春秋花壇

あやめのはなさく（菖蒲華）

あやめのはなさく（菖蒲華）

「あやめのはなさく（菖蒲華）」は、七十二候の第二十九候で、6月26日～6月30日頃にあたる時期のことです。

この頃は、梅雨の真っ只中となり、各地でアヤメ科の花々が咲き誇ります。

「菖蒲」と書いて「あやめ」と読むことから、一般的にはアヤメが思い浮かびますが、七十二候の「菖蒲華」で指すのは、主に ハナショウブ です。

端午の節句で邪気を払うために菖蒲湯に入れるのは、サトイモ科ショウブ属の植物で、アヤメとは別種になります。

アヤメ、カキツバタ、ハナショウブはどれも似ていて美しい花ですが、花弁の付け根に注目することで見分けることができます。

アヤメ: 網目模様
カキツバタ: 白い筋
ハナショウブ: 黄色い筋
梅雨のじめじめした空気の中、鮮やかに咲き誇るアヤメ科の花々は、日本の初夏を彩る風物詩と言えるでしょう。

「あやめのはなさく」の時候の言葉としては、以下のようなものがあります。

あやめぐらし: アヤメの花を愛でながら過ごすこと
あやめぞら: 梅雨空に浮かぶ雲
あやめび: アヤメの花の蜜を吸う蝶
あやめがさね: 薄紫色の重ね着
これらの言葉は、いずれもアヤメの花の美しさを表現したものですね。

二十四節気と七十二候は、季節の移ろいをより繊細に表した日本の伝統的な暦です。

「あやめのはなさく」もその一つとして、古くから人々の暮らしに親しまれてきました。

夏が近づき、自然が色鮮やかに彩られるこの頃、ぜひ身近な場所でアヤメの花を愛でてみてはいかがでしょうか。


第二十九候　夏至　次候

あやめのはなさく（菖蒲華）

6月26～7月1日頃

あやめの花が咲く

選びまどう例えになった花
「いずれ菖蒲か杜若」
菖蒲を選ぶには、花弁の基部に網目模様(綾がついているかで見分けられます。

#ガーデニング