人がいつか、天の川を超え、永遠に一緒に過ごすことができる日が来るように。
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