老人

春秋花壇

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静寂の中で輝く時間

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静寂の中で輝く時間

独居老人の庵は、静かな山間の小さな家だった。古びた畳の上に座り、窓の外に広がる自然を眺めるのが、彼の日課だった。70歳を迎えた今も、彼の心は時折、静かな時間の中で振り返りに耽る。

人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり。それは、彼の人生も例外ではなかった。若き日の熱い情熱、過ぎ去った時の流れによって、夢と現実の境目が曖昧になる。

かつての彼は、夢を追い求める若者だった。大都会での成功を夢見て家を飛び出し、新しい道を切り拓こうとした。しかし、現実は容赦なく彼を試し、仕事の失敗や健康の問題に直面させた。

結局、彼は故郷に戻り、独居の生活を送ることになった。周りの人々は彼を心配し、孤独を寂しく思うかもしれない。しかし、彼はそんなことには興味がない。彼にとって静寂は、内なる平和と悟りの世界への門だった。

老人はしばしば窓辺で、昔話に耽る。懐かしい記憶が蘇るたびに、彼は微笑む。静かな山間で過ごす時間は、彼にとって貴重で、他の何よりも価値がある。

そして、70歳を超えてもなお、彼の心には夢がある。それは、孤独な人々のための支援活動を始めることだ。彼は、地域の子どもたちに読書を教えたり、孤独な高齢者のための訪問活動を行ったりすることを考えている。

彼の庵は静かなままだが、その中で輝く時間は多い。彼の人生は、何度も曲がりくねった道を歩んできたが、静寂の中で見つけた平穏は、彼の心を豊かにしている。

時折、独居老人は山の奥深くに目をやる。そこには彼の足跡があり、彼が刻んだ時間がある。そして、その静寂の中で、彼の心は深く静かに満ちている。

もう昔のようには歩けない。

大好きなガーデニングもできない。

せいぜい、ゴミ出しと家の内外の掃き掃除。

それでも、何とか生きている。

主治医や訪問看護や訪問介護のケアマネさんの助けを借りて

生かされている。

いまだに洗礼を受けることはできないけれど

誇れるものがあるとすれば、

何度も何度も倒れながら

罪にまみれながら

一生懸命、神を求めた。

死のうとしても死ねないから、

諦めて生きているだけなのかもしれない。

宣べ伝えることも、他の人たちに愛を示すこともできない。

お金も時間も労力も人からもらうだけ。

本当に申し訳ありません。

生まれてきてごめんなさい。

生きていてすみません。

粗大ごみにも出せないくずです。

卑屈になることなく、まっすぐに

光へ神の過分のご親切へと身を伸ばす。

ありがとうございます。








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