春秋花壇

愛と感謝とRespectの春秋花壇

愛と感謝とRespectの春秋花壇

春の日差しが降り注ぐ公園の一角に、色とりどりの花々が咲き誇る花壇があった。それは、老夫婦の春江と秋夫が長年かけて作り上げてきた、自慢の春秋花壇だ。

「春の雨の後は、草取りが大変だね。無理しないでね。春江さん」

「いつもありがとう。尊敬しています。秋夫さん」

春江は花が大好きで、毎日のように花壇の手入れをしていた。土を耕し、種をまき、水やりを欠かさない。時には、近所から珍しい花苗をもらってきて、花壇に彩りを添えることもあった。

「春江さんの手入れがいいから、お花が喜んでる」

「秋夫さんが、腐葉土を作ってくれるから生き生き育ってる」

秋夫は春江の良き理解者であり、花壇作りを陰ながら支えていた。重い土を運んだり、水を汲んだり、時には花壇のデザインを考えたりもした。

春江と秋夫にとって、花壇は単なる花壇ではなく、二人の愛情と努力の結晶だった。花壇が美しく咲き誇るたびに、二人は深い喜びを感じた。

ある日、春江は体調を崩してしまい、花壇の手入れがままならなくなった。心配した秋夫は、一人で花壇の世話をすることにした。しかし、これまで春江に頼りっきりだった秋夫には、花壇の手入れがうまくできなかった。

「春江さん、お花が病気になっちゃった」

「秋夫さん、私のお世話とお花の手入れ、本当にありがとう」

花壇の花は次第に元気を失い、色あせていった。それを知った春江は、病を押して花壇を訪れた。そして、花壇に水をやり、枯れた花を摘み取った。

春江の愛情のこもった手入れによって、花壇は再び活力を取り戻し、美しい花を咲かせ始めた。

その光景を見た秋夫は、自分がいかに春江に頼っていたのか、そして花壇作りに対する彼女の情熱の深さを改めて知った。

それからというもの、秋夫は花壇作りにこれまで以上に積極的に取り組むようになった。春江と共に土を耕し、種をまき、花に水をやった。

二人は協力して花壇を美しくしていくうちに、いつしか昔の仲の良さを取り戻していた。

春秋花壇は、春江と秋夫の愛情と努力の証であり、二人の絆を象徴する存在となった。花壇の鮮やかな花々は、二人の人生を彩り、希望を与え続けている。

「秋夫は客土してくれました。春江はお花の種を蒔きました。でも、育ててくださったのは神なのです」

後日談

数年後、春江は病に倒れ、この世を去った。秋夫は悲しみに暮れたが、春江の遺志を受け継ぎ、花壇作りを続けることを決意した。

秋夫は、一人で花壇の手入れをするのは大変だったが、春江との思い出を胸に、毎日花壇に愛情を注いだ。

花壇には、春江が愛していた花々が咲き誇り、彼女の面影を偲ぶことができる。

春秋花壇は、二人の愛の物語を語り継ぎ、訪れる人々に希望を与え続けている。

愛と感謝とRespect、溢れるほどに花は咲く。

ありがとうございます。