春秋花壇

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乃東枯(なつかれくさかるる)

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乃東枯(なつかれくさかるる)

夏至の初候、乃東枯(なつかれくさかるる)。その名が示すように、この時節になると夏枯れ草が枯れる季節が訪れる。庭先の古い石畳の上に、靭草がぼんやりとした影を落としている。日が高く昇り、光が靭草の葉に当たると、その葉の縁には幾筋かの枯れた痕跡が見える。

庭の一角には、靭草が繁っている。その姿は控えめで、靭(うつぼ)という名が示す通り、その葉はしなやかで弾力があり、昔の武士が矢をしまうために用いたと伝えられる道具に似ている。夏至の頃、この靭草は特に色濃く茂り、その緑が一層深まっているように感じられる。

靭草は冬至の頃に地中から芽を出し、春を迎えて緑を増していく。その成長は静かで、けれども確実だ。そして、夏至が過ぎる頃には、その草は次第に枯れ始める。一年のうちで最も日の長いこの時期、草はその生命を終える準備を始めるのだ。

庭に立つ人々は、靭草の枯れる姿を見て、季節の移ろいを感じる。夏至が過ぎれば、日は次第に短くなり、秋へと向かう道が開かれる。暑さもまた増し、庭の草花たちもそれぞれがこの時期に応じた様相を見せる。

ある日、庭には訪れた人がいた。彼は靭草の葉を手で触れ、その弾力に触れながら、季節の移り変わりを思い起こした。彼は靭草についての話を耳にし、その生命の軌跡に思いを馳せた。一つの季節が終わり、また新たな季節が始まる。その中で靭草は、静かにその役割を果たしている。

彼はその後、靭草の様子を描いた詩を書いた。それは季節の美しさと儚さを称えるものであり、靭草の生命の深い意味を讃えたものだった。その詩は人々の間で口ずさまれ、靭草が枯れる頃の美しさを讃える言葉となった。

庭の靭草は、その後も季節の移り変わりと共に繁栄していく。冬至から夏至へと移りゆく時の中で、靭草は静かにその一生を送り、庭に美しさを与え続けるのだった。


第二十八候 夏至 初候

乃東枯(なつかれくさかるる)

6月21~25日頃

夏枯草(乃東)が枯れる

「靭草(うつぼぐさ)」の異名。
冬至に芽を出して、夏至に枯れることから
「生じて冬到る、枯れて夏至る」
と言われる珍しい植物。
靭とはかつて武士が
矢を入れるために使った道具。

ガーデニング





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